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「他の乗客に影響、大変申し訳なく思っている」…全体の利益と個人の権利についてマスク着用拒否で降機させられたマスパセさんと考える

マスクを着用していないことによる公共交通機関の利用拒否をどう考えるのか。19日のABEMA『ABEMA Prime』では、マスクの着用を拒否して飛行機を降ろされた男性と考えた。

■緊急着陸、遅延…「多くの乗客に影響が出てしまったことは大変申し訳なく思っている」

 マスパセ(マスクパッセンジャー)さんは先月7日、釧路空港から関西空港行のピーチ・アビエーション便に搭乗、客室乗務員からマスク着用をお願いされるも拒否。「大声をあげるなど、安全阻害行為があった」として機長の判断により途中の新潟空港で降ろされた。

 「私の場合、健康上の理由で長時間の着用が難しいという事情があったが、“お願い”なのか“義務”なのか、客室乗務員や周りの乗客とのコミュニケーションがうまくいかず、トラブルになってしまった。私が座席を移動するという提案もあったが、通路側に座っていた私と窓側に座っていた方との間の席は空いていた。すでに十分な距離があったわけなので、もし気になるということであれば、その人が動けばいいと思った」と説明するマスパセさん。

 その上で、「確かに色々とやりすぎたので、反省すべき点は多々あると思う。私の声が大きくなってしまい、他の乗客に不快感を与えてしまったことは申し訳なく思っている。最終的に緊急着陸、乗客退去という形になったのは大変残念だったし、それにより遅延が生じ、多くの乗客に影響が出てしまったことも大変申し訳なく思っている」と謝罪した。

 一方、「例えば鉄道などにおいては咳エチケットなどでの協力を求めているし、航空会社の中にもフェイスガードや座席を離すことにより調整する代替案を認めているところもある。義務であるというのなら、協力できない人についての例外規定をしっかり設けた上で公共交通として開いていくべきだと思っている。私に対しても、着用しない人はプライベートジェットや自家用車で移動すればよいではないか、という考え方もあるかもしれない。しかし、皆が使う大切な交通手段であるからこそ、着用に協力できる人もできない人も使いやすいシステムを作ることを社会が考えていかなければいけない。そのための材料として、私の事案が役に立てば」と話した。

■タクシー業界が約款変更を申請「曖昧なまま現場任せにしてしまえば、私の事案と同じような問題が起きる」

 そんな中、東京都内の10のタクシー事業者が、国土交通省に約款の変更を申請した。

 現行の道路運送法には、「法令の規定又は公の秩序若しくは善良の風俗に反する」「天災その他やむを得ない事由による運送上の支障がある」といった規定があり、泥酔者や不潔な服装の人などについて運転手の判断で乗車の拒否ができるが、マスク着用に応じない客については基準が曖昧なままだ。

 日の丸交通の調べによれば、9月上旬の3日間に乗車した2843人のうち、19%にあたる538人が未着用だったという。こうしたことから、後に乗車した客の感染リスクを懸念する声や、特に中高年の運転手たちからは「98歳の母と同居しており感染が怖い」「感染したら引退するしかない。マスクなしのお客さんは乗せたくない」と、自身への感染リスクを不安視する声も上がっている。

 荏原交通・磯珠代社長は「公共交通機関はコロナ禍でも休業要請の対象にならないし、常に働く事を求められる業界。消毒や換気も行っているが不安がある中で乗務員は働いているが、ルールがないのでマスク未着用の人へのお願いがしづらい状況」と話し、約款の変更により、「世の中に“乗車時はマスクをつける”意識を広めたい」としている。

 マスパセさんは「仮に乗車時に理由の提示が必要になった場合、どのような方法でそれを行うのか。口頭ではなかなか伝えにくいこともあるし、開示したくないような事情もある。そういう中で運転手さんが“正当な理由”をどう判断するのか。それを曖昧なまま現場任せにしてしまえば、私の事案と同じような問題が起きると思う。制度の運用については、事業者の側がしっかり考えていかないといけない」とコメントした。

■「全体の利益と個人の自由や権利との折り合いをいかにつけるのか」

 改めて自身が広げた波紋について「突如起こってしまったことだったので、私自身もどうしてよいのかわからなかった。やはりコロナが流行してから、大多数の人の快適や不安解消のためなら個人の自由や権利を制限してもよいという風潮が出てきているし、それは残念なことだと思う。全体の利益と個人の自由や権利との折り合いをいかにつけるのか、社会として、そこは慎重に考えなくてはならない」と話すマスパセさん。

 ジャーナリストの堀潤氏は「僕はどちらかと言えば“リベラル陣営”の人間だと思っているし、全体主義的な空気に抗うことは大事だと思っている。しかし、普段から自由とか個人の尊厳を主張している割には、コロナについては“国はもっと強権を発動すべきだ”と言う人たちもいる。そういう中で、本当にサポートが必要な人が排除されることがあってはならないと思う。だからマスパセさんの事案は、やはり起こるべくして起きたことだったと思う。権利や義務の問題とは別に、病気などでマスクが着けられない方がいるという問題は福祉の観点からのインフラ整備の話だ。事業者には、そこまできちんと考えてルールを整備し、対応して欲しい」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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