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救護救急基本法の制定の必要性

何かのことに取り掛かると、その仕事を終えるまで四六時中そのことが頭から離れなくなるものである。

歩きながら考える。
寝ながら考える。
物を食べながら考える。

考え続けていると、ひょんなところから思いがけないアイデアが浮かんでくることがある。

現在救急救命士制度研究会で救急救命士制度の勉強会を継続しているが、単なる救急救命士の業務に限定しないで、広く救護や救命等に従事する方々の職務を包括的に救護救急等業務と位置づけ救護救急等業務に従事する方々の職務の専門性を高めると共に、これらの方々の社会的地位や身分を確立し、安心して継続的に業務遂行に当たることが出来るようにするための基本法的なものを制定する必要があるのではないか、ということに思い至った。

救護救急基本法といった法律でもあれば、緊急時における消防、警察、自衛隊の行う救護救急活動のみならず消防団や一般のボランティアの方々の救護救急活動を法的に保護できるようになるのではないか。
そういう発想からの提案である。

現在は緊急避難や緊急事務管理として法的に正当だと認められていることだが、それでも救護救急の現場では具体的にどこまでの行為が認められるのかについて戸惑いがある。

医師が自ら対処し得ない状況、環境の下で、たまたま現場に臨場した救急救命士が医師の指示が得られないからといって何らの救急救命業務を行わないでいたら、おそらく国民は救急救命士を非難するだろうと思う。

現在のところ救急救命士の業務を行う場所は救急車の中とされている。

しかし、救急救命の能力や設備がないのならともかく、必要な教育や訓練を経て救急救命士が自分の職場外だから、とか上司の指示がないから、救急車に乗っていないから、医師の指示が得られないから、などと言って結局何もしなかった、というのでは、何のために国は救急救命士の資格を与えたのか、ということになる。

どこかおかしい。
どこか本末転倒している。
行政上の解釈の変更で足りるのであれば、直ちにそうすべきであり、また現在の法律の解釈上は違法だと言わざるを得ないとか、やはりグレーだと言わざるを得ないのだったら、一日も早く法律を変えるべきである

これが、私の基本的スタンスである。

緊急事態における救護救急業務だから、平常時のような充実した医療や措置を施すことは出来ない。
臨機応変、その現場で可能な限りの最善の方法で救護救急業務を行わざるを得ないのが実情である。

可能な限りの最善の方法で救護救急業務を行っても、残念ながら所期の目的を達することが出来ないことがあるのが、この種の業務である。
万一上手くいかなかったからといって、救護救急業務に従事した人が業務上過失致死とか業務上過失傷害などの刑事責任を問われたり、あるいは懲戒処分等の行政処分を受けたり、さらには損害賠償請求訴訟の被告にされたのでは救護救急業務を安心して遂行することなど出来なくなる。

現時点での最大のネックは医師法17条との抵触関係だと思う。

何か医療の世界では医師法が医療の成果での憲法、最高法規のような取扱いを受けているが、医師法が制定された当時は救護救急業務という考え方はなく、社会の進展に伴って新しく登場し、既に社会的に認知され独自の専門的業務として定着するに到っているのだから、救護救急業務についてはどうしても医師法の枷を外すなり、医師法との調整をしておかなければならない。

私は、救護救急業務は医療行為そのものではないが、医療に限りなく近接した医療準備行為あるいは医療近接行為もしくは医療類似行為と解釈されるべきものであると考えている。
救護救急業務は医療施設の中であろうと医療施設の外であろうとあるのだから、救急救命士の業務を病院前救護に限る、としていることはそもそも間違いだと考えている。

これまで法律実務家でそういう観点からの議論をされた方がおられないようなので、これから私がこういう議論の先頭に立っていこうと思っている。
今日が、そのスタートの日である。

ちなみに、救護救急業務は緊急事態における措置であるから、それが救護救急業務に従事する専門職の判断及び措置として相当と認められる限り、仮に望ましくない転機があったとしてもその思わしくない結果について救護救急業務に従事した人が何らかの法的責任を追及されることはない。
これが、緊急避難あるいは緊急事務管理だから違法性が阻却されるという理論に基いての考え方である。

私は、これを、単に違法性が阻却されるという程度に止めるのではなく、本来の職務行為としての正当性がある行為、社会的相当行為として位置づけようと主張している。
これが、私の言う救護救急法である。
まだほんのアイデア、思い付き程度のレベルだが、これが善きサマリア法の日本版の原型にになるのではないかと思っている。

まだ誰もそのことを言っている人がいない。

後日のために、今日そのことを書いておく。
明日になったらまた違うアイデアが出てくるかも知れないが、多分現時点では私の考えが一番進んでいるはずだ。

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