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「慰安婦像」の設置を許す文在寅氏には韓国大統領を辞めてもらうしかない

「日本軍は少女を性奴隷にしていた」との歪んだ主張

ドイツの首都ベルリン市の中心部の歩道に設置され、同市ミッテ区が撤去を求めていた慰安婦像の撤去が先送りになった。像を置いた韓国系市民団体が、設置許可取り消しの効力停止を求め、行政裁判所に異議を申し立てたからである。

ミッテ区は日韓問題をドイツ国内で扱うことは「不適切だ」と慰安婦像の設置許可を取り消し、10月14日までの撤去を求めていた。ところが、これに市民団体が「表現の自由に反する」と強く反発して司法に訴えた。

10月13日、ドイツ・ベルリン市ミッテ区に設置された少女像前で、設置許可取り消しに抗議する人々
10月13日、ドイツ・ベルリン市ミッテ区に設置された少女像前で、設置許可取り消しに抗議する人々 - 写真=EPA/時事通信フォト

これまで慰安婦像は分かっているだけでも、アメリカ、カナダ、オーストラリアにも設置されてきた。ヨーロッパ諸国は日韓の政治問題を理解していない国民が多いうえ、いまだに日本を敗戦国扱いするような国もある。そこにつけ込むように韓国系市民団体が各国で「日本は少女を無理やり連れ去り、性奴隷にした」との歪んだ主張を繰り返している。

文政権は元徴用工の問題でも「反日種族主義」を許容

慰安婦の問題は5年前の日韓合意ですでに解決済みだ。それにもかかわらず、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、慰安婦の少女像の設置を世界各国に広げて反日を鼓舞する市民団体の活動を許す。自らの政権維持に利用したいのだろうが、一国の首脳として驚くべき行為である。

沙鴎一歩は以前、北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致の問題を抱える隣国同士ゆえに、なんとか解決の道を探るべきだと主張したこともあった。しかし、文政権は元徴用工の問題でも反日種族主義(反日トライバリズム)を許容している。元凶は文大統領である。

韓国国内からも文氏に対する非難の声は多く出ている。いまこそ、韓国国民が次の大統領選(2022年)によって文政権を倒し、まともな政権を誕生させてほしい。それが民主主義というものだからだ。

「日本のイメージを傷つける動きは放置できない」と読売社説

ドイツの慰安婦像の設置問題で、10月22日付の読売新聞の社説は「独に少女像設置 『反日』の拡散は放置できない」との見出しを掲げ、「歪曲された歴史観を国際的に拡散し、日本のイメージを傷つける動きは放置できない」と書き出したうえで、こう指摘している。

「市民団体は、少女像の目的について、『戦時下の女性に対する性暴力への反対』を表現するためだと説明している」
「女性の人権擁護が国際的に重要な課題であることは、言をまたない。だが、今回の少女像は反日的な政治宣伝の要素が強く、公共の場での設置には問題がある」

「性暴力への反対」「表現」「女性の人権擁護」。どれも欧米の国際社会が飛び付きたくなるような言葉や言い回しである。在ドイツの韓国系市民団体はよく考えて行動している。その狡猾さは決して侮れない。

屋外で行われている政治家の演説の聴衆
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/stevanovicigor

10月15日付の朝鮮日報によると、慰安婦像の設置は3年前から計画され、市民団体は日本政府に邪魔されないように内々に周辺の商店や住民への接触と打診を繰り返して支持を得てきたという。ドイツの女性団体にも頼って援助を受けた。今年7月初めにはベルリン市ミッテ区から「芸術作品」としての設置許可を得たというが、事実無根を象徴する少女像の一体どこが芸術なのか。

「軍が慰安婦を強制連行したという認識は事実に反する」

読売社説は続けて指摘する。

「碑文は、韓国の元慰安婦支援団体が像を寄贈したと記し、団体がソウルの日本大使館前で行っている抗議活動を紹介している。『日本軍はアジア太平洋地域の無数の少女や女性を拉致し、性奴隷の境遇を強いた』とも書いている」
「『性奴隷』という表現や、軍が組織的に慰安婦を強制連行したという認識は事実に反している」
「日本政府の調査で、強制連行を裏付ける資料はなかった。強制連行説の根拠となった『吉田証言』は、後に虚偽だったと判明したことを忘れてはなるまい」

慰安婦問題についての韓国側の説明や主張は、読売社説が指摘するようにことごとく間違っている。

読売社説は書く。

「韓国外交省は、日本が像の撤去を求めたことを、『元慰安婦に対する謝罪の精神に逆行する』と批判している。理解に苦しむ主張である。問題の本質は、少女像設置の動きを勢いづかせるような韓国政府の姿勢にある」

