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村木厚子氏の講演「男女平等と共生社会」を聞く

今年の連合中央女性集会の二日目、27日に行われた厚生労働省の社会・援護局長、村木厚子氏の講演が良かったというので、取材の録画で見てみました。

 村木氏は「働く女性の希望の星」と言われるほどのキャリア官僚でありながら、2009年に「凛の会」という身体障害者団体を偽装した郵便料金の不正事件に関与したとして逮捕・起訴され、無罪判決を得て名誉と地位を回復したという波乱を経験しています。後に証拠を改ざんした検察官が逮捕されるという異例の展開もありました。

 講演の内容は、日本の未来にとって、女性の地位向上がいかに重要かということでした。人口の将来推計によると、2060年の日本の人口は8674万人、2110年には4286万人です。急激な衰退ですが、この数字は「これから生れる子供の数」によって変るのです。

 現代で女性の地位が高いとは、就労と出産・育児が両立するということです。働き続けるか子育てか、どちらかを選ばなければならない国は遅れているのです。日本はその尺度で下位に低迷しているのですが、その日本よりもさらに低位の主要国が3つありました。ギリシャとイタリアとスペインです。いずれもEU・ユーロ圏の中で落ちこぼれそうになっている国々であるのは記憶に新しいところです。

 活力ある社会とは、税金や保険料を納め、あるいは労力を提供できる「支える人」が多い社会です。今の日本で必要なのは、女性と高齢者と障害者が、もっと多く「支える人」として参加できるような仕組みを作って行くことだという結論でした。それにはニーズのあるところに先例を作る、その先例を参考にして運動を作る、そして制度が出来て行くものだ、ということでした。

 村木氏の講演は、自身で二人の娘を育てた経験も交え、ユーモアと笑いもちりばめながら、問題点はびしりと印象づける見事なものでした。自分が逮捕・拘置された経験さえも、危機管理の要領で乗り越えたということです。「痛くない正しい手錠のかけられ方」の実演までして見せたたくましさは、子育ての経験があったからこその自信に裏付けられているのでしょう。

 官僚のトップクラスとして活躍を期待される人ですが、近い日のいつか、政治家としての登場を期待したくなる人でした。

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