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NiziUミイヒ、TWICEジョンヨン…突然の休養 K-POPアイドルが体調を崩すのには理由がある《韓国現地記者レポート》 - 金 敬哲

 正式デビューを目前に控えた「NiziU」について、心配なニュースが入ってきた。10月23日、メンバーのミイヒが体調不良のため当面休養すると、発表されたのだ。

【画像】「NiziU」ミイヒの休養を写真付きで報じる韓国の現地メディア

 公式サイトによると、「最近の活動において体調不良が続いていましたため、医師と相談の結果、十分な休養が必要とのアドバイスを受け、本人の健康を第一に考え、当面治療と休養に専念する」という。日本のスポーツ新聞では、ファンから痩せすぎていることを心配する声が上がっていた、とも報じられている。


NiziUのミイヒ(NiziU公式サイトより)

 実はその6日前となる10月17日、韓国では、NiziUの“姉貴分”で同じJYPエンターテインメント所属の「TWICE」のメンバー・ジョンヨンが、活動を中断することが公表されていた。

「心理的に大きな緊張状態と不安」

 JYPはミイヒの時と同様に、「ジョンヨンが健康上の理由でしばらく活動を休むことになった」と公表。さらに、次のような休養に至った理由を明かした。

「現在、ジョンヨンはスケジュール進行に対して心理的に大きな緊張状態と不安を抱えている」

「アーティストの健康状態は何より大事で、これを最優先に考慮し、セカンドアルバムの活動を含めた、全ての日程に当分の間参加しないことになったことをお知らせする」

 ジョンヨンの健康状態については、今年6月にも問題になったことがあった。

 9枚目のミニアルバム「MORE&MORE」の活動を開始した直後、KBSテレビのリハーサルを終えたジョンヨンが、首にギプスをした状態で放送局から出てくる姿がカメラに捉えられたのだ。

 ジョンヨンは、「『MORE&MORE』のPVを撮影しながらも、耳までしびれるなど痛みを感じたので、頚椎椎間板ヘルニアの治療を受けた」と、自分の健康状態を打ち明けた。その一方で、「いまは大分良くなったので、あまり心配しなくても大丈夫」と語り、ファンを安心させた。

 しかし、その後もジョンヨンの体調はなかなか回復せず、ファンは心を痛めていた。

頚椎椎間板ヘルニアの治療を受けながらの活動

 8月9日に開かれたオンラインコンサート「Beyond LIVE TWICE : World in A Day」では、ジョンヨンはダンスができない様子で、椅子に座ったまま歌った。数日後の8月13日に開かれた「2020ソリバダ・ベストKミュージック・アワード」には出席さえしなかった。

 活動休止を発表した10月17日のNHK音楽番組「シブヤノオト Presents TWICE SPECIAL」にも出演できなかった。

 韓国の経済専門誌の芸能専門記者は、このような体調が心理的にジョンヨンを大きく圧迫したと推測する。

「ジョンヨンは頚椎椎間板ヘルニアの治療を受けながらもしばらくスケジュールを消化していた。しかし、完璧なコンディションでないだけに、自分の状態がメンバーの活動に影響を与えないかと心配しただろう。TWICEはメンバー愛がとても強いグループとして有名。その中でも、ジョンヨンはメンバーやファンをとても大事にすることで知られている」

ミナは複数の病院から「不安障害」と診断

 同じTWICEのメンバーのミナも昨年7月、体調不良を理由に8枚目のミニアルバムの活動を中断したことがある。当時もJYPは、「ミナが舞台に立つことについて極度の心理的緊張状態と不安を感じている」と明らかにし、活動中止を発表した。当時、ミナは複数の病院から「不安障害」と診断されたという。

 24時間、プライバシーを露出しなければならないK-POPのアイドルにとって、心理的な緊張状態や不安は、宿命のように付きまとう。

 K-POPアイドルは、人気を維持するためにTwitterやInstagramなどSNSを使って、絶えずファンとコミュニケーションを取ることを求められる。

控え室や宿舎生活も公開する「プライベート・コンテンツ」が……

 最近では、所属事務所が作ったYouTubeチャンネルなどの場で、舞台裏の控え室の様子や宿舎生活などプライベートな空間まで公開している。グループの活動があまりない時期にもファンを退屈させず、他のグループに目を向けさせないようにするためだ。

 ファンにとっては“お宝”となるプライベート・コンテンツを作って提供するという戦略が取られているのだ。

 ところが、この過程で、何気ない一言や表情がネット民にひっかかると、激しい非難を浴びたり、悪質な書き込みに悩まされたりする。そのたびに、アイドルは精神的に圧迫されざるを得ないのだ。

