米国トランプ大統領の中国敵視政策は最初から一貫していますが、大統領選挙に近づいてなお一層、エスカレートさせています。強固な支持層の奮起を促すためになりふり構わぬやり方はかつての赤狩りを彷彿させます。
あの赤狩りの時代は米国にとってソビエトが脅威だったようで民主主義とは無縁の国でした。日本でも同様のレッドパージが行われることになります。
東西冷戦下のはっきりと誤った政策、民主主義に反する政策です。
これ、真相はどうなのか、よくわかりません。
「米政府、共産党員・全体主義政党メンバーの移民を禁止に」(2020年10月4日)
日本の大手マスコミも触れていないため、私にはその真偽は判断できません。トランプ氏なら、このようなことをやっても不思議はないなくらいのことしか言えません。
中国共産党のみならず各国共産党も想定しているようなのです。
中国共産党員の集団での「移民」など全くと言ってよいほど想像できませんが、米国が乗っ取られると思っているのでしょうか。古くは日本からの移民が迫害されていましたが、そういえばトランプ氏は当初はヒスパニック系の移民の排除を言っていました。メキシコとの国境に壁を作るなんて言っていましたが、最近はその話題も聞かなくなりました。
ところで、このよくわからない情報に対して小躍りしているのが日本の右翼層です。
共産党員とその関係者の方々へ 悲しいお知らせです。 10月2日 米国が共産党員と関係者などの移民を禁じました。また、米国へ赴任予定がある方や留学予定がある方、移民を希望する方は、共産党や関係者と関係を持たない又は距離をとることをお勧めします。 https://t.co/vFF5g2ysCS
— 渡邉哲也 (@daitojimari) October 5, 2020
このような品のないツイートに18000もの「いいね」が押されているなんて全くどうかしています。
どうみても「反共」しか旗印にするものがないという感じです。
早晩、やってくる総選挙では、立憲民主党、共産党の選挙協力がとても重要になってきます。それは自民党にとっての脅威なのでしょう。
その分断をはかるために理屈抜きの煽り行為が「反共」です。
以前の自民党のビラの中の1つに「民共合作」になる品のないビラがありましたが、「反共」だけが旗印なんて、それこそカルトと同じではありませんか。
安倍支持層こそ他人に対して理屈抜きで他を攻撃するだけですが、トランプ支持層と共通性があります。例え、不正をやらかそうと、それをすべて野党の言い掛かりと難癖を付け、攻撃します。支持層が3割程度というのも共通です。
桜を見る会なんて安倍氏の私物化だったというのは誰の目から見て明らかなのに、そういった常識など全く通用しないのが安倍支持層です。
「ジャパンライフ事件 業界団体の利益「調整」の自民党政権が違法な預託金商法を黙認してきたことのつけ」
安倍政権の支持率がどんな醜態をさらそうとも3割前後を維持してきたのは、強固なカルト層があるからです。
分断だけを日本に持ち込もうとする危険な層とも言えます。
トランプ大統領の選挙戦術をみて危うい方法と感じないというのでは非常におかしなセンスです。指導者に求められるのは、国民の統合です。分断に対置される意味での統合です。全体主義の意味ではありません。
トランプ氏や安倍氏(後継の菅氏)は、一部の支持層だけで全体を支配しようとする危険な思想です。
これに対して日本共産党が道理に反するようなことをしたでしょうか。
共産主義というだけで忌み嫌う風潮もありますが、共産党の政策でこれは問題だというのは恐らくは新自由主義改革を遂行しようという立ち場からは相容れないからでしょうが、立ち場が違うというだけであって政策として変なものというわけではありません。
安倍政権以降、菅内閣になっても日本学術会議の人事などでも異常な状況が続いています。普通の神経があったらできないことばかりです。それがまかり取ってしまっていることの異様さがあります。
「野党が何を言ったって、有権者から相手にされなよ!」
と右翼層からは聞こえて来ますが、これこそ全体主義であり、これでよく共産党を誹謗できるものです。
赤狩りの時代、レッドパージに逆戻りで息が詰まる社会なんて真っ平です。