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石原氏の決断

 10月25日、元秘書の中屋文孝都議から、「石原知事が随分手広く声を掛けて記者会見を開くようです。どうも知事を辞め新党をつくるのではないでしょうか」と連絡が入った。

  記者会見では1時間近く悲壮感をにじませて国政復帰を語った。

 マスコミは号外まで出しての大騒ぎ、私の処にも何人かの記者からインタヴューがあった。

  さて何と答えていいのか、長年の友人だけに、コメントは慎重なものになり、私にしては歯切れの悪いものとなってしまった。


  彼との最初の関わりは1968年(昭和48年)の参議院全国区選挙の時からで、その時私は遊説担当で協力した。実に44年前のことである。

  彼は後に衆議院に転じ8期を数えるが、途中、1975年(昭和50年)、美濃部都知事に挑戦して知事選挙に出馬する。私はすでに国会議員で、中曽根康弘氏、浅利慶太氏(劇団四季創設者)、飯島清氏(政治評論家)らと共に中心的な立場で選挙戦を進めた。大変な人気だったが残念ながらその時は落選した。 

 余談になるが、選挙を通じて、私は慎太郎氏よりも裕次郎氏と気が合って、彼が亡くなるまで親友付き合いが続いた。

  慎太郎氏は1995年(平成7年)、在職25年表彰を受けたが、その演説中、突然議員辞職を発表し皆を驚かせた。いつも周囲を驚かせる癖があるようだ。


  彼が今の政治の情勢を見て、大きな憤りを感じる気持ちはよく判る。特に民主党のあまりにも国民不在、判断力も決断力もない無様な姿には私も怒りを禁じ得ない。

  彼が記者会見で思わず「若い奴らしっかりしろよ!」と言った気持ちも同感だ。

 しかし、80歳という年齢は、「老いてますます盛ん」と手放しで賞賛することは出来ない思いが残るのである。

 「功遂げて、自ら退くは天の道なり」と、今春77歳で引退表明した私から見れば、ここは次の世代を育てることを悲願に,身を処することが大事と思わずにはいられないのである。


  彼は第3極勢力の結集を目指しているようだ。第一は橋下維新との関係だが、一時期、憲法破棄論を巡って決裂寸前であった。石原氏は一貫して「占領軍に押しつけられた憲法は改正でなく破棄すべきだ」が持論であったが(私も同意見)、橋下氏は絶対ダメと言っていた。憲法問題では水と油で、石原氏は10月12日の定例記者会見で、「橋下氏は間違っている」と言い切った。

  みんなの党の渡辺喜美代表とも会いたいとラブコールを送っているが、増税、原発等々、政策の多くが異なっている。

  何よりも、こうした連携話に石原新党結成の母体となるの「立ち上がれ日本」の幹部園田博之氏等からも異論が出ている。

  こうした声に石原氏は、「永田町の人間の視野が狭い。憲法論や消費税、原発政策に違いがあるが、大事な問題かもしれないが、日本の支配を壊すという大眼目から見れば些細な問題だ」と言ってのけた。

  些細な問題とは随分乱暴な話で、これでは三極協力は政策ではなくて、選挙協力優先かということになるではないか。

 もっとも、維新の会やみんなの党の関係を見ると、最近までついたり離れたり、何を考えているのか分からない、まったく忙しいことだと呆れている。

 他のグループも似たようなもので、こうしてみると三極連合で日本の政治が良くなるとなど夢のまた夢だ。 

 単なる数合わせ、烏合の衆となって政治の混乱を招くだけと思えてならないのである。


 政治への国民の不満は沸騰点に達しようとしている。だから当面、石原氏の決意は歓迎されるかもしれない。しかし、日をおくに従って80歳の決断は空しいものとなっていくのではないか。

 長い友人としてコメントしにくい、歯切れが悪い所以である。

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