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甘利明・自民党政調会長、衆院代表質問(全文)

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 昨日(10月31日)の大好評の安倍晋三総裁に続き、甘利明・自民党政調会長の衆院代表質問を掲載します

1.はじめに

 自由民主党政務調査会長の甘利明でございます。
私は、自由民主党・無所属の会を代表し安倍総裁の質問に続いて、野田総理大臣に質問致します。

 野田総理は、所信表明演説で「今日より明日は必ずよくなる」、そう信じてもらえる社会をつくりたい、そのようにおっしゃいました。
 総理のその言葉に、そして今の民主党政権に対して、それを信じる国民が果たしてどれほどいるのでしょうか。
 政権が交代して3年。民主党政権の3年間で、わが国は混迷を極めました。その原因をあげれば、①はき違えた政治主導、②受け狙いのポピュリズム政治、③百害あって一利なしの事業仕分け、など枚挙にいとまがありません。

2.迷走する民主党政権


(①はき違えた政治主導)
 民主党政権が、国を迷走させるその大きな原因は、政治主導を曲解し、はき違えているところにあります。政治主導の本質は、官僚機構という最大のシンクタンク、統治機構を使いこなすことであり、政治家が国益に向かって的確にコントロールすることであるはずです。それが、民主党政権では、官僚と隔絶し、接触を図ろうとせず、政治家だけで相談し物ごとを決める。「はき違えた政治主導」、これがすべての間違いの始まりであります。

 素人の政治家が、少ない知識と経験だけで判断し、受け狙いのその場しのぎの瞬間芸で政策を決定するから、後々破綻するのであります。

 外交政策で言えば、政府が下した結論、判断に反して起こる驚愕の現実、その事実を「想定外であった」と言ってあたふたとする政府、その繰り返しではなかったでしょうか。本来ならば様々なシミュレーションを綿密に行ったうえでの判断でなくてはならないのに、民主党政権は、その場しのぎの思いつきによる判断ばかりではなかったでしょうか。

 民主党政権が推し進めた政治主導に関する総理の考えをお伺い致します。

(②受け狙いのポピュリズム政治)
 バラマキ4K施策に代表される民主党のマニフェストはほぼ破綻し、マニフェストという言葉はいまや詐欺の代名詞と揶揄されています。

 しかし、現在も民主党の体質は少しも変わっていません。最近のポピュリズム政治の最たるものが、エネルギー政策であります。2030年代までに原発稼働ゼロを目指すと言いながら、2050年代まで稼働する大間原発の工事再開を了解するなど、明らかな政策の矛盾ではないでしょうか。

 また、2030年代原発稼働ゼロを目指しながら、再処理を続けるとなると、利用するあてのないプルトニウムをつくり続けることになります。米国を始めとする国際社会が懸念をしているのは、利用するあてのないプルトニウムをつくり続けるというわが国の政策を認めてしまうと、米国によるイランに対する圧力を減殺してしまうのではないかということであります。

 さらに、韓国は核保有国以外で唯一日本に認められている再処理を、韓国にも認めるようかねてから求めています。言うまでもなく隣国は北朝鮮であり、プルトニウムの管理は特に重要な問題となります。

 思いつきのような、受け狙いの政策、選択が、国内のみならず世界中に様々な不安をまき散らしています。それに対してどういう責任を取るのかということを、総理にお伺い致します。

(③百害あって一利なしの事業仕分け)
 看板政策の事業仕分けでは、スーパーコンピュータの京が「2位じゃだめなんでしょうか」との発言で有名になりましたが、探査機はやぶさの後継機の予算が60分の1に削られながら、世間から批判を浴びると、予算を復活させる始末でありました。

 わが国が主導した東アジアへの戦略的な取り組みである、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)の予算も削減しましたが、問題を指摘されると予算を増やすという始末でありました。

 極めつけは、日本の底力となる最先端研究費のカットであります。自民党が政権を担っていた時は、聖域なく予算を削減する決断の中でも、研究開発費だけは、毎年2%増やすという姿勢はぶれることなく堅持してきました。

 麻生内閣の終盤、私は行革大臣をしていましたが、日本の将来を担う科学技術研究の基金化を提言致しました。平成21年度の第一次補正予算で厳選した30の研究に合計約2700億円を付け最先端研究支援プログラムを策定致しました。役人の前例主義や積み上げ方式を打ち破る大胆なプロジェクトとして、大学をはじめ、研究者のやる気をふるい立たせ、関係者に大変評価され、成果も期待されておりました。ところが、政権交代と同時に約1000億円に減額されてしまいました。

 ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授の研究には、当初100億円前後の予算が付くはずでしたが、事業仕分けで半分に削られたのであります。 山中教授がノーベル賞の受賞報告を行った際、野田総理はこれからも支援、応援する旨を述べられましたが、研究を支援するのですか、それとも事業仕分けを支援するのですか、どちらなのでしょうか、総理にお伺い致します。

3.個別政策


(①経済再生)
 野田総理はわが国の経済をどう進めていくおつもりでしょうか。
 わが党の安倍総裁は、就任後ただちに、党内に新たに「日本経済再生本部」を設置し、日本経済再生の具体的かつ抜本的なプランづくりに着手しているところであります。
 昨年、31年ぶりの貿易赤字に陥りました。今年の経済指標はさらに深刻な状況が報告されており、手をこまねいていれば、数年後には経常赤字に陥ると警鐘がならされています。

 経常赤字に陥れば、必要な財政資金をフローでは国内で調達できない事態となります。そうなれば、日本国債の信用性が市場で厳しい評価にさらされ、つまりは、償還可能性が厳しく問われることとなるのです。
 ここで重要なことは、財政再建への道筋が政府によって責任を持って示されるか否かです。それはすなわち、消費税引き上げへの経済的環境づくりがしっかりとできるか否かにかかっているわけであります。

 では何故、貿易赤字に陥ったのでしょうか。それは、原発稼働停止により、石油や天然ガスの輸入が大幅に増え、年ベースで3.1兆円もの国富が流出したことが直接の要因です。
 加えて、構造的な要因もあります。産業競争力が落ちています。10~15年後の競争力の源泉となるような研究費の予算を事業仕分けでカットし、さらには税制面でも研究開発減税を縮小してしまいました。それらを法人税減税の財源に充てているのであります。日本の競争力を犠牲にして、競争力と無縁なものにまで配る。予算、税制ともに、わが国競争力とは反対の方向に向いているのであります。競争力を培う事業に使わず、目先のバラマキ政策ばかりに予算を使っているのであります。

 本年8月31日に、わが党は「日本経済再生プラン」を発表致しました。私が責任者として、取りまとめたプランであり、高い評価を頂きました。
 わが国経済再生のカギは、実質3%、名目4%の経済成長を目指し、財政の健全化を進めつつ、円高・デフレ・空洞化対策に最優先で取組むことです。さらに、当面の円高・デフレ・空洞化対策のみならず、中長期的に日本経済の設計図を書きかえる提言を致しております。

 貿易立国を通じてGDPを拡大していく設計図から、貿易立国プラス産業投資立国の双発エンジンにより、わが国の経済をけん引していく。そして二つのエンジンが互いにシナジー効果を発揮する。内外の資本還流を通じて日本の産業競争力を強化する。わが国を価値の創造拠点とし、科学技術の司令塔機能を再構築する。このような絵図をお示ししたわけであります。

 さて、予算規模に目を移すと、自民党時代は80兆円台であった予算が、民主党政権になって、90兆円台に増加しました。予算を拡大しておきながら、景気が低迷する、需要が生まれない、競争力が落ちるというのはどういうことなのでしょうか。政治無策に他ならないのではないでしょうか。

 民主党は自公政権時代の経済財政諮問会議を非難し、国家戦略会議をつくりましたが、その開催頻度、透明性、内容、どれをとっても両者を比較することすらおこがましいものとなりました。
 政府・与党たるものは、金融当局たる日本銀行を含め、関係閣僚がその時々の経済の状況と将来見通しに関する認識を共有し、時機を失することなく、大胆な経済政策を打っていくのが王道です。
 経済財政諮問会議は、しっかりとした役割を担ってきたと思いますが、今、国家戦略会議は何をしているのでしょうか。

 また、先週約4000億円の予備費を財源とする経済対策が決定され、さらに総理は11月末にも、もう一度対策をまとめる可能性を示唆されたとのことですが、場当たり的な経済対策は市場に雑音を与えるだけです。
 経済政策に関して、総理の考えをお伺い致します。

(②科学技術政策)
 民主党政権になって、事業仕分けという近視眼的な予算削減が行われた結果、各省庁は自分の予算を守る事を第一に考えるようになり、省庁間の連携が減り、縦割りの溝はむしろ深まったとの指摘があります。

 日本の将来を真剣に考えるならば、わが国を競争力と付加価値の創造拠点とする設計が必要であり、その司令塔たる総合科学技術会議の抜本的再構築が要となります。
 前任の古川国家戦略担当大臣が策定した総合科学技術会議の再構築プランは、企画権限は文部科学省、予算権限は財務省が握ったままの評価に値しないプランでありますが、それすらも法案の閣議決定もされず、日の目を見ていない状況であります。
民主党がマニフェストで強調した総合科学技術会議の、科学技術の司令塔としての再構築はどうなってしまったのですか、総理にお伺い致します。

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