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情報BOX:米大統領選の開票、赤と青の「蜃気楼」で混迷も


[22日 ロイター] - 米国の11月3日の夜を想像してみてほしい。大統領選激戦州のフロリダ州で投票所での投票が締め切られ、各郡選管は集計の経過速報を開始。その時点でバイデン前副大統領が大きくリード。1時間後に別の激戦州・ペンシルベニア州のある郡が集計を発表し始めると、トランプ大統領が圧勝する見通しにーー。

そんな発表を「うのみ」にしてはならないと専門家や学術経験者は警告する。今年の大統領選は郵便投票と不在者投票が大きく増加。その上、州によって投票処理の方法が異なるため、最も激戦になる州はとりわけ集計発表当初の結果が、実態を誤って見せる可能性がある。

郵便投票を選挙当日より前に集計し始める州では、バイデン氏が当初リードする可能性が大きい。世論調査や期日前投票のデータがそう示唆しているためだ。逆に投票日当日になるまで郵便投票を集計しない州では、立ち上がりではトランプ氏が優勢になる可能性も高い。

こうした集計の初期段階に一時的に出る情勢は、党の色をもじって共和党優勢なら「赤い蜃気楼」、民主党優勢なら「青い蜃気楼」と呼ばれる。いずれにしても集計が進むにつれて消え去るのだ。

しかし、専門家によると今年は、大量の郵便投票処理に数日か数週間かかるかもしれない。郵便投票はコロナ禍で有権者が投票所へ足を運ぶのを敬遠している結果、大きく増えている。

ノースカロライナ州ウェイク郡選管幹部のゲリー・コーエン氏は「辛抱しよう」と呼び掛ける。「集計は全ての票を数える必要があり、それにはある程度時間がかかる」と話した。

激戦州の一部で予想される展開は、以下の通り。

<フロリダとノースカロライナは青い蜃気楼か>

フロリダ州とノースカロライナ州は選管に、投票日の何週間も前から郵便投票の処理と集計を始めることを認めている。郵便投票の集計結果は11月3日の投票終了の直後に、いったん公表する予定。

この時点では当初、バイデン氏が先行する可能性が高い。最新のロイター/イプソス世論調査では、2州で既に投票を済ませた人でバイデン氏支持がトランプ氏支持を2対1以上で上回った。

しかし、両州とも「青い蜃気楼」は長く続かないと見込まれている。その同じ2州では、投票日に投票所に行くつもりの人の過半数がトランプ氏支持だ。

専門家は、この2州における郵便投票と通常投票の大半が、投票日の夜が空ける前に集計し終わると予想している。

<ラストベルトは赤い蜃気楼か>

製造業などの衰退で「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれるペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州では、郵便投票は投票日当日になるまで集計できない。

ミシガン州では最近、郵便投票の開封作業などを投票日前日に始めることを多くの市に認める法律が成立した。しかし、集計の事前開始は認められていない。

郵便投票の集計は通常、投票所での投票の集計よりも長い時間がかかる。このため、途中経過では共和党優勢と出やすい。その後に山積みされた郵便投票の集計が進むにつれて、民主党が巻き返す可能性を専門家は予想する。

ペンシルベニア州とウィスコンシン州の選管は、大量の郵便投票を処理した経験がない。このために集計に遅れが出る可能性もある。2018年の中間選挙では、両州の郵便投票は投票全体の5%程度(訂正)だったが、ミシガン州では4分の1、フロリダ州では3分の1がすでに郵便で投票していた。

ペンシルベニア州の選管では、集計に数日かかる可能性もある。同州の民主党は最近、連邦最高裁で郵便投票の封筒に11月3日までの消印がある限り、投票日の3日後まで受け付けることを認めさせた。

バージニア大学政治学センターの政治学者、カイル・コンディク氏は「ペンシルベニア州は投票日当夜の時点で、共和党が実際よりも多くを獲得したかのように見える状況になると想定している」と述べた。

郵便投票については、ウィスコンシン州とミシガン州は投票日当日までに到着していないと無効にされる。ただ、両州でも11月3日当日までの消印があれば、投票日後の到着を集計すべきかを巡って訴訟が起こされている。

<アリゾナ州の判明は数日後か>

アリゾナ州は18年中間選挙の当日夜、上院選に出た共和党のマーサ・マクサリー下院議員が1万4000票の差で当選確実に見えた。6日後、選管が郵便投票の数十万票を集計した段階で、マクサリー氏は民主党のカイルステン・シネマ下院議員への敗北を認めた。郵便投票には民主党の地盤である大都市圏フェニックスとツーソンの票が多数含まれていた。集計センターは、この分を投票日当日に受け取った。

アリゾナ州当局者は、今年はフェニックスを含むマリコパ郡が最新の集計機を導入し、郵便投票を事前処理するため1週間という期間も設定したため、集計は長引かないと期待している。ただ、接戦になればすべての集計を完全に終えることが必要になり、それには何日もかかる可能性がある。

アリゾナ州務長官の報道官、C・マーフィー・ヘバート氏は、そんな展開をまさに想定しているとし「処理手続きは込み入っている。皆さんには、我慢強くとお願いするのみだ」と語った。

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