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パンデミック後の世界の行方は中国に握られるのか - 岡崎研究所

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10月6日付Project Syndicateに、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が、「ポスト・パンデミックの地政学」と題する論説を寄せ、2030年の世界予測について5つのシナリオを提示した。それらは、①リベラル秩序の終焉、②権威主義の台頭、③中国支配の秩序、④グリーン国際協力、⑤基本的には現状継続という5つである。ナイ教授は、5つ目の基本的には現状の継続シナリオの可能性が高い旨述べている。


littlestocker / iStock / Getty Images Plus

1つ目のシナリオはグローバルでリベラルな秩序の終焉だ。第二次世界大戦後に米国が構築した世界秩序は、国際貿易・金融の自由化をもたらした。中国はこの秩序から大きな利益を得、国力の増大に伴い自らの主張を強めた。米国は抵抗し、国際機関は委縮し、主権の主張は増大した。米国は WHO、気候変動パリ協定から脱退した。新型コロナウイルスは、このシステムのマネージャーとしての米国を弱体化した。

2つ目は権威主義の台頭シナリオである。大量失業、不平等の拡大とパンデミックの経済打撃による社会の混乱は権威主義的政治の出現を容易にする。政治家は権力掌握のためにナショナリズムを利用する。保護主義が増大し、入国規制が強化される。権威主義国は自国の権益圏を固め、暴力や紛争のリスクを高める。

3番目は中国支配の世界秩序シナリオである。中国はパンデミックを克服し、インドやブラジル等他の新興国との差は拡大する。中国は尊敬と従属を要求する。「一帯一路」政策は欧州や南米等遠隔地域にも適用される。パンデミックは中国の相対的力を高め、中国政府と企業は意のままに国際機関を変え、国際標準を決めようとする。

4つ目は環境課題シナリオである。多くの国での世論調査で環境問題に一層大きな優先順位が付されている。パンデミックにより人間の健康と地球の健康のリンクが強調され、環境の国際課題化は加速する。米国の国内政治が変われば、大統領はコロナウイルス・マーシャル・プランを打ち出し、途上国の人々へのワクチン投与を支援することができる。

5つ目は現状継続シナリオ。今回のパンデミックは2030年には、1918~20年のスペイン風邪と同じように、過去に起きた単なる不快な問題と見なされるだろう。何れの国もパンデミックや環境問題を一国では解決できない。米中は東シナ海や南シナ海での海洋自由などを巡って競争しても、パンデミックや環境では協力する。米国は、過去のような影響力はないが、引き続き世界最大の国家であり続ける。

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