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【全文】菅首相が所信表明で不妊治療の保険適用に早急な対応を強調「給料1人分が消えている」

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第203臨時国会が26日に召集され、菅義偉首相は初となる所信表明演説に臨んだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の落ち込みについて、持続化給付金や無利子・無担保融資、さらにはGo To キャンペーンなど観光や飲食面での需要喚起策を挙げ「経済に与える影響や内外の経済動向を注視しながら、躊躇(ちゅうちょ)なく必要な対策を講じる」と決意を述べた。

首相肝いりのデジタル庁創設については、「民間の力を大いに取り入れながら早急に準備を進める」と来年の創設に向けて力を込めた。少子化対策として不妊治療への早急な保険適用を目指すほか、現行制度下においては「現在の助成措置を大幅に拡大」する方針を示した。

また、2050年までに脱炭素社会の実現を目指す決意を明かした上、エネルギー政策については「石炭・火力発電に対する政策を抜本的に転換(する)」と言及。来年3月で東京電力福島第一原発事故から10年を迎えるのを前に、「安全最優先で原子力政策を進める」と語った。
菅内閣は9月16日に発足した。臨時国会の会期は12月5日までの41日間。

所信表明の全文は以下の通り。 

【全文】

この度、第99代内閣総理大臣に就任をいたしました。新型コロナウイルスの感染拡大と、戦後最大の経済の落ち込みという国難の最中にあって、国の舵取りという大変重い責任を担うこととなりました。

まず改めて今回の感染症でお亡くなりになられた全ての皆さまに、心からの哀悼の誠を捧げます。そして、ウイルスの戦いの最前線に立ち続ける、医療現場、保健所の皆さん、介護現場の皆さんをはじめ、多くの方々の献身的なご努力のおかげで今の私たちの暮らしがあります。深い敬意とともに、心からの感謝の意を表します。

6月下旬以降の全国的な感染拡大は減少に転じたものの、足元で新規陽性者数の減少は鈍化し状況は予断を許しません。爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守りぬきます。その上で、社会経済活動を再開して、経済を回復してまいります。今後、冬の季節性インフルエンザ流行期に備え、地域の医療機関で1日平均20万件の検査能力を確保します。

重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患を有する方に徹底した検査を行うとともに、医療資源を重症者に限定いたします。ワクチンについては安全性、有効性の確認を最優先に、来年の前半までに全ての国民に提供できる数量を確保し、高齢者、基礎疾患のある方々、医療従事者を優先して無料で接種できるようにします。

アベノミクスを継承し、さらなる改革進める

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私たちが7年前の政権交代以来、一貫して取り組んできたのが経済の再生です。今後もアベノミクスを継承し、さらなる改革を進めてまいります。政権発足前は極端な円高株安に悩まされましたが、現在はこの新型コロナウイルスのなかにあってもマーケットは安定した動きを見せております。人口が減るなかで新たに働く人を400万人増やすことができました。下落し続けていた地方の公示地価は昨年、27年ぶりに上昇に転じました。

バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで、新型コロナウイルスが発生しました。依然厳しい経済状況のなかでまずは雇用を守り、事業を継続できるように最大で200万円の持続化給付金や、4000万円の無利子・無担保融資などの対策を続けてまいります。

さらにGo To キャンペーンにより旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援しています。これまでに2500万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十名です。事業者が感染対策をしっかり講じた上で、利用者の方々にはいわゆる「三密」などに注意していただき、適切に運用してまいります。

今後とも、新型コロナウイルスが経済に与える影響をはじめ、内外の経済状況を注視しながら躊躇なく必要な対策を講じていく考えであります。今回の感染症では行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ、サプライチェーンの偏りなど様々な課題が浮き彫りになりました。デジタル化をはじめ、大胆な規制改革を実現し、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会を作ります。

役所に行かずともあらゆる手続きができる、地方に暮らしていてもテレワークで都会と同じ仕事ができる、都会と同様の医療や教育が受けられるーー。こうした社会を実現します。そのため、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めます。今後5年で自治体のシステムの統一標準化を行い、どの自治体にお住まいでも行政サービスをいち早くお届けをいたします。

