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人事ならそんなものかのかも知れない

 さて日本学術会議の任命を巡る問題は引き続き争点化していますが、週明けには新たな動きがあるでしょうか。野党側は説明を求めるも、与党側は「総合的・俯瞰的観点」と称して要求を退ける模様です。

 今まで通りの運用でなければならない、あるいは過去の政府説明をそのまま引き継がなければならないものではありませんが、何かを変更する上で説明は求められるのかも知れません。

 「人事にかかるプロセスであるからコメントは控えさせて頂きたい」と、加藤官房長官は今月6日の記者会見で述べたそうです。この辺はどうでしょう、ヨソの国はどうか知りませんが確かに我が国において「人事」とは説明の必要がない存在であると言えます。

 人事とはブラックボックスであるのが当たり前、不採用の理由も異動の理由も転勤の理由も、説明など行われないのが我々の社会の常識です。

 人事に説明はいらない――それが良いことはどうかは全くの別問題ですが、長年に渡って受け入れられてきたことでもあります。不採用の理由を知りたいという希望が求職者側にどれだけ多くても、人事は会社側の専権事項であり秘儀が明かされることはありません。

 そして採用後は誰しも、首をかしげながら人事の決定に沿って各ポジションを転々とするわけです。

 異動の理由を問うたことがある人は、多少なりともいるかも知れません。私も、実際に尋ねてみたことはあります。しかし異動の理由をしかるべく説明されたことのある人となると、劇的に少なくなるのではないでしょうか。

 私もまた異動の理由を教えてもらうことは出来ませんでした。たぶん「総合的・俯瞰的観点」で決められたことだったのでしょう。

 実際のところ、説明を求められても「できない」ことも多いのが現実ではという気もします。その人の「成長のために」と称して可能な限り不得意な仕事を厳選した「意図のある」人事異動もあれば、単なるパズルのピースを探していただけで無作為に人を当てはめただけの人事異動もあるわけです。

 そうなると説明を求められても回答は不可能ですよね。

 ただ結局、人事異動に説明を求めた事なんてない人の方が多数派だとも思います。人事とは天災のようなもの、それに理由を問うなんて考えたこともない人が多いのではないでしょうか。答えなんて返ってくるはずがない、分かりきったことです。

 人事もそれを心得て採用や配属を決めるもの、民間企業の感覚からすれば「人事にかかるプロセス」に説明などあるはずがないのです。

 野党や野党支持層からすれば、今回の任命拒否を「不都合な人間を排除した」みたいに印象づけたいところでしょうか。説明もないのですから、普通の会社の人事異動と同様に納得がいかないのは致し方ないところです。

 ただ会社の人事と似たようなものと考えるならば、任命拒否には実のところ深い意味はないのかも知れません。単に新総裁が自分の色を出してみたかった、何か「変化」をアピールしてみたかったぐらいで、説明できるような理由は本当に存在していない可能性があります。

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