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小沢一郎代表の姿が浮かぶ東祥三幹事長の代表質問に、衆院本会議場はヤジ1つ飛ばず静まり返った、なぜか?

衆院本会議は10月31日午後1時から、各党の代表質問を行った。トップバッターは、自民党の安倍晋三総裁、二番手は、民主党の仙谷由人副代表、三番手は、自民党の甘利明政務調査会長、この日最後、四番手は、国民の生活が第一の東祥三幹事長が、質問に立った。

真っ白な顎鬚がいまやトレード・マークになっている東祥三幹事長が、登壇するまでは、本会議は、ヤジや怒号が飛び交い、騒がしかった。それが、どういうわけか、東祥三幹事長が立つと、本会議は、シーンとして、すっかり静まり返り、ヤジ1つ飛んでこなかった。全議員が清聴しているのだ。

東祥三幹事長は、「野田総理は、マニフェストに書いていないことは、やらない。書いていることはやる。シロアリ退治もすると言っていたのに、マニフェストに書いていない消費税増税法を成立させ、マニフェストに書いていることはやっていない。シロアリ退治もしていない。これは民主党を支持した国民に対する裏切りだ。野田総理はウソつきであり、無責任だ」と口を極めて、咎めた。

これに対して、与野党いずれの席からも、ヤジは一切なし。当の野田佳彦首相は、閣僚席で憔悴し切った表情。神妙な顔で聞き入っていた。

東祥三幹事長は、国民の生活が第一が次期総選挙・参院議員選挙に向けて作成した「3つの緊急課題」に絞って、簡潔明瞭、整然と質問を展開した。「3つの緊急課題」とは、

① いのちを守る「原発ゼロ」。「エネルギー政策の大転換」で、10年後を目途に全ての原発を廃止する。そのために日本の省エネルギー技術と再生可能エネルギーの普及、効率の良い天然ガスコンバインドサイクル火力発電、さらにエネルギーの地産地消を強力に促進する。それにより、原発立地地域をはじめ、地域経済の発展と雇用の拡大を実現する。

② 生活を直撃する消費税増税は廃止。 デフレ不況下での消費税増税は、消費の冷え込み、とくに中小企業、農林漁業など弱い立場の人たちの暮らしを直撃するので、断固阻止・廃止する。まずは、ムダづかいの多い特別会計、政府関係法人の廃止と、官僚の天下りの全面禁止を断行する。増税に頼らずに予算のつくり方を根本から見直し、「国民の生活が第一」の財源を確保する。金融・財政政策の積極的な展開により景気の回復を実現する。

③ 地域のことは地域で決める地域が主役の社会を。東日本大震災の復輿の遅れに象徴されるように、中央が全てを決めて地方に押し付ける中央集権体制は、国民の声に応えられなくなっている。行政の権限と財源は地方に大胆に移し、「地域が主役の社会」を実現する。特に、国の補助金と政策経費(合計40兆円)を原則、自主財源として地方への交付対象とする。それにより地域経済を活性化し、デフレ脱却を促進する。

もちろん、小沢一郎代表は、野党席の一番後列の席で、山岡賢次代表代行と並んで聞いていた。この東祥三幹事長の質問を聞きながら、与野党各議員は、小沢一郎代表の声として聴いていたのであろう。このため、ヤジ1つ飛ばせなかった。だが、質問が終わると、議場から大きな拍手が送られていた。

なぜ、与野党ともに、ヤジ1つ飛ばせなかったのか。それは、与野党ともに、いまは野党第2党の立場にある小沢一郎代表に対して、秋波を送らざるを得ない立場にあるからだ。怒らせるわけにはいかないと神妙にしている。

 野党自民党、公明党などは、野田佳彦内閣不信任決議案を提出し可決成立させて、野田佳彦首相を衆院解散・総選挙に追い込みたい。この作戦には、小沢一郎代表率いる国民の生活が第一の衆院議員47人の賛成が不可欠である。

 一方、与党民主党・国民新党は、247人。過半数240人(定数480、欠員1)なので、民主党から7人、このうち2人が離党届けを提出しているので、5人離党すれば、過半数割れを起こす。このため、輿石東幹事長は、鳩山由紀夫元首相(最高顧問)を動かしてまで、小沢一郎代表に「前原誠司戦略担当相、仙谷由人副代表、枝野幸男経済産業相を排除するから、連立してくれないか」と泣きついてきている。

 これには、さすがの小沢一郎代表も呆れ果てて、一切取り合おうとしていない。だが、小沢一郎代表は、「野田首相は辞任する」と断言している。このことを受ける形で、東祥三幹事長は、代表質問の最後のところで「野田総理は、船から早く飛び降りてもらいたい」と述べて、退陣を迫っていた。これは、野田佳彦内閣の総辞職を意味しており、衆院解散・総選挙を迫ったものではなく、自民党、公明党などの要求とは違う作戦が窺われる。

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