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魅力度ランキングなんて気にするな 栃木出身者が思うこと

県知事も申し入れ 魅力度ランキングに異論

2020年の「都道府県魅力度ランキング」が発表された。(*1)

都道府県魅力度ランキングは民間調査会社が毎年発表しているもので、今年は7年連続最下位であった茨城県が42位と最下位脱出したことが話題となっている。

最下位を脱出した都道府県があるということは、新たに最下位になった都道府県がある。最下位になったのは、同じ北関東の栃木県であった。

この結果に対して栃木県の福田富一知事はランキングを発表した調査会社を訪れ、調査項目の変更などを申し入れたという。(*2)

40位であった群馬県の山本一太知事も「実際の魅力度を反映していない」「信頼性に欠ける」と魅力度ランキングに対して厳しい声を上げている。(*3)

また山本知事は栃木県の福田知事と連携して、魅力度ランキングの検証を進めていくと、自身のブログで発表している。(*4)

温泉が廃墟化? 栃木の苦難

さて、僕自身も栃木県出身と言うこともあり、今回の結果に関しては気になるところではある。

栃木には日光や鬼怒川温泉といった知られた観光地がある。しかし、ネットでは鬼怒川温泉は「廃墟」というイメージが強くなっている。

理由としては単純で、鬼怒川温泉はバブル景気に乗って会社の慰安旅行などの団体旅行を当て込み、巨大な温泉旅館が乱立した。

しかし、その後景気は低迷。栃木の地銀足利銀行の破綻などもあり、資金繰りは悪化。

また企業も慰安旅行などを行う余裕も無くなり、消費者の旅行需要は団体旅行から家族旅行や個人旅行に変化。同じ北関東である群馬県の草津温泉などは変化に対応できたが、鬼怒川温泉は対応が遅れた。

旅館が巨大化し観光客を囲い込んだために、温泉街は寂れ空き店舗が目立つように。また巨大な旅館は高いランニングコストに耐えられず、弱いところから徐々に力尽きていった。

悪いことに解体されずに放置されている旅館が多く、それがネットなどで目立ってしまい廃墟のイメージがつきまとうようになっているのである。(*5)

まぁ鬼怒川温泉の話はともかくとして、日光は今でも寂れていない観光地として当然日本中に知られている。

しかし頼みの綱の観光が今年は新型コロナで振るわなかった。これも栃木の順位を押し下げた原因にもなっているのだろう。

あとは那須塩原、宇都宮の餃子、佐野のラーメン、益子焼、大谷観音、足尾銅山。こんなもんか。ああ、最近ではあしかがフラワーパークがインスタ映えする観光地として成功しているかな。

そんな感じで、栃木の魅力と言われても、僕としては「ないんだな、それが」と答えるしかないのである。

それでも栃木の魅力を知りたい方は「とちぎの百様」(*6)というサイトにどうぞ。少しくらいは関心のあるものが見つかるかも。

順位を気にする必要ナシ!上位以外はどんぐりの背比べ

さて、それにしても思うのは福田知事も山本知事も、くだらないことをまともに受け取りすぎではないだろうか。

そもそもどこの誰が都道府県魅力度ランキングなどというものを真剣に見ているのだろうか。

そりゃ行政で観光客などを増やそうと頑張っている側からすれば、こうした結果を見せられるのは残念な気持ちになるのかも知れない。しかし、一般の人からすれば「ちょっとした話のネタ」でしかない。

だいたいこのランキングで魅力度が高いとされているところは、人口が集中している大都市と、北海道、京都府、沖縄県あたりの圧倒的に強いブランドがある都道府県である。

各都道府県が努力をしたところで、1年ごとに大きな変化をするような性質のものではない。

そしてなにより、下位になればなるほど点数差が小さすぎて、順位自体にあまり意味があるとは思えない。

上位では北海道が1位で60.8点。2位が京都府で49.9点。11点ほど離れている。

逆に最下位の栃木県が11.4点で、これに11点を足すと22.4点。つまり、21.9点で14位の静岡県と同点の青森県から、最下位の栃木県までが、1位と2位の差の間にすっぽりと収まってしまう程度の差しかないのである。ハッキリ言って上位数件以外の下位は、どんぐりの背比べでしかない。

ましてや、13.4点で40位の群馬県と、13.1点で42位の茨城県。そして11.4点で47位の栃木県の間に、有意な魅力の差などないと考えて良いのである。

いずれにしても関東では南関東の4都県の魅力が高く、北関東の3県の魅力は低い。それは努力したところでひっくり返しようのない事実である。

だが、その4都県から観光客が来たり、また人の多い4都県に生産物を出荷したりすることで北関東は収入を得ているのである。もちろん福島をはじめとした東北地方とのやりとりも忘れてはならない。

結局、近隣県は魅力度を争う敵では無く、やりとりを通して共に栄える共栄圏である。変に順位にこだわる必要などないはずだ。

都道府県魅力度ランキングというのは笑い飛ばす程度のものである。それはみんな分かっている。

それを勘違いして順位の上下に一喜一憂してみたり、ランキングを発表した会社に乗り込んだり、公正なランキングを求めるというのは、とても大人げなく、むしろ県の悪評を広める行為ではないだろうか。

*1:都道府県魅力度ランキング2020【47都道府県・完全版】(ダイヤモンド・オンライン)https://diamond.jp/articles/-/250981

*2:「倍返しだ」福田知事が直談判 栃木県魅力度最下位(下野新聞)https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/374993

*3:都道府県魅力度ランキング「信頼性に欠ける」 群馬知事、検証チーム発足(毎日新聞)https://mainichi.jp/articles/20201023/k00/00m/040/019000c

*4:都道府県魅力度ランキング検証チームが発足〜栃木県とも連携しつつ、徹底的な調査&分析を実施する。(山本一太オフィシャルブログ)https://ameblo.jp/ichita-y/entry-12633264250.html

*5:鬼怒川温泉の現状と課題(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/h16seika/06jyuurai/06_fuji_hon1.pdf

*6:とちぎの百様(栃木県総合政策部 地域振興課)http://www.100sama.tochigi.jp/100sama/type.php

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