記事

臨時国会始まる

10月29日から臨時国会が始まった。しかし冒頭から波乱状態だ。初日には野田首相の所信表明演説が行われ、その後各党からの代表質問が行われるのが通例だが、野党は何と参議院では総理の所信表明演説をやらせないという。
前代未聞であり、憲政史上初めてのことではないか。まさに異例としか言いようがない。

安倍自民党総裁は審議拒否はしないと表明しているが、それはあくまで衆議院でのこと。さすがの安倍総裁も参議院にまではコントロールできないようだ。
参議院では自民党の国対委員長がとにかく強硬路線であって、前国会で野田首相に対する問責決議がある以上、野田首相を相手にせずということのようだ。したがって、衆議院では首相の所信表明演説を聴くが、参議院では聴けないことになってしまった。

その結果、参議院では議席の指定と常任委員長や特別委員会の設置にとどめる僅か5分程度の本会議で終わってしまった。本会議の持ち方を決める議院運営委員会の委員長は自民党に取られているし、野党が多数を占める議院運営委員会で首相の所信表明演説はさせないという結論にされてしまえば、どうしようもない。ごまめの歯ぎしりをするばかりだ。

こうした自民党の対応は全く理解できないし、問責決議とは一体何か、という問題を改めて提起することになった。
かっては民主党も、参議院で与野党逆転になってからは何かにつけて問責決議を求めたし、実際上、その決議が通ってきた。しかし2008年6月の通常国会終盤当時の福田康夫首相に対する問責決議に対して、当時の谷垣自民党政調会長は、問責決議が憲法上の根拠がないことや問責決議でもって内閣の総辞職や解散を求めるのは憲法の精神をねじ曲げることになると強く民主党を批判した。なるほど、これはこれで正しいと思う。

しかし自民党は、与党時代と野党になってからは立ち位置が異なるようで、とりわけ自民党参議院は、かっての主張などはどこ吹く風という有様だ。
民主党政権にも反省するところが多いが、お互いに与党時代に言っていたことと野党になってから主張することとが大きく違っているようだと、国民からますますウンザリされ政治不信にもつながることになる。

問責決議は強すぎる参議院の一つの象徴でもあり、あまりにも乱発するとかえって参議院の権威をおとしめることにもなるのではないかと思う。乱発すればするほど、結局は時の内閣には無視されることを招き、それこそ伝家の宝刀が模造刀になってしまう。参議院が自分の首を絞めることになるわけで、問責決議が無視されるだけではなく、強すぎる参議院を弱めようという動きにもつながる。
問責決議を挙げる方にも冷静さが大事だし、受け止める側にも礼節さが必要だと痛感する。

あわせて読みたい

「野田内閣」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    GACKT お金と違い時間は戻らない

    かさこ

  2. 2

    学術会議の任命拒否 説明は困難

    非国民通信

  3. 3

    感染ゼロを求めない日本は理想的

    中村ゆきつぐ

  4. 4

    ベガルタ選手 交際相手DVで逮捕

    SmartFLASH

  5. 5

    瀬戸大也イバラの道 海外で驚き

    WEDGE Infinity

  6. 6

    支持率-12ポイント 菅政権の過ち

    舛添要一

  7. 7

    公明・山口氏の的確な都構想演説

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  8. 8

    「特攻」冬の発熱対応に医師嘆き

    中村ゆきつぐ

  9. 9

    就職に不利 日本で進む博士離れ

    川北英隆

  10. 10

    高齢者は貯蓄 現金給付改善せよ

    永江一石

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。