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「特別定額給付金」の消費効果が限定的だった理由

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■「特別定額給付金」で貯金が増えた単純な理由

麻生副総理が自身の政治資金パーティーの講演で「10万円の特別定額給付金」について「その分だけ(国民の)貯金が増えた」と述べ、給付金による消費効果は限定的だったという考えを示した。

この「貯金が増えた」というのは、ある意味、当然の結果だと思う。なぜなら特別定額給付金は手渡しではなく銀行振込だったので、振込された全額を引き出さない限り、貯金は増えることになるから。

10万円支給されて10万円以上使う人が大多数でない限り、貯金は増えることになる。

特別定額給付金を支給して判明したことは、消費を喚起する効果が無かったことではなく、先行きに不安を抱えた人間は、お金を配ったとしても消費することよりも貯金することが優先されるということである。つまり、10万円程度では政府が恐れる2%以上のインフレには成りようが無いということを証明したということでもある。

■「特別定額給付金」の効果は有ったが見えなかっただけ

麻生氏が2009年度に実施した2万円の定額給付金も同様だったが、今回は、コロナ禍という未曾有の危機がバッググラウンドに横たわっているため、元々、失われた消費量が大き過ぎたので、その一部を補填する効果しか無かったということだろう。見えない消費効果は確かに有ったが、落ち込んだ消費量があまりにも大き過ぎたため、その効果が目に見える形で現れなかった(=落ち込んだ消費量を埋めることはできなかった)というだけのことでしかない。

この結果として得られるべき結論は、「特別定額給付金は効果が無かった」ということではなく、「10万円程度では足りなかった」ということである。

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