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ツインデミック:コロナとインフルの同時流行

 寒くなってきた。10月24日の新型コロナウイルス感染者は、東京で203人、全国で725人となっている。終息の兆しが見えないのみならず、微増しつつあるようにも見える。

 ヨーロッパでは、感染が再拡大し、夜間外出禁止令などの厳しい措置をとらざるを得なくなっている。ヨーロッパの轍を踏まないようにせねばならない。

 ところで、インフルエンザの予防接種は、10月1日からは65歳以上の高齢者が優先的に、それ以外の人は、10月26日からの接種となっている。

 今年の冬に懸念されるのは、コロナとインフルが同時に流行すること(ツインデミック)である。そのために、とくに高齢者は早めのインフル予防接種が望ましい。

 厚労省は、都道府県、保健所設置市、特別区に対する9月4日付けの「事務連絡」、『次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について』という指示を出している。

 インフルとコロナの同時流行の場合、保健所のみでは対応できなくなることを想定して、10月から は、かかりつけ医が電話で相談することを基本とするようである。しかし、この体制変更が上手く機能するかどうかは問題である。

 コロナもインフルも発熱、咳などの症状は同じであり、医師にも見分けがつかない。そこで、相談されても、結局は保険者や大病院に回すことになってしまうのではあるまいか。電話をかけてきた患者に対応する時間がかかってしまい、他の患者の診察などの業務の時間が奪われてしまう。

 また、自分のクリニックからコロナ患者が出たとなると、風評被害も大きくなる。

 この「事務連絡」を読んでも、「地域において、かかりつけ医等の身近な多くの医療機関で発熱患者等の相談を受ける体制を整備すること」というような文章で指示してあり、各地域に丸投げである。この事務連絡を出す前に、厚労省がかかりつけ医の意見を聞いたとも思えない。おそらく、現場を混乱するであろう。

 こういう「事務連絡」や「通知」が国会のコントロールの効かない形で数多く発出され、それが現場に大きな混乱を招いている。

 マスコミが報道しないと、このような行政文書は一般の人の目にはふれない。コロナ第三波とインフルのダブルパンチに襲われると、日本社会がパニック状態に陥ることが予想されるが、PCR検査態勢の充実などの課題は放置されたままである。

 ソフトバンクが、2000円でPCR検査を行うと発表したが、これも政府の対応が遅いために、利益を度外視して民間が乗り出したものである。

 感染症対策の基本は、「検査と隔離」であり、マスク着用、人と人の間隔を開けるなどの基本的感染防止策が不可欠である。ヨーロッパ諸国で感染が再拡大しているのは、その基本を無視したからである。

 経済社会活動を再開するためにも、基本的な感染防止策を継続する必要がある。緊急事態宣言が出された春の頃を思い出す必要がある。

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