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核禁条約に参加できない日本政府の情けなさ

 これは昨日の紙面だが、この二日間の記事を読み合わせて、今の日本政府の立場というものが見えてきた。条約の発効に必要な50ヵ国の批准の最後を務めたのは、中米のホンジュラスだったとのことだ。逆に言えば、日本がその立場を引き受けることも出来たのに、惜しいことをした。

 とは言うものの、今の日本政府にそれを期待するのは、もともと無理なことだったろう。アメリカの核兵器の傘の下に守られている恩義があるから、アメリカを不快にさせるような条約に参加できるわけがない。広島や長崎での平和式典では、毎年首相も出かけて行って「核兵器の惨禍を再び繰り返すことのないよう……」などと殊勝な顔で式辞を読んではいるが、本当は、核兵器をなくしては困る側にいるのだから。

 しかし今の世の中で、本当に核兵器が実用可能だと思っている人間は、どれくらいいるのだろう。大半は、「万一にも使われたら困る」と思っている対象は、北朝鮮と中国に限られるのではなかろうか。それだったら、今後に向けて話し合いを進める余地はある。先方だって進んで核を使いたいわけではないのだから。自分が安全だと思えれば、重い武装は無駄でしかなくなる。

 この条約で、核を持たない国同士の間では、核の使用も核による威嚇も違法となった。世界の常識が成文化されたと言ってもよい。日本もぜひ参加してほしいものだが、そのためにはアメリカの核を「有事であっても持ち込ませない、使わせない」方針を確立しなければならない。

 それは今の自民党政府では無理だろうが、たとえば鳩山政権のときだったら、その可能性はあったと思う。そう思うと、この条約は決して「高嶺の花」ではないのだ。核兵器の廃絶は、日本国民の長年の悲願だったのではないか。だったらこの思いは、次の選挙への期待につながる。政権与党の自民党を、政権の座から交代させればいいのだ。

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