明快な指摘である。韓国政府に大きな問題があるのだ。

さらに読売社説は訴える。

「文政権はまず、ソウルの少女像の撤去に向けて、設置した市民団体の説得を進めねばならない」

しかし、文在寅大統領が市民団体を説得することはないだろう。おのれの政権を保つために、2年後の大統領選で再び勝利を得るために、市民団体の誤った行為を許容して反日を煽っているからだ。もはや文氏には大統領の資格はない。

日本政府はもっと強くドイツに訴える必要があった

次に10月11日付の産経新聞の社説(主張)を読んでみよう。

「ドイツの首都ベルリン中心部の公共用地に、韓国系市民団体が中心となって慰安婦像を設置した問題で、像が置かれた地区当局が設置許可を取り消し、14日までに撤去するよう求めた」
「茂木敏充外相が1日の日独外相テレビ会談で撤去要請するなど、外務省によるドイツ側への働きかけが功を奏した」

市民代替の裁判所への訴えによって慰安婦像の設置が再び認められるようになる前の社説である。日本政府は市民団体の動きを察知できなかったのか。産経社説に「功を奏した」と褒められていい気になっていたのかもしれない。もっと強くドイツに訴える必要があった。これからも設置の中止をドイツ政府に強く求めるとともに、国際社会に日韓問題を正しく理解してもらう努力を続けるべきである。

産経社説も褒めるだけでなく、社説として自国の政府を叱咤激励する立場にあることを忘れてはならない。

この社説の書き出しも「菅義偉政権が安倍晋三前政権と同様に、韓国の反日行為や国際法違反を正していく姿勢をとっている点を評価したい」だったが、現政権をむやみに褒めたたえるようで新聞社説として情けない。権力に対し、批判精神を失った社説はもはや社説とはいえない。

慰安婦問題の解決は未来永劫に変わらないことが決まっていた

産経社説は指摘する。

「像を放置すれば、慰安婦とは強制連行された『性奴隷』であるといった歴史の捏造が広まりかねない。悪質な反日行為の芽は確実に摘んでいかねばならない」
「容認できないのは、韓国外務省報道官が、今回の像を『歴史的事実に関連した追悼教育のため』だと擁護し、撤去を求めた日本政府を『日本が自ら表明した責任の痛感や謝罪、反省の精神にも逆行する』と批判したことだ」

「歴史の捏造」「反日行為の芽」「追悼教育」「責任の痛感や謝罪、反省の精神にも逆行」。どれも産経社説の指摘の通りだ。文在寅政権下の韓国は、アメリカを介在した日本の“同盟国”とは思えない。

さらに産経社説は指摘する。

「2015年の日韓合意は、慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した。国と国の約束は守らなくてはならないのに、文在寅政権は日韓合意には法的拘束力がないと主張している」

「不可逆的」とは決してもとに戻ることのないことを強調して指す言葉である。つまり慰安婦問題の解決は未来永劫に変わらない、と日韓両国の間で決まったのである。それを白紙に戻す文在寅大統領の言動は、国際間の約束違反にととどまらない。もはや文氏には人間としての価値も尊厳もない。

文大統領には日本を利用して中国に媚を売る思惑がある

産経社説は続ける。

「菅首相は9月24日、文大統領との電話会談で、この問題などを念頭に『非常に厳しい状況にある両国の関係をこのまま放置してはいけない』と述べ、文氏に解決のための対応を促した」
「だが、文政権はなんら行動を示さない。そのうえ、ベルリンの慰安婦像を擁護する始末である」

2018年12月には韓国海軍が日本の哨戒機にレーダーを照射して砲撃態勢に入った「ロックオン事件」もあった。

後半で産経社説はこう指摘している。

「今年は韓国が日中韓首脳会議の議長国で、文氏は菅首相の年内訪韓を望んでいる。だが、北朝鮮問題があるとはいえ、異様な反日姿勢のままの文氏と建設的な話し合いができるとは思えない。現状は首相訪韓の環境にない」

「反日姿勢」だけではなく、文在寅大統領の腹の底には日本を利用して中国に媚を売る思惑があるのだろう。外交は自国の利益の追求が基本だが、相手国を虚仮(こけ)にするような言動を重ねるようではその外交の基本は通用しない。

なお吉田証言を率先して掲載していた朝日新聞は、執筆時点では社説でこの話題を取り上げていない。一体どのように考えているのか。言及が待たれる。

(ジャーナリスト 沙鴎 一歩)

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