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地銀再生は政府自身の課題

地銀、信用金庫、信用組合などの地域金融機関の経営強化に向け、政府は声を荒らげている。このままではジリ貧が続き、赤字転落になる。実質的な潰れもありうるのだろう。

経営強化に向けた方向感として政府が指摘しているのは、1つは、地域経済の活力を高めるために地銀などがもっと努力すべきだと。

たとえば、地域の中小企業に対する資金の提供を渋らず、もっと目利き力を持ち、積極的に取り組むべきだと言う。さらに進み、ベンチャー的な企業を育成すべきだとも。また、資金だけではなく、知恵も貸すべきだ、つまりコンサルタント的な経営指導をすべきだとも指摘している。

もう1つは、地域金融機関の統合である。地銀の数が多すぎるので、一緒になり、体力を高めるべきだとの指摘である。この点は、行政指導もあり、少しずつだが進展している。

この地域金融機関の経営について、先日、とある場所でも議論になった。印象に残ったのは、ある大学の現役教授の発言だった。ゼミ生の大半が東京に就職するらしい。地方で就職しないのかと質問したところ、答えは簡単、帰りたいのだが、就職する企業がないと。

地方に旅行すると実態が如実に判明する。旅行しなくてもいいから、ヒロシの「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」をちらっと見るのがいい。コロナ禍で海外ロケできないものだから、今は日本の地方を回っている。

地方駅に降り立つと、駅前の何々銀座に人っ子一人歩いていない。シャッター街である。映像にならない。海外ロケ版と大差である。菅さん以下、この番組を見ているのか、見ていたとして何も感じないのか。

要するに、今の日本の地域経済の凋落ぶりは地域金融機関の努力の範囲を超えてしまっている。そもそも、政府は1960年代(正確には62年)から「全国総合開発計画」と銘打って、地域経済の発展を図ろうとしてきた。

結果は、言うまでもなく、東京圏と地方の格差の絶望的なほどの拡大であり、地方の過疎化でしかなかった。関西圏でさえ、地盤沈下が著しく、都市銀行(住友、三和、神戸、大和だったか)が東京に移住してしまった。

政府として打つ手がなかったというか、何も効果的な政策を実施してこなかったのに、今さら地域金融機関に「しっかりせんかい、頑張れ」と言ったところで、それは地域金融機関に対して、「政府の無策の尻拭いをせい」と命令している感が強い。

それはともかく、日本の金融機関、つまり銀行、証券、保険会社の位置をグローバルに見たときには、地盤沈下が著しい。グローバルにも金融機関の力が低下している。情報通信技術による金融革命が起きようとしている。

そんな中、地域金融機関とすれば、「頑張れと言われてもねえ」というのが本音ではなかろうか。

日本人は真面目だから開き直れない。しかし、ここは意を決し、開き直り、政府に歯向かうこともあっていいのではないか。たとえばと思い浮かぶのは、異業種との積極的な提携である。

SBIグループがいいのはどうかはともかくとして、ちまちまと同業他社との経営統合を試みるのではなく、発想の飛躍が求められるし、それが認められるべきだと考える。

政府としても、コロナ禍による働き方、働く場所の見直しを絶好の機会としてとらえ、東京圏から地方へと、企業の立地変更を促す抜本的な政策を打ち出すべきである。そうでなければ、後方から「もっとやれ、やれ」と声だけを出すだけの、へぼ秀才に落ちぶれてしまう。

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