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料金値下げ実現"ゴリ押し"でドコモ完全子会社化 菅首相「公約」の恐怖と地銀の運命

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菅首相の地銀発言は耳触りの良い”人気取り戦略”か

そこで気になるのが、菅新首相もうひとつの「公約」である「地銀は多すぎる」「経営統合も選択肢」発言です。

地銀は各都道府県に存在し身近な存在であるがゆえに、経営統合を通じて地域活性化につなげるという「公約」は、これまた庶民に耳触りの良い人気取り戦略に思えます。

心配なのはここでもまた「公約」実現に向け、ゴリ押しをしていくのではないかということです。金融は経済の血液であり、通信業界以上に素人が勝手な思惑から余計な口出しをして動かしていいような世界ではありません。

菅首相の師である故梶山静六氏は、官房長官時代に不良債権に苦しむ銀行をバブル崩壊による景気悪化における諸悪の根源として目の敵にし、「傷んだ銀行は強制退場も辞さず」というハードランディング不良債権処理を主導。

旧長銀の大蔵省検査データをメディアにリークさせ同行を破綻させた張本人であるということは、インターバンクでは公然の秘密でした(長銀の二の舞を恐れ誰も口にできなかったまでで、事実関係については当時の大蔵キャリア官僚から私個人も裏をとっています)。

無理な「地銀改革」はひとつ間違えば大恐慌に発展しかねない

Getty Images

自民党総裁選出馬に向けた記者会見で菅首相が「地銀発言」をした翌日に、青森銀行とみちのく銀行の経営統合記事がスクープ的に新聞紙面を飾り、同行が即座に報道を完全否定する「事件」がありました。

まるで過去の梶山静六氏によるメディアリークからの長銀破綻を見ているようで、背筋が寒くなりました。菅首相には間違っても「公約」実現のために、今回のドコモのようにゴリ押しで地銀改革を進めるようなことはして欲しくありません。

金融庁にも地銀統合後の道筋案づくり等の事前バックアップをさせるなど、餅は餅屋に任せ地銀改革を見守って欲しいと思います。

コロナ禍でただでさえ地域経済も大きなダメージを負っている今、無理強いした地銀改革は、ひとつ間違えれば地域金融不安発の大恐慌にも発展しかねないのです。

新首相には、「民」のことは「民」に委ねるを危うくすることなく、コロナ禍からの早期脱却に向け安心感を損なうことのない景気・経済改革への取り組みを切に望みます。

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