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菅首相は被爆者に背を向けるな

被爆者の願いが実った核兵器禁止条約。被爆者の悲願を受け止めず、批准へ進む気が菅首相にないのなら、新しい政権に代えなければ。どれだけ多くの被爆者や国民が、この時を待っていたことか。

 ホンジュラスの批准で、来年1月22日に発効することが確定しました。国連のグテレス事務総長は「核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道的被害について、注意を喚起しようとする世界的な運動の集大成でもある」と評しました。日本の被爆者が先頭に立ち、世界で広がった世論が形として実った歴史的な1日になりました。



 私が核兵器のことに目を向けるようになったのは、1985年に少年ジャンプで連載されていた漫画「飛ぶ教室」を読んでのこと。校庭に設置されていた核シェルターのおかげで核戦争を生き延びた小学生たちが、知恵と団結で壊滅的な世界を生きようとする、まさに漫画らしい設定です。とはいえ核兵器そのものの破壊力などを詳しく解説していて、食い入るように読んだことを覚えています。

 大学生のときに原水爆禁止世界大会に参加し、初めて訪れた広島。被害の衝撃とともに、核兵器をなくそうという全国の高校生たちの運動に直面して、私も何かしなければと強い思いに駆られました。署名集めや街頭宣伝くらいしかしてこなかったものの、条約の発効を被爆者のみなさんと喜び合えるのは本当にうれしい。サーロー節子さんの「夢見た瞬間が訪れた。胸いっぱいで言葉にならない」との言葉に、私も胸いっぱいになりました。

 岸防衛相は「核保有国が乗れないような条約になっており、有効性に疑問」と述べたようです。これまで日本は、核保有国とそれ以外の国との「橋渡し」をするとしつつ、実際は核抑止力論を認める立場をとり続けてきました。しかし、「‥‥核抑止論は、あくまでも人々が共同で信じている『考え』であって、すなわち『虚構』に過ぎません」(原文ママ、湯崎英彦・広島県知事=今年の広島平和記念式典)。核兵器を撃ちあえば人類そのものが滅亡に向かうため、実際は抑止力として働かないのです。

 この条約を待ちわびて、実際に身を削りながらも声をあげ、亡くなられた被爆者が多くいます。ここまで来て、なお菅首相は背を向けるのか。さらに世論を広げていきたい。

 【今日の句】命かけ ひらいた扉 日本でも

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