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「のどちんこ鍛えておかなきゃな」毒蝮三太夫、国民的作曲家の筒美京平さんを偲ぶ

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共同通信社

作曲家の筒美京平さん、あちこちで追悼の声が上がっている。「あの曲も筒美さんだったのか・・・」という思いが、いろんな世代から自然に出てる感じがいいよね。ご本人はほとんどメディアに出ない方だったから亡くなって初めて「ああ、こういう顔をしてたのか」って思った人も多かっただろうよ。だからかな、残した曲がまず思い浮かぶから、偲ぶ思いが内面から湧き出ちゃうんだろうね。

それに比べて、最近は中曽根元首相の件があったろ。内閣と自民党の合同葬(10/17)に合わせて、文科省が全国の国立大に「弔旗の掲揚」や「黙祷」をするようにって事前通知した件。両者には大きな違いがあるよな。追悼の思いが内側からなのか、外側からなのかというね。これについては別にまた話そうと思う。

「また逢う日まで」「木綿のハンカチーフ」身近にあった筒美さんの曲

筒美さんは80歳だった。俺は84歳。世間は80代に対して、みんな演歌しか聴かない演歌しか歌わない、そんなイメージがあるかもしれないけど、そんなことはないよ。昭和歌謡全盛の時代をずっと生きてきたからね。俺も筒美さんの曲が身近にあったよ。

なにしろ俺は50年以上TBSラジオで「ミュージックプレゼント」という番組を続けてる。この番組は俺が町の人々とただ喋ってるわけじゃなく、主旨は人から人へ音楽を贈るってことなんだ。だから「ミュージックプレゼント」なの。必ず音楽がかかるから、そこにはヒット曲もあるし、俺も耳に残れば口ずさんじゃう。

「また逢う日まで」「木綿のハンカチーフ」、そうそう「ギンギラギンにさりげなく」は番組でよく歌ったよ。「どうも、近藤真彦です」なんて言いながら。よくウケるんだ。最近は「木村拓哉です」って言うほうが多いけどね(笑)。

初めて1位を取った「ブルー・ライト・ヨコハマ」

実に多くのヒットを残した筒美さんだけど、俺がとくに思い出すのは、いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」。筒美さんにとってはこの曲が作曲家になって初めて1位を取った曲なんだってね。

この曲の発売当時(1968年)、いしだあゆみちゃんが歌うのをスタジオで聴いたよ。たしかTBSの歌番組に「ミニミニ・バンバン」ってのがあってね。日本コロムビアの一社提供でコロムビアの歌手を出演させてプッシュする歌番組だった。半年ぐらい続いたんだ。そこに俺もレギュラーで出てたの。

司会が大人気だったロイ・ジェームスさん。大阪から漫才のやすし・きよしさんもレギュラーだった。あとはコロムビアの歌手が並んで、いしだあゆみちゃん、ジュディ・オングちゃん、演歌で加賀城みゆきちゃんとかいたね。あともう一人いたよ。ちょっと編集部、調べられる? なになに、川奈ミキちゃん? ああ、そうそう、その4人だったな。

その「ミニミニ・バンバン」って番組で、あゆみちゃんが初めて「ブルー・ライト・ヨコハマ」を歌った時に司会のロイ・ジェームスさんが「おい、あゆみ、この歌はおもしろいな。ヒットするぞ」って言ったんだよ。俺はさ、「なんだか変な歌だなぁ、こんな平板な歌がヒットするわけないよ」って高をくくってた(苦笑)。ところがあれよという間に特大のヒットだもんな。

その後だな、いろんなタレントがのど自慢をする特番があってさ、福富太郎さんとか左卜全さんとか出てて、そこに俺も呼ばれたの。そこで歌うことになったのがヒット中だった「ブルー・ライト・ヨコハマ」。

BLOGOS編集部

ゲストでいしだあゆみちゃんも出てて、スタジオの裏であゆみちゃんに聞いたんだ、「これ、どう歌えばいいの?」って。そしたら彼女が「こぶしを回さず、のっぺらぼうに歌うんです」って。そのアドバイスを胸にいざ本番、楽団が生演奏して俺が歌うんだけど、どこから歌い出せばいいのかまったくワカラナイ。全然歌えねえの。笑ってごまかしたよ(笑)。

そりゃあ今となってはいつでも口ずさめる名曲だけどさ、当時の俺には耳になじまないムズカシイ曲だったんだ。思えばそれだけ筒美さんの作曲が斬新なメロディーだったってことだろうね。まあ、「ブルー・ライト・ヨコハマ」とはそんなご縁があったわけだ。

なんだ編集部、調べてみたらまだ縁がある? 「ブルー・ライト・ヨコハマ」の発売が1968年の12月で、俺が毒蝮三太夫を名乗るようになったのも1968年の12月で、同じタイミングだったと? アハハハハ、ってことは「ブルー・ライト・ヨコハマ」と毒蝮は正真正銘の同級生だな(笑)。

最も売れたのはジュディ・オング「魅せられて」

あと、筒美さんの曲で思い出すのが「魅せられて」。店名は出さないけど六本木に「F」っていうカラオケバーがあってさ、深夜4時までやってる店で俺も時々行ってたんだ。けっこう芸能関係の人が来る店なの。そこはね、いろんな衣装が置いてあってコスプレして歌えるんだよ。

俺は番組のスタッフなんかとよく一緒に行ったんだけど、アシスタントをしていた女の子の十八番が「魅せられて」だったの。そこでジュディ・オングちゃんみたいな衣装をコスプレで着てさ、歌うステージの後ろにカーテンがあるんだけど、そこに隠れてイントロに合わせてカーテンの脇から登場するんだ。これが盛り上がるんだよ。だから番組スタッフでその店に行くたびに俺はその娘に「魅せられて」をリクエストしたよ。

あるときジュディ・オングちゃんにも聞いたことあったな、「魅せられてっていうのはすごい歌だね」って。そしたら「私にとってはあの歌しかないわ」って。そりゃそうだろうな。レコード大賞とか総ナメだったもんな。それに、筒美さんの曲の中でいちばん売れたのが「魅せられて」なんだろ。123万枚? 見事なもんだよ。

今、NHKの朝ドラ「エール」は古関裕而さんの物語をやってるよね。古関さんも作曲家として偉大な方だよ。野球好きの俺に身近なところでは、ジャイアンツの「闘魂こめて」とか、タイガースの「六甲おろし」とか、高校野球の「栄冠は君に輝く」とかね。今も長く残る作品が多い。戦前から戦後にかけて、流行歌も軍歌もマーチもたくさん作ってきた。まさに国民的な作曲家だ。同時期であれば古賀メロディーの古賀政男さんもそう、国民的だ。

それから後の時代、戦後の経済成長で日本が元気になっていく昭和後期の時代に国民的作曲家と言えるのが筒美さんなんだろうね。歌謡曲、アイドルソング、ポップス、生み出したヒット曲の数と幅広さ、それに通算の売上も歴代1位だっていうんだから文句ないよな。

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