- 2020年10月18日 08:21
アマゾン:大引け間際の15秒間で3.6%の大幅下落
金曜の取引で話題になったのはアマゾンです。

アマゾンの5分足チャートです。見てのとおり、巨大な陰線を形成して大引けとなりました。
金曜の取引終了間際の15秒で、アマゾンは3.6%の大きな下げとなった。この15秒間で取引された株数は15万3000株、金額に換算すると5億ドルという大きな額だ。(Mott Capital Management)
これだけ大きな陰線ができると、いろいろなことを憶測してしまいますが、最近のアマゾンのイベントと言えば13日から14日にかけて行われたプライムデーです。
シティのアナリストは、今年のプライムデーの売上は、ガッカリな内容であったことの可能性を指摘しています。理由は、アマゾンからのプレス・リリースです。
2016: “biggest day ever for Amazon.”
2017: “biggest day ever in Amazon history.”
2018: “biggest shopping event in Amazon history”
2019: “largest shopping event in Amazon history”
2016年から2019年のプレス・リリースの共通点は、「プライムデーの売上はアマゾン史上最高だった」ということです。下が今年のプレス・リリースです。
2020: “the two biggest days ever for third-party sellers”
biggest(最大)という言葉は入っています。しかし今年の場合は、サードパーティー・セラーが史上最大の売上となりました。シティのアナリストは、こう記しています。
プレス・リリースの言葉から判断すると、今年のプライムデーの売上は、アマゾン史上最高ではなかったようだ。
米国の事情だけを見た場合ですが、多くの消費者は、去年のようにオンラインでショッピングをできるような状態ではありません。
マスコミは、米国経済はとても良くなると言うが、実際はそれとは反対に悪くなっている。木曜に発表されたことだが、米国の新規失業保険申請者数は8月以来最高の89万8000人だった。これが意味することは、新たな解雇の波が始まったということだ。-- マイケル・スナイダー (The Economic Collapse)
スナイダー氏は更に、コロンビア大学から発表された調査結果も記しています。
5月以来、約800万の米国市民が貧困層に陥った。
貧困層に陥る人たちが増えた原因の一つは、新型コロナ対策として毎週600ドル余分に支払われた失業保険が7月末で終了したことです。JPモルガン・チェースによると、この余分に払われた失業保険のおかげで、失業者の貯蓄は約2倍に増え個人消費は22%上昇しました。しかし、7月末で600ドルの追加金が終了し、失業者たちは貯蓄の三分の二を8月に使ってしまいました。
政府からの更なる援助、または労働市場に大きな回復がない限り、失業者たちは更なる節約、場合によっては月々の支払いができなくなる可能性がある。(JPモルガン・チェース)
貧困レベルの定義は、「家族5人の世帯の年間所得が30680ドル以下」です。米社会保障庁からの発表によると、米国人の中間年間所得は3万4248ドル45セント(2019年)です。
3万4248ドル45セントを12で割ると、毎月の収入は2854ドル5セントだ。言うまでもなく、2854ドル5セントでは毎月の暮らしは苦しい。-- マイケル・スナイダー
米社会保障庁は、こんなデータも発表しています。
・32.26%の米国人の去年の所得は2万ドル未満だった。
・44.79%の米国人の去年の所得は3万ドル未満だった。
・56.46%の米国人の去年の所得は4万ドル未満だった。
・65.91%の米国人の去年の所得は5万ドル未満だった。
繰り返しになりますが、米国の状況だけを見た場合、人々は去年のようにオンラインでショッピングをできるような状態ではありません。
(情報源:Spending dropped, savings dwindled for U.S. unemployed after enhanced benefits expired: study
Study: 8 million Americans have fallen into poverty since May
The economic implosion of 2020
Amazon Prime Day 2020 May Have Disappointed. Here’s the Hint.)