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日本で女性の政治家が少ないのは、なぜだろう

数日前の記事だが、スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムの2012年版「男女格差報告」によると、日本は調査対象となった135カ国中101位となり、前年より順位を三つ下げた。順位低下は2年連続している。女性議員が少なく、企業幹部も男性に占められていると指摘。先進国や主要国の中で最低水準の評価が続いているということだ。

 首位はアイスランドで、評価の上位は例年通り北欧諸国となっている。米国は22位で前年より五つ下がり、中国は69位で八つ順位を下げた。アジア太平洋地域ではニュージーランドの6位が最高で、フィリピンが8位となっている。 

 日本でもこれは政治課題とされて、1999年には「男女共同参画社会基本法」が施行された。これによって内閣府には男女共同参画を担当する特命大臣が置かれている。現職は中塚一宏という人だそうだが、私も全然知らなかったし、一般的にも知られている様子はない。民主党政権になって、とくに女性の閣僚が増えるということもなかった。

 日本の社会が男性本位に出来上がっていることは、正社員の比率を見てもわかる。女性の雇用形態では、派遣・パートなどの非正規雇用がずっと多数を占めている。男の正社員が世帯主で、妻が補助的に働くという形が、社会常識的に根強く残っているのだ。これが、公務員でも経営者でも政治家でも、すべてにわたって共通の原因になっているような気がする。

 それでいて日本は男女格差のひどい国だという認識は、女性の間でも、あまり強くないのではなかろうか。それは日常の生活上は差別されず、経済・政治などにからむ問題で、初めて性差別の壁に突き当る構造になっているからだと思う。夫の失業や災害に出会うと、問題は噴出する。

 男も女も、個の人として尊重されるのが幸福の条件だと思えば、男女共同参画の理念は正しい。とくに立法府の議員数がアンバランスなのは障害になる。「みどりの党」は、選挙の候補者は必ず女性が半数以上でなければならないと定めているが、日本のように男女共同意識の遅れている国では、議員の定数に女性の優先枠を設けるのが有効かもしれない。

 女性の参画が進んだ国は、総じて平和な福祉国家に近づいて行く。世界はその方向へ行かなければ永続はできない。その意味では、日本も中国もアメリカも、まだまだの後進国ということになる。

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