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今の10倍、20倍の規模で取り掛かれば復興への取り組みが目に見えるようになる

地方の物流や人の流れを考えれば鉄道の復興は後回しにしてもいいのではないか、何をそんなに怒るのか、というコメントを頂戴した。

限られた予算、限られた人員で災害に対処せざるを得ない行政の現場にいる人から見れば、確かにまず急ぐのは当面の被災者の救出・救助、最低限の道路交通網の確保、避難所の確保、仮設住宅の建設、経済活動を支える様々なインフラの復旧等であり、地元ではそれほど利用価値のない鉄道網の再開・復旧は事態がもう少し落ち着いてから、などという考えもあるだろう。

しかし、自分たちの持てる限りの力を総動員してでも災害からの復旧・復興にあたらなければならないと覚悟を決めている人だったらどうだろうか。それこそ、あらゆる立場の人がそれぞれに自分のできることに取り掛かるはずだ。

茫然自失が許されるのは、被災の直後だけ。非常時に対しての備えがある組織であれば、被災者の救出や被災地の復旧のために自分に眠っていたあらゆる力を目覚めさせて、不眠不休で活動を始めると思う。

政治の基盤が安定している内閣で、最高指揮官が有能であれば、平成23年度予算や予算関連法案は直ちに成立させ、本格的緊急震災対策本部を立ち上げて災害対策の司令塔を確立し、そこですべての復旧・復興のための方策を樹立する。

たとえそれまで不安定な政権運営を余儀なくされてた内閣であっても、最高指揮官の機転一つで事態を転換させることが出来た。3月11日の東日本大震災の発生直後、菅総理や官邸がパニックになり、事態の正確な認識能力やこれに対してどう対処すべきなのかの判断能力を瞬間的に喪失し、政府が機能不全を呈してしまったのが返す返すも残念だが、それでもチャンスはあった。菅総理が三顧の礼を尽くして自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表に内閣に入るよう要請し、心底からの協力を求めればあっという間に菅内閣の政治基盤は安定化に向かい、平成23年度予算のみならず大震災に対処するための様々な体制の整備が図られたはずだ。

大震災の発災から5か月間も高架上の壊れた家屋がそのままに放置されている状況を、私は怒っている。これが政府の無策、無能の象徴だから怒っているのである。いわば人間の死体が野ざらしになっているのと同じような感じを私は受けた。行方不明者の捜索や遺体の捜査も急ぐが、一定の日時が過ぎたらまずは瓦礫の撤去を終えようではないか、復旧を急ごうではないか、というのが私の感覚である。

道路の復旧を急いで車の往来が活発になったがそのすぐ脇を走っている鉄道の高架の陸橋の上に津波で流失した家屋がそのまま捨て置かれている状態が、初めて現場を見る私には野ざらしのように感じられたのである。

何を急ぐか、という問題はいつも大事であり、また、どんなこともゆるがせには出来ないのだが、目の前に遺体があれば直ちに収容し、目の前に動物の死骸があれば直ちに処分するのと同様に、私は鉄道高架上の放置された建物をそのままずっとその場に晒しておくことに堪えがたい思いを持つ。

10倍の予算があれば必ず手を付けるだろうと思う。ちまちまとした復旧作業しか行えない状況だからきっとそのままになっているのだと思う。

三陸鉄道は全線復旧を急ぎたいはずだ。たとえより安全な高台への移転を検討しなければならない地域があっても、まずは鉄道の復旧に全力を挙げて取り組みたいはずだ。その心意気が見えるようになっていない。復旧・復興への取り組みが目に見えるようになっていないから、私はあえて声を上げた。第二次補正予算には三陸鉄道の復旧のための予算は組み込まれていないはずだ。

やりたいことがやれないから、私は声を上げる。ひょっとしたら先にやるべきことがもっとたくさんあるかも知れない。何を優先し、何を後回しにしたらいいのかの判断は、今の私の立場では出来ないから、ただただ急げ、急げ、もっと急げ、と声を上げるだけに終わってしまうのだが、それでも私は声を上げる。

一つの被災現場に1000人ぐらい人がいれば、ああ、ようやく復興の槌音が聞こえる、とホッとする。しかし、私が見た限りでは人はまだいない。どこでもまだ本格的復旧・復興のための事業は始まっていない。

しかし、私は先行きに明るい希望を持って帰ってきた。大丈夫。被災地は必ず蘇る。日本は、必ず再生する。

本気で復興に取り掛かれば日本は必ず再生するというのが、私の究極の感想である。

それが証拠に、菅総理が退陣の意向を公式に表明した。これで8月中に民主党の代表選挙が行われることになる。いいことではないか。

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