記事

迷惑YouTuber問題 臨床心理士が提案する「公式YouTubeポリス」設立 職業化で希望者に期待

 衣料品店で買ったTシャツが偽物だと返品を迫り、動画を撮影したとして、威力業務妨害・信用毀損の疑いで、YouTuber2人が逮捕された。1人は迷惑YouTuber「へずまりゅう」こと原田将大容疑者。もう1人が原田容疑者の逮捕後に出頭した自称YouTuber「わたきん」こと吉本航容疑者だ。2人とも容疑は認めている。

【動画】迷惑YouTuberを取り締まりには「公式YouTubeポリス」必要か

 原田容疑者は5月、大阪心斎橋の衣料品店で動画を撮影しながら「偽物だ」と難癖をつけて返品を申し出た。これまで各地で問題行動を起こしており、7月には愛知県内のスーパーで支払い前の魚の切り身を食べる様子を動画で配信、愛知県警に窃盗の容疑で逮捕された。しかもこの際、新型コロナウイルスの感染も確認され、関わった警察官などにも感染が広がった。

 今回の大阪の件で、2人に偽物扱いされたTシャツは本物だったが、動画が公開された後、店の売り上げは半分以下に落ち込んだ。また原田容疑者はTシャツへのいちゃもんをつけた後、警察官にターゲットを変更。話を持ちかけところ、警察から金銭問題などの民事には不介入である原則とともに撮影を止めるように伝えられても、その後2分間にわたってやりとりが続き、撮影を止めなかった。

 迷惑YouTuberが、繰り返し迷惑動画の撮影・投稿を繰り返すことについて、明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「自己破壊願望というか、自分に被害が及んだとしてもやりたいことをやってやろうという、自己発揮の唯一の方法になっている。これ以外に自分を表現する方法がない。いくら批判されたり罰を受けても、目立ってやろう、自分が前に出てやろうという、そういう感情はなくならない」と解説した。

 また、迷惑動画に視聴者がついていることについても「不快感を覚える人も多いので見ている人数は多くはないが、見なければいいというのもなかなか難しい。テレビで警察密着ものの番組がしばしば放送されるが、非日常のバイオレンス性やスリルを動画に求める一定のニーズはある」と、動画がある限り全く見られない状況を作ることも難しいと説いた。

 迷惑動画が減らない背景としては「今やYouTubeは相当に多くの人が参戦していて、レッドオーシャンになっている」ことを理由にあげ、「新しいことをやって人目を引こうとすると、ルール外で人がやっていないような違法なこと、アウトローなことが短絡的に思い浮かびやすいのでは」と言及。YouTubeをはじめ、プラットフォーマーの責任をもっと追求すべきという意見もある中「YouTubeもアカウント停止という対策はしている。プラットフォーマーには限界もある」と述べた。

 その上で藤井氏が提案したのが「公式YouTubeポリス」だ。「自粛警察や不謹慎狩りといったものは、どちらかというとネットの負の側面として認識されることが多かった。だが、それらのモチベーションを、迷惑動画を公開する人を取り締まったり、人海戦術でアカウントを即座に停止するエネルギーに転化できるのでは。違法か適法かという軸の取り締まりだけではなく、社会正義やネットの良識を浸透させていく公式の団体があってもいいと思う。

これは必ずしも法律に基づかないという意味で警察では難しいので、一定の裁量を持った専用の第三者的組織が必要。お金が伴う仕事としてのもので、テレワークも可能となれば、一定数手をあげる人もいるのでは。もちろん『表現の自由』を盾に抵抗する勢力はありうる。しかし迷惑系Youtuberにはそこまでのイデオロギーはないのでは」と、職業として迷惑動画を減らす組織の誕生を望んでいた。

 こうした迷惑動画による事件をメディアで報じることについても、疑問の声があがることは少なくない。数多くあるメディアが起きた事象について我先にと報じようとする本能もあるため、藤井氏も「一斉に規制することはできない。抑止したとしても、どこからかは必ず漏れるし、人の知りたいという欲求はなくならない」とした。報じる上でのポイントとして、「悪影響として言えるのは子どもへの影響。善悪の判断がつきにくい低年齢の子どもが見た時に、これをおもしろいと思うこともあるし、憧れの対象になる場合もある。報道する時には『カッコ悪い行為』としての本質をしっかり報じるべき」としていた。
(ABEMA/「ABEMAヒルズ」より)

【動画】迷惑YouTuberを取り締まりには「公式YouTubeポリス」必要か

あわせて読みたい

「YouTuber」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    医師が語る現状「医療崩壊ない」

    名月論

  2. 2

    秋篠宮夫妻 公用車傷だらけの訳

    NEWSポストセブン

  3. 3

    昭和の悪習 忘年会が絶滅する日

    かさこ

  4. 4

    貯金がない…京都市を襲った悲劇

    PRESIDENT Online

  5. 5

    宗男氏 桜疑惑めぐる報道に苦言

    鈴木宗男

  6. 6

    医師 GoTo自粛要請は過剰な対応

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    感染増の原因はGoToだけではない

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  8. 8

    早慶はいずれ「慶應一人勝ち」に

    内藤忍

  9. 9

    在宅勤務でも都心に住むべき理由

    PRESIDENT Online

  10. 10

    脆弱な医療体制に危機感ない政府

    青山まさゆき

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。