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野田佳彦首相と東京都の石原慎太郎知事が、共に権勢のたそがれを迎えている

◆芥川龍之介の作品「杜子春」をふと思い出しそうである。野田佳彦首相と東京都の石原慎太郎知事が、共に権勢のたそがれを迎えている。

野田佳彦首相は、最大の後ろ盾であった財務省から見放されて、いまや自滅寸前、石原慎太郎知事は、辞表を都議会議長に提出した途端に、丸で潮が引くかのように周りから人が去り始めている。「石原新党を結党する」と大見得を切ったものの、弟分の亀井静香元建設相(前国民新党代表)は、「トゥーレイト(もう遅すぎる)」と言って、一切取り合おうとしない。

◆野田佳彦首相は、マニフェストに違反して消費税増税法成立に政治生命を賭けて、「国民の信」を失い、「裏切り者」の烙印を押されている。野田佳彦首相を唆した財務省(勝栄二郎前財務事務次官)は、野田佳彦首相を「もはや用済み」として、いまや鼻もひっかけない。ボロ雑巾以下の扱いである。近頃の野田佳彦首相について、夕刊フジは10月31日付け紙面「5面」「スクープ最前線」でジャーナリスト・加賀孝英氏の「野田酒浸り」と題するレポートを掲載して、「まぶた腫れ、目も充血・・・財務省もあきれ果て」と無残な姿を報じている。

 週刊朝日は11月9日号で、「独占激白 4月の『無罪』判決以降、本誌初登場!小沢一郎『野田首相は辞職する』石原新党、解散・総選挙、『維新の会』、脱原発・・・あのことまで」と題して、最近の政治情勢について、小沢一郎代表の所見を聞いている。

 小沢一郎代表は、ドイツの原発政策の実施状況を視察に赴いた際、記者団との懇談のなかで、「野田首相が交代するかもしれない」と発言していた。これは、野田佳彦首相が衆院を解散・総選挙ができず、総辞職する可能性を示唆したものであった。

 忘れてはならない。小沢一郎代表は、財務省の勝栄二郎前事務次官はじめトップクラスに太いパイプを築いている。香川俊介官房長は、竹下登内閣の官房副長官だった小沢一郎代表の秘書官であった。その義父である日本郵政の斉藤次郎社長(元大蔵事務次官=細川護熙政権)は、小沢一郎代表の推挙で、いまの地位に就いた。

この人脈から、小沢一郎代表は、野田佳彦首相の公務から日常生活まですべてお見通しなのである。民主党内の様子については、輿石東幹事長とのホットラインで教えられているので、これもまた手に取るようにわかっているのだ。

 小渕恵三首相が突然死したケースでもわかるように、小沢一郎代表を敵に回した政敵は、文字通り「政治生命を賭ける」のみならず、「命懸け」で臨まなければならない。

◆石原慎太郎知事は、週刊朝日11月9日号で、ケチョンケチョンにやられている。「都知事辞職 石原慎太郎 ひとりぼっちの決断」「亀井静香は、『都知事辞職の日に会ったら、一緒にやろう、一緒にやろうって言うばかり、いまさらそんなこと言われても、ハイハイというわけにいかねえよ。だったらお前一人で死ね』と去った。平沼赳夫は『維新やみんなの党はダメだ』。石原は『だったら、俺ひとりでもやる』と吠えた」と生々しい見出しをつけている。

 それでも、「立ち上がれ日本」の平沼赳夫代表は、盟友であり応援団長でもある石原慎太郎知事を哀れに思ってか、石原新党づくりに参加することを決めた。朝日新聞デジタルは

10月30日午後7時6分、「たちあがれ日本、石原新党に合流 11月上旬に発足」という見出しをつけて、以下のように配信した。

 「たちあがれ日本(平沼赳夫代表)は30日夕、国会内で全国拡大支部長会議を開き、東京都の石原慎太郎知事が立ち上げる新党に所属国会議員5人全員が合流することを正式に決めた。たちあがれの名称を変更して11月上旬に新党を発足させる。代表には石原氏が就任する」

 実際に新党づくりと言っても、党名変更するだけであるから、難しいことではない。民主党離党組の小林興起衆院議員と中津川博郷衆院議員の2人も参加して、石原慎太郎知事の手足となって「汗をかく」と言っている。だが、「第3極の要」になれるかどうかは、いまだ未知数である。とくに、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」を排除していては、「第3極の要」にはなれない。

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