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「生理的に無理」と嫌われて…生きる伝説・江頭2:50はいつから“愛され芸人”に変わった? YouTubeは登録者200万人超え! - ラリー遠田

「生理的に無理」というのは、好き嫌い以前の段階にある原初的な感覚だ。「嫌い」はいつか「好き」に変わる可能性があるが、生理的に無理なものはどうしようもない。

【画像】ロンドン五輪会場に「EGASOK」の衣装で応援に駆けつけた江頭2:50

 江頭2:50は、その長いキャリアのほとんどを「嫌われ芸人」として過ごしてきた。雑誌などの「嫌いな芸人」アンケートでは常に上位に食い込み、多くの人から「無理」と言われ続けてきた。

江頭2:50の「ドーン!」

 たしかに、そう思われても仕方がない芸風ではある。バラエティ番組に出ると、上半身裸で奇声をあげて暴れ回り、ときには全裸になることもある。その暴れっぷりは限度を知らず、生放送中に脚本家の橋田壽賀子に突然キスをするなど、数々の問題行動を起こしている。

悲鳴と怒号が飛び交った「トルコ全裸事件」

 江頭の伝説として最も有名なのが「トルコ全裸事件」である。テレビ番組の企画でトルコに行った江頭は、大観衆に囲まれてふんどし姿で芸を披露した。もっと盛り上げたいという焦りからか、途中でふんどしを脱ぎ捨てて全裸になってしまった。

 肛門にでんでん太鼓を差して逆立ちして鳴らすという芸を披露しようとしたのだが、大観衆からは悲鳴や怒号が飛び交い、パニック状態になった。イスラム教徒が多いトルコでは、人前で裸になることへのタブー意識が日本よりはるかに強かったのだ。

 暴徒と化した観衆のただならぬ雰囲気を察した江頭はすぐに逃げ出し、控室のトイレに身を潜めて、何とか難を逃れた。しかし、現地の警察に逮捕され、罰金刑を受けた。

江頭が「死ぬかと思った仕事」第1位

 また、トルコ全裸事件に並ぶ江頭の伝説として知られているのが「江頭グランブルー事件」である。これは、最近公開されたYouTube動画の中でも彼自身が「死ぬかと思った仕事」の1位に挙げていた。『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京)の中で、江頭が大きい水槽内で挑戦者たちと息止め対決をする企画が行われた。

 最初のうちは江頭が好記録をマークしていたのだが、途中で挑戦者の1人である清水圭が、江頭の記録を上回ってしまった。江頭は水恐怖症に陥り、記録が伸びなくなっていたのだが、再挑戦の収録当日は途中で記憶を失いながらも、見事に記録を大幅に更新して、清水に勝利した。

YouTubeは9日で100万人突破!

 どんな芸人でも、笑いのためなら体を張る覚悟は持っているものだ。だが、江頭のそれは次元が違う。常に全力投球で、命を懸けて笑いを生み出そうとする。そんな江頭の生き様は、一部のお笑い好きには高く評価されてきた。だが、世間一般にはなかなか受け入れられていなかった。

 そんな江頭が今ではYouTubeの世界で華々しい成功を収めている。2020年2月に始まった彼のYouTubeチャンネル「エガちゃんねる EGA-CHANNEL」は、開設からわずか9日で登録者数100万人を突破。そこからも勢いは止まらず、10月16日現在では216万人を超えている。


 その動画に寄せられたコメントも、ほぼすべてが好意的なものだ。ネガティブな感想を述べる人がほとんど存在せず、ポジティブな意見の多くは熱の込もった大絶賛である。

 江頭が、なぜいまYouTubeの世界で成功を収めているのか。そして、それだけの人気を獲得できたのはなぜなのか。

実は「いい人」なのでは…?

 その兆候は数年前からあった。江頭が密かにボランティア活動を行っていることが明かされ、実は「いい人」なのではないか、という話が広がり始めたのだ。

 東日本大震災のとき、江頭がプライベートで被災地の救援活動を行ったという噂が流れた。本人は当初、沈黙を貫いていたのだが、あまりにもマスコミで騒がれてしまったため、インターネット番組の中で真相を明かした。借金して自腹で物資を集め、自らトラックに乗り込んで被災地に出向いていたのだという。

 最近でも、九州豪雨の被害に遭った自治体に100万円を寄付することを動画の中で発表した。そういった江頭の一面を見て、彼のことを生理的に苦手だと感じていた人も、その人間性を再評価するようになってきている。

 江頭がテレビなどで体を張った過激なネタをやるのも、災害などのボランティア活動に精を出すのも、彼の中では本質的に同じことなのではないか。それはすなわち「思い立ったらすぐ行動」「やるからにはいつも全力」ということである。

「ワンクールのレギュラーより1回の伝説」

 江頭は「ワンクールのレギュラーより1回の伝説」という名言を残している。彼は安定した地位を得るよりも、人々に強い印象を残すことにこだわってきた。そのためには、瞬間瞬間を本気で生きるしかない。芸人として人を笑わせるのも、被災地にいる人々を支援するのも、彼の中では、思いついたことを全力でやっているだけ、という意味で同じことなのではないか。

 そんな彼の真摯な思いが、少しずつ世間にも伝わり始めた。その結果、江頭は熱心なファンをどんどん増やしていった。その流れの中で、満を持してYouTubeチャンネルが開設されたことで、大きな注目を集めたのだ。

 初期に公開された動画の中でも反響が大きかったのが、江頭がカラオケルームでブルーハーツの「人にやさしく」を歌う動画だ。人に優しくしてもらえない人に「ガンバレ」とエールを送る、というまっすぐな内容の歌詞は、まるで江頭自身が視聴者に送るメッセージのようでもあり、不遇な時代が長かった江頭自身を鼓舞するようでもある。

 動画の中でも「歌は上手、下手じゃない。ここ(気持ち)なんだよ」と語っていた江頭は、その通りの気持ちのこもった歌いっぷりを見せて、視聴者の感動を呼んでいた。

江頭2:50の姿が私たちに問いかけるもの

 YouTuberとして成功するための法則については、すでにさまざまな人が多くのことを語っている。人気YouTuberの多くが共通して重要な要素として挙げているのが「本気で取り組む」ということだ。江頭はどんな仕事も本気で臨む真性のエンターテイナーである。そんな彼がYouTubeで成功したのは当然のことだった。

 江頭は、途方もない努力と覚悟によって、数々の伝説を残してきた。本気の思いだけが人の心を動かす。「俺はいつでも全力だ。お前はどうだ?」と江頭は私たちに問いかけてくる。生きる伝説・江頭2:50の挑戦は続く。

(ラリー遠田)

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