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日銀10兆円追加緩和とドル円動向の相関

みなさん、こんばんは!

為替千里眼、やはり週末は大幅な解消動意に見舞われ、株式市場こそプラス引けとなり、リスクセンチメントは然程損なわれなかったものの、ドル円は大幅な鈍化となり、対円通貨は総じて大幅に下落して今週の取引を終えております。結局終わってみればドル円は79円Midと新たなレンジへの滞空時間は僅か数日に留まってしまいましたが、注目のGDP3Qは市場予想を上回る結果だったにもかかわらず大幅な下落に見舞われたのは、日銀による10兆円規模の追加緩和期待が先走り過ぎていたとの指摘もあり、今週は一方的に上げすぎていたことを踏まえると今回の下落は想定の範疇、米利回りそのものも先日の高水準1.83%から再び低下傾向にありますので、一時的な下げというよりかは、もう一押しありそうな雰囲気かとは思います。来週は、言うまでもなく米雇用統計や、この期待値が先行してしまっている日銀会合などが予定されておりますので、嫌でも積極動意に見舞われるかと思われますが、相変わらずリスク要因が多いだけにドル円が上昇基調を維持できるかが最大の焦点となりそうです。

さて、今週は比較的材料性に富んだ1週間ではありましたが、振り返れば思っていたよりかは各国マクロは底堅く、豪追加緩和の後退や米英GDPの上振れなど、ユーロ圏を除いては全般的に悲観するような内容ではなかったかと思います。来週も米中PMI(米国はISM)など株式市場に影響力の高い材料が多彩に控えておりますが、それなりに底堅さを維持できれば、回避的な動意には至らないのではないかと思われます。一方のユーロは、マクロ面でもテクニカル面でも不調であり、今週発表のPMIや独Ifoは軒並み鈍化、スペインの正式支援要請の道筋が概ね固まり、600億EURを要請する目処がたったにも拘わらず警戒感は払拭しきれておりません。週末もトロイカが「スペインの金融セクターの問題解決に向け順調に対処している」との声明を公表したものの、他方ギリシャの財政再建に対する懸念が台頭していることでユーロの反発材料にはならず、今後もユーロの上値を抑制するものと思われます。

CFTC IMM Positions(October 23, 2012)
JPY:Long25,550  Short43,746
EUR:Long38,171  Short93,390
GBP:Long54,879  Short36,482
CAD:Long98,566  Short 9,478
CHF:Long10,756  Short 8,395
AUD:Long83,602  Short37,951
NZD:Long20,528  Short 4,179

※先週データはこちら

ご覧の通り、久々に円が売り越しとなったもののストレートの多くがロングを縮小しておりますので、全般的にはリスクオンの状態が強まったというよりかは、単にドル買いが強まったのではないかというのが実情です。来週は重要イベントが多彩に控えておりますので、そうした観点からも数値以上に解消が進んでいると思われ、次週以降に新たなポジショニングが進むと思われます。ユーロのショート解消の流れもほぼ止まってしまったような形で、ECBによるOMTを背景とした楽観的な見方も一巡したと思われますので、今後のスペイン、ギリシャ動向次第では再びショート構築の流れが押し寄せるかもしれません。テクニカル的にも再び遅行スパンが陰転、価格の長期トレンドもサポートを下抜けてきておりますので、来週の動向が正念場になるものと思われます。

US10Y Treasury Notes




米10年債利回りです。先週からレンジこそ大幅に変化しておりませんが、1.83%をトピッシュにその後は日増しに下値を切り下げてきており、モメンタムも低下気味ですので、サポート下限1.70~1.75%付近の動きが非常に重要になると思われます。全般的に米サイドとしては悪材料は限られているものの、ユーロ圏の不透明感などを背景に安全資産への需要が高まりつつあり、この流れが強まるとドル円にとっても逆風になると思われます。次週は中国マクロなども市場センチメントに大きな影響を及ぼしそうなので、ギリシャ・スペイン動向と合わせ、注視しておきたいと思います。

さて、その注目のBOJ動向ではありますが、今週はタイミング的に水曜日に日銀によるで10兆円の資産購入基金増額を検討との報道がなされ、途端に円売り機運が高まりましたが、昨日の東京株は前日の大幅高を解消するかのような大幅安、既にその追加緩和についてはほぼ織り込まれたというところであります。BOJ会合における焦点は、当該追加緩和規模のほか、13年度分CPI予想の下方修正幅、14年度分が消費増税2%を除くベースで物価上昇目途の前年比1%からどれだけ遠いか、という点だとバークレイズは指摘しておりますが、その他会合後の白川総裁の会見において2015年中にCPI1%を達成するという見通しを持っているかどうかなども円動向にとっては重要となる友指摘しております。

既に追加緩和の10兆円規模は織り込まれておりますので、決定事項が予想通りの10兆円増額に留まれば、ドル円は失望的な下落に見舞われる可能性が高く、逆に20兆円規模程度まで拡大となれば、ポジティブサプライズになるというシナリオは描けます。10兆円増額の報道は日経新聞経由だったかと思いますので、ほぼ10兆円で確定かもしれませんが、これが仮に5兆円であったり見送りだったりすれば再度79円割れというシナリオも考えられるだけに、次週は週初から慌しい展開になるのではないかと思われます。もちろん後半は米雇用統計がメインテーマになると思われ、現状予想はNFPが+12.5万人、失業率が+7.9%という状況。失業率に関しましては、前回の大幅改善がイレギュラー的な要因ではなかったと思いますので、大幅な反動増は想定しにくいところではありますが、仮に8.0%に逆戻りしたりNFPの伸びが10万人以下に留まるようだと、ドル円は再び79円Lowを試す動きになると思われます。

では、来週もよろしくお願いします。

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