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タイで数万人の反政府デモ 集会禁止の翌日に

抗議行動者らはバンコクの商業地区ラッチャプラソーンで平和的に座り込んだ(15日)EPA

タイの首都バンコクで15日、反政府デモが前日に禁じられたにもかかわらず、民主化を求める数万人の抗議行動者が集まった。

デモはバンコクの商業地区のラッチャプラソーン交差点付近であり、参加者らは平和的にスローガンを唱えるなどした。新たに出された夜間外出禁止令が適用される、午後6時を数時間回ったところで解散した。

警察はこの日、集会の強制排除に乗り出し、20人以上の活動家らを逮捕した。抗議行動者らは釈放を求めている。

多くのデモ参加者らは、抗議のシンボルとなった3本指を立てるサインを見せた。16日午後5時(日本時間同7時)に再びデモを行うとしている。

リーダーの1人は、「追い詰められた犬のように、死ぬまで闘う」、「私たちは後ずさりしない。逃げもしない。どこにも行かない」と群衆に呼びかけた。

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国外にいることが多いマハ・ワチラロンコン国王は今週、ドイツから数週間の予定でタイに戻っている。長期間続いている反政府デモが国王の帰国中に開かれたのは、今回が初めて。

政府は15日早朝、学生が主導する反政府デモを抑え込もうと、緊急命令を発令。4人を超える集会を禁じ、活動家約20人を逮捕した

逮捕者は今週、40人近くに上っている。人権派弁護士アノン・ナンパ氏、学生活動家で「ペンギン」のニックネームで広く知られるパリト・チワラク氏、パヌサヤ・シチジラワタナクル氏らが含まれている。

多くの人が視聴したビデオ映像では、当局者がホテルの一室でパヌサヤ氏に向かい、逮捕容疑を読み上げている。別の映像では、パヌサヤ氏と支持者らがスローガンを唱える中、警察が同氏を車に押し込んでいる。

リーダーたちが呼びかけた抗議行動は、ブラユット・チャンオチャ首相に対する辞任要求から始まった。同首相は2014年の軍事クーデターで権力を掌握。昨年の選挙で首相に任命されたが、選挙の正当性を疑問視する声が出ている。抗議デモはその後、国王権限の制限の要求にも広がった。

タイでは王室改革は極めてデリケートな問題だ。王室に対する批判は、刑務所に長期収監される刑罰の対象となっている。

14日にはバンコクで、女王が乗った車に対し、デモ参加者らは3本指を立てて罵声を浴びせた。政府は、デモと王室の車列が接近していたことを、今回の緊急命令を出した理由の1つとしている。

数カ月にわたり続くデモは、軍や王室など長年タイを支配してきた層にとって、近年最大の難事となっている。

反政府デモの背景

タイでは政情不安や抗議行動は珍しくないが、裁判所が結成まもない民主派の野党政党・新未来党(FFP)の解散を命じたことを受け、今年2月に新たな運動が始まった。

新未来党は特に若者の支持を集めており、2019年3月の議会選挙では3番目に得票が多い政党となった。この選挙では政権を握っていた軍事政権が勝利した。

新型コロナウイルスの流行が始まると、反政府デモは鎮静化した。しかし6月、著名な民主活動家ワンチャラーム・サタシット氏がカンボジアで行方不明になったことで再燃した。同氏は2014年の軍事クーデター以降、カンボジアに逃れていた。

デモ参加者らは、タイ政府がサタシット氏の拉致を計画したと批判。一方、政府や警察はこれを否定している。7月以降、学生を主体としたデモが続いている。

参加者らは、軍事クーデターで権力を掌握したブラユット政権の退陣や、憲法の改正、政府に批判的な人への弾圧の中止を求めている。

<分析>ジョナサン・ヘッド、BBCニュー

抗議デモ指導者らの逮捕や、集会や表現の自由の制限強化を知り、驚くタイ国民はほとんどいない。それよりも、過去に繰り返されたような流血の事態に今回はならなかったと、そこに胸をなでおろしている人さえいるだろう。

アノン・ナンパ弁護士がその穏やかそうな外見とは裏腹に、王室について率直な協議を求めたのは8月3日のことだった。あの時には、なんて大胆なことをするのか国中が仰天した。国民が一斉に息を飲む音が聞こえたかのようだった。学生リーダーのパヌサヤ・シチジラワタナクル氏が、王室改革をめぐる10項目の要求を大学の演壇で読み上げた時には、国中が報復を覚悟した。憲法が国王を崇拝対象に定めているタイでは、この行為は冒瀆(ぼうとく)とほぼ同じだった。

しかし、報復はなかった。経済の悪化やスキャンダルの続発に直面している政府は、国民の怒りをさらに強めるような行動に出るのをためらったとみられる。

だが、王室をあざける大規模デモが長期間続く事態は看過できなかった。国王が帰国している現在はなおさらだ。

デモ指導者が拘束され、集会が禁止されたことで、抗議運動を継続するのは難しくなるだろう。当局は今後、抗議運動を資金面で応援していた人を狙い撃ちする可能性がある。

それでも、王室についての発言をなかったことにはできない。タブーは破られた。熱心な王室支持者を除き、年齢や住む地域を問わず大勢が、タイの構造改革には王室改革も必要だとする学生リーダーらに賛同している。

抗議デモの再開は、時間の問題でしかない。

(英語記事 Thai protesters take to streets again in defiance

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