 故人となった「f(x)」元メンバーのソルリ、「KARA」元メンバーのク・ハラも、自分に向けられた名も知らない人々の悪意に満ちた非難に苦しんだと伝えられ、このような悪質なコメントが自殺の主な原因になったと分析する専門家も多い。

睡眠不足にダイエット、激しい振り付けで健康悪化

 さらに、アイドルは、「殺人的」とも呼ばれる過度なスケジュールによる睡眠不足、無理なダイエットや激しい振り付けによる健康悪化など、身体的な面でも大きく脅かされている。

「人気アイドルグループは、スケジュールを『秒単位』で区切るほど、殺人的な日程をこなしている。地方都市だけでなく、海外公演に行ってもトンボ返りが常識。人気が高まるほど活動時間が多くなるが、それでも時間を割いて、ダンスの練習もしなければならない。

 アイドルの睡眠時間は平均3~4時間しかない。まともに休めないことが、体だけでなく、メンタルにも影響を及ぼすのです」(前出・芸能専門記者)

 2017年、人気オーディション番組「プロデュース101」出身の男性歌手、カン・ダニエルの日常を紹介した番組があった。そこでカン・ダニエルは、明け方の4時に起床し、翌朝の2~3時までひたすら練習に励んでいた。

 練習が終わると宿舎に帰って、やっと1時間余り睡眠を取った。カン・ダニエルは、この日の放送で「1日だけでいいから休みたい」と言って、多くの視聴者を驚かせた。

BTSも「ベッドで寝た覚えはあまりない」

 同じ2017年、女性アイドルグループ「gugudan」のメンバー、セジョンとナヨンは、JTBCテレビの番組に出演し、「4日ぶりに1時間だけ寝られた、という時期もあった」と明かした。

 BTSも、忙しいスケジュールや睡眠不足を告白したことがある。

 2015年、KBSのラジオ放送に出演した当時、メンバーのシュガは「ファンに会うためにブラジルなど南米に行って、ファンに会ってすぐに戻ってきた」と、殺人的なスケジュールについて話しながら、「(忙しいスケジュールで)ベッドで寝た覚えはあまりない。毎日(スケジュール中にどこかで)背を丸めて寝ている」という事実を打ち明けた。

 BTSのこの辛い経験は、同年に発表したアルバム「花様年華2」に収録された「Whalien 52」という曲で、〈今は背を丸めて寝てても 夢はクジラみたいに やってくる大きな称賛が毎日僕を踊らせるんだ 自分らしく〉という歌詞に生かされた。

ダンスの練習で怪我は「職業病」

 一分の乱れもない群舞や華麗なダンスパフォーマンスはK-POPアイドルの欠かせない魅力だが、アイドルたちは激しい振り付けをこなすため、怪我をしやすい環境にある。

 また、10代の練習生時代から長い期間、激しいダンスパフォーマンスの練習を続けるアイドルたちにとって、些細な怪我は「職業病」だ。力強い見事なダンスを披露するグループほど、メンバーのほとんどが、習慣性脱臼や、膝、腰、足首などの慢性的な痛みを抱えている。

 たとえば、韓国と日本で人気の高い13人組の男性グループの「SEVENTEEN」は、活動を中断するメンバーが続出した。

 2016年にはウォヌが胃炎などの健康悪化で、2017年にはディエイトが腰のケガで、2019年にはエスクプスとジョンハンが健康悪化で、さらに今年7月にはスングァンが足首の負傷で活動を中断している。他にも、ホシには習慣性脱臼がある。

K-POPアイドルの健康は「すでに危険水準」

 2017年に、JTBCの人気料理番組に出演したBTSのJINは、華麗なダンスパフォーマンスを披露するK-POPアイドルの辛さを打ち明けたことがある。

「ダンスがとても大変なので(全身が)痛みます。雨が降ると、さらに痛む。ある時、いつもより腰が痛いと思って、ふと外を見たら、本当に雨が降ってました」

 冗談のようなJINの告白に、多くのファンが胸を痛めたのだ。

 他にも無理なダイエットや過度な競争によって、K-POPアイドルたちの健康はすでに危険水準に達している。世界の若者たちに夢や希望のメッセージを発信しているK-POPアイドルが、実は極限の労働環境に置かれていて、健康まで脅かされているという現実に対し、韓国でも心配の声が絶えない。

(金 敬哲/Webオリジナル(特集班))

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