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【バレット最高裁判事誕生 社説から】

アメリカの連邦最高裁判事だったRBG=ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が亡くなったのは先月18日。わずか1か月余りのスピード手続きで、後任に保守層に人気のエイミー・コニー・バレット判事が就任しました。これで最高裁判事9人のうち6人が保守、3人がリベラルに。

保守的な論調のWSJの社説は喜びに満ちている一方で、リベラルな論調のNew York Timesは不満爆発。

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WSJの社説はJustice Barrett Joins the Court(バレット判事誕生)。この中で、連邦最高裁判所の判事としてバレット氏が26 日、議会上院で52対48で承認され、すぐに宣誓式が行われたが、先立って野党民主党がバレット氏を根拠なく批判したものの、深い知識と思いやりを見せて乗り切ったとしています。

こうした姿勢から先週のギャラップ社の世論調査では国民の51%がバレット氏の判事昇格を望み、トランプ大統領は2016年に約束した通り、保守的な判事が増えて保守6人対リベラル3人となりましたが、かといって判決が前もって決まっているわけではないと指摘。

新しい最高裁が権力の分立と憲法で保証された個人の自由のために尽力することが求められるとしています。

New York Timesの社説はThe Republican Party’s Supreme Court(共和党のための最高裁判所)です。

この中で、大統領選挙を直前に控えて共和党が非常に保守的な思想のバレット氏を最高裁判事に強引な手続きで承認したことで、選挙で敗北する可能性があると示唆しています。

彼女が最高裁判事になったことで世間よりも保守的な判決を求める共和党の40年に及ぶ計画が実現するとしています。

バレット判事が師匠と仰ぐ故スカリア連邦最高裁判事のことばで締めくくっています。選挙で選ばれたわけではない弁護士の集団が民意を妨害するような民主主義は民主主義ではない。

FTの社説はThe character of US democacy is on the ballot(大統領選挙で問われているのはアメリカの民主主義そのもの)。副題として「トランプかバイデンの選択であれば決断はそう難しくないはず」。

この中でバイデン候補が支持率でリードしているのはトランプ大統領のコロナ対策の失敗によるところが大きいのはやや不思議だと指摘。

と言うのも、▼ウクライナ問題をきっかけとした弾劾、▼アメリカの同盟国との間に入った亀裂、▼白人至上主義の容認、▼気候変動のパリ協定から離脱、▼恩赦の権限の乱用、▼自虐的な対中対立などを経ても、この春までトランプ大統領の再選の確率は半分あったと解説しています。

それはアメリカ経済がそれなりに良かったからですが、コロナで一変したということです。今なお、経済政策についてはトランプ大統領の方がバイデン候補よりも国民に支持されているといいます。

来週の大統領選挙でトランプ大統領は郵送による投票に疑義を主張することは明確にしており、2000年の選挙でフロリダ州の票をめぐって連邦最高裁に持ち込まれたように、今回もそうなりかねず、バレット判事が26日に承認され保守6人、リベラル3人になったことで、新たな不確定要素が加わったということです。

バイデン候補が地滑り的な勝利を確保する可能性があるとしつつ、いま問われているのはアメリカ政府のコロナ・マネージメントではなく、アメリカの民主主義そのものだと総括しています。

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