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「労働時間の見直し」に先鞭をつけた みずほフィナンシャルグループ

■「2030年には労働時間が1週間15時間になる」という予言

 みずほフィナンシャルグループは、2020年12月から「週休3日制または週休4日制」を導入すると発表した。

 現状は希望する社員のみ対象ということになっているが、コロナ禍の長期化を見据えた上での人件費の削減案(ワークシェアリング)という意味合いもあるのだろう。

 週休3日制の場合は給料8割、週休4日制の場合は給料6割ということらしい。高給取りの銀行マンなら、給料が2〜4割程度下がってもそれなりの収入が見込めるので、案外、希望する人は多いのかもしれない。

 経済学者のジョン・メイナード・ケインズは1930年に行われた講演で、「2030年には労働時間が1週間15時間になる」と言っていたらしい。 土日が休日として1日の労働時間に換算すると「1日3時間労働」ということになる。

 1930年当時には、パソコンもインターネットもAIも存在しなかったので、そこまで労働時間が短くなると予想するのは極めて困難なことだったと思う。まるでコロナ禍を見通していたかのような慧眼には驚かされる。

【参考文献】
隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』(ルトガー ブレグマン著)

■既に「ベーシックインカム」を導入している日本

 情報技術が進歩した現代にあって、いつまでも100年前の1日8時間労働に拘るのは可笑しいということをブログ記事でも何度か書いてきた。今回のコロナ禍によって、この常識は確実に変わり、日本でも新たな労働時間というものが模索されるだろうことも予測できる範疇だったが、その先鞭をつけたのは銀行業だった。

 現在のコロナ禍では、休業や時短の導入で、既に1週間の労働時間は30時間以下という人は大勢いると思う。1週間40時間労働(1日8時間労働)というような労働基準は既に破られており、完全に形骸化している状況となっている。

 銀行は週休3日制や週休4日制になれば、その分、給料が下がるが、現在のコロナ禍で、「コロナ特別雇用調整助成金」を受け取っている人(主に中小企業)は、休んだ日の給料が8割支給されている。これは見方を変えると、期間限定のベーシックインカムを導入している状態だと言える。

 無職になった人に生活費としての失業給付金を支給するのではなく、労働者としての立場を維持した上で、労働時間が少なくなった分、補助金としてベーシックインカムを受け取っている状態になっている。

■「コロナ禍転じて福となす」政策を期待

 問題は、この補助金制度をいつまで続けるのか?ということだが、政府としても実に悩ましい問題だろうと思う。この状況下で急に支給を打ち切ると、多くの会社が倒産、または廃業を余儀無くされ、失業給付を受ける人が膨大な数に上ることが予想されるので、引き際が難しい。

 理想としては、政府もベーシックインカム制度を期間限定で試験的に実施しているという認識を持って、経済動向を逐一監視し、急激なインフレにならないようなら、ある程度の期間(数年間)であれば続けても大丈夫かもしれない。これまで(20年以上)緊縮財政をし過ぎた分の穴埋め政策として機能すれば、少しは景気も良くなるかもしれない。無論、コロナ禍が落ち着いた後に。

 その期間内に、これまでの労働観というものを抜本的に見直していき、時代にマッチした労働基準というものを新たに作り直していくことがベターだと思う。それこそ、アフターコロナの働き方改革に成り得る。

 災い転じて福となす。コロナ禍というものを悲観的にばかり捉えるのではなく、コロナ禍を逆手に取って利用し、より良い社会の構築を模索すれば、明るい未来が開けるかもしれない。

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