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基準値千倍のベンゼンなど検出――難透水層抜けた汚染

 東京都は築地市場が移転する豊洲地区で、「地下数メートルにあり、汚染の地下深くへの浸透を防いでいる」と説明してきた粘性土層の難透水層から、環境基準の最高一〇〇〇倍のベンゼンなどが検出されたと九月一三日に発表した。本誌は、七月一三日号で一級建築士の水谷和子さんによる都のそれまでの調査結果の検証をもとに、「難透水層に『ザル』同然の疑いがある」と報じたが、それが裏付けられたことになる。

 都の発表によれば、難透水層付近以深で環境基準を超えたのは、ベンゼンで調査した一一三地点中六八地点(六〇%)、シアンは同三七地点中一六地点(四三%)、ヒ素にいたっては、同一四一地点中一三九地点(九八%)にのぼった。「不透(難透)水層内には汚染が広がっている可能性は低いので調査も対策もしない」という汚染対策の大前提が覆ったことになる。

 この点について、都の新市場整備部・古澤正彦基盤整備担当課長は「なぜ不透水層内に汚染が広がったのかの原因は調査中です。しかし、汚染の位置は確定しており、確実に掘削除去します」と述べた。

 だが、都が発表した地質断面図によれば、たとえば青果市場が移転する五街区と呼ばれる地域の難透水層は旧地盤面から約九メートまでだが、今回の発表ではその下からも多数の汚染が見つかっている。汚染は難透水層を突き抜けている可能性があるのだ。この点について古澤課長は、「請負業者の技術者がボーリングで上がってくる土質形状を、目視で不透水層内と確認したと聞いている」と答えた。

 これに対して水谷さんは「都は、連続した粘性土層を確認すべしという環境省の指針を守っていないので汚染を見逃すことになるのです。汚染の受け皿はないも同然の結果なので次の粘性土層まで調査すべきです。目視だけで突き抜けていない証拠もなく、汚染の位置は確定していません」と話した。

 これまでの大前提が崩れた以上、都は少なくとも市場関係者や消費者に対する説明会を開くべきだ。

(永尾俊彦・ルポライター、10月12日号)

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