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原発防災 30キロ圏に拡大/規制委が対策指針決定 避難の判断基準 記載なし

原子力規制委員会は31日、定例会合を開き原子力災害対策指針(原子力防災指針)を決定しました。原子力災害時に住民の避難や屋内退避などへの備えを重点的に行う区域は、これまでの原発から半径8~10キロ圏が、30キロ圏に拡大されます。新たな防災指針によって、原子力防災重点区域を含む自治体は、従来の15道府県から21道府県に、市町村は45から135に増え、対象人口はこれまでの約7倍の480万人(一部重複)に及びます。

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(写真)玄海原発の事故を想定した訓練で、玄海町の保育所から避難した園児ら=10月28日午前、佐賀県小城市

 これらの各地方自治体は指針をもとに、来年3月中に地域防災計画を策定することになります。

 しかし、規制委が24日に示した全国の原発の事故時に放出される放射性物質の拡散予測では、30キロ圏外の自治体でも避難が必要となる可能性が示されており、これらの自治体からの反発が予想されます。

 田中俊一委員長は「各自治体でこれから防災計画を住民の立場で作っていただきたい。自治体の作業とのやりとりの中で指針の見直しもあってもいい」と述べました。

 今回の指針では、予備的な避難などのための判断基準や放射性物質の放出後に住民の避難などを判断する線量などに基づく基準について、具体的記載がなく、今後、規制委において検討するとしています。

 放射能雲(プルーム)通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域(PPA)の範囲や安定ヨウ素剤投与の判断基準など多くの項目が、「検討を行うべき課題」として残されています。

 地方自治体が防災計画を策定する上で参考とする防災マニュアルは、内閣府と消防庁が、11月中には案を提示。規制委の意見も踏まえ策定する方針です。

防災指針のポイント

 一、原子力施設の半径5キロ圏内は、施設の状態悪化で避難する区域(PAZ)、同30キロ圏内は線量上昇の恐れで避難する区域(UPZ)に設定

 一、平時から住民への情報提供、放射線モニタリング体制の整備。訓練は複合災害や過酷事故に対応できる内容に

 一、原子力災害が発生した場合、中長期対策を進める。国などは長期的な健康評価を実施する

 一、SPEEDIの活用法、東京電力福島第1原発事故による災害対策重点区域は今後検討する

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