マイナンバーカードについては今後2年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化をはじめ、運転免許証のデジタル化も進めます。こうした改革を強力に実行していく司令塔となるデジタル庁を設立いたします。来年の仕事に向け、省益を廃し、民間の力を大いに取り入れながら早急に準備を進めます。

教育は国の礎です。全ての小中学生に対して1人1台のIT端末の導入を進め、あらゆる子どもたちにオンライン教育を拡大し、デジタル社会にふさわしい新しい学びを実現します。さらにテレワークやワーケーションなど新しい働き方も後押ししていきます。行政での申請などにおける押印はテレワークの妨げともなることから、原則全て廃止します。

マスクや防護ガウンの生産地の偏りなどサプライチェーンの脆弱性が指摘をされました。生産拠点の国内立地や国際的な多元化をはかるとともにデジタル化やロボット技術による自動化、無人化を進め国内に医療保健分野や先端産業の生産体制を整備してまいります。

菅政権では成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことをここに宣言いたします。

もはや温暖化への対応は成長戦略への制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要であります。鍵となるのは次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした革新的なイノベーションです。実用化を見据えた研究開発を加速度的に促進します。

規制改革などの政策を総動員し、グリーン投資のさらなる普及を進めるとともに脱炭素社会の実現に向けて国と地方で検討を行う新たな場を創設するなど総力を挙げて取り組みます。環境関連分野のデジタル化により、効率的、効果的にグリーン化を進めていきます。世界のグリーン産業を牽引し、経済と環境の好循環を作り出してまいります。

省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換していきます。

「ふるさと納税」今では年間5000億円規模

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私は雪深い秋田の農家に生まれ、地縁血縁のない横浜で、まさにゼロからのスタートで政治の世界に飛び込みました。そのなかで、活力ある地方を作るという一貫した思いで、総務大臣になって作った「ふるさと納税」は、今では年間約5000億円も利用されています。

いわゆる東京圏、一都三県の消費額は全国の3割に過ぎません。観光や農業改革などにより、地方への人の流れを作り、地方の所得を増やし、地方を活性化し、それによって日本経済を浮上させる。

インバウンドは政権交代時の約4倍の年間3200万人に、農産品の輸出額は政権交代時から倍増して年間9000億円となりました。日本の農産品はアジアをはじめ海外で根強い人気があり、輸出額はまだまだ伸ばすことができます。年初以来、新型コロナウイルスの影響が出るなかでも直近は前年から11%の増加となり、回復の動きが出ています。

4月に農林水産省に発足した技術本部の元で関係省庁が一体となって、相手国との交渉を行い、輸出用の加工施設の認定も急速に進みました。2025年に2兆円、2030年に5兆円の目標に向けて、当面の戦略を年末までに策定し、早急に実行に移してまいります。これまでの農林水産業改革についても確実に進め、地方の成長につなげてまいります。

新しい日常においても、旅は皆さんの日常の一部です。日本に眠る価値を再発見し、観光地における環境整備を一挙に進め、当面の観光需要を回復していくための政策プランを年内に作成してまいります。地方の所得を増やし、消費を活性化するため最低賃金の全国的な引き上げに取り組みます。

新型コロナウイルスとの戦いのなかで地方の良さが見直される一方で、産業や企業をめぐる環境は激変しております。こうした状況を踏まえ、都会から地方へ、また他の会社との間で、さらには中小企業やベンチャーへの新たな人の流れを作り、次なる成長の突破口を開きます。

大企業にも中小企業にも、それぞれの会社に素晴らしい人材がいます。大企業で経験を積んだ方々を政府のファンドを通じて、地域の中堅中小企業の経営人材として紹介する取り組みを、まずは銀行を対象に年内にスタートします。

我が国にとって、海外との人の交流を行い、海外の成長を取り込んでいく必要性はポストコロナにおいても変わりありません。今月からビジネス関係者や留学生について全世界からの入国を緩和しました。入国時の検査能力を来月中に1日2万人に引き上げ、防疫措置をしっかりと講じながらグローバルな経済活動を再開してまいります。

海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指します。そのための税制、行政サービスの英語対応、在留資格の緩和について早急に検討を進めます。コーポレートガバナンス改革は我が国企業の価値を高める鍵となるものです。さらなる成長のため、女性、外国人、中途採用者の登用を促進し、多様性のある職場、しがらみにとらわれない経営の実現に向けて改革を進めます。

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