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日本学術会議は解散したら?

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清谷信一(軍事ジャーナリスト)

【まとめ】

・日本学術会議は極端なイデオロギーに偏向。

・軍事研究に一切協力しない方針こそ「研究の自由」の侵害。

・京都大、学内で軍事研究は実施しないとする基本方針を策定。

日本学術会議の新会員の推薦を、政府が関連を無視して6名を認めなかったことで、議論となっている。日本学術会議関係者やメディアが「学問の自由」が侵されたという主張しているが、別に政府が「彼らの学問の自由」を奪ったという事実は存在しない。

単に「日本学術会議会員」というステイタスを得られなかっただけだろう。筆者はこれまで安倍政権、菅政権に対して一貫して批判的な態度をとってきた。だが、その筆者でも今回安保法制拒否の立場の候補者を狙い撃ちしたのは大人げないとは思うが、方向として間違っているとは思わない。

何故なら日本学術会議は極端なイデオロギーに偏向しており、軍事研究を頭から否定し、まさに「学問の自由」を弾圧している組織だからだ。

そのやり方は自分たちの主張にそぐわない女性の振り袖やパーマをかけた頭髪を切ったりした「国防婦人会」と酷似している。このような組織に国費を投じ、公務員としての待遇を与えるべきではない。

■ 日本学術会議は軍事研究に一切協力しないという極端な態度をとっている

学術会議が世間で話題になるのはその政治活動である。2017年には軍事的安全保障研究に関する声明を出した。これは1950年の「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明と1967年の「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を継承するもので、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に大学が協力するなと提言している。

この影響で京大などが軍事研究を禁止したが、その範囲ははっきりしない。学術会議は「研究成果は時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用される」ため、軍事に関連する分野の研究も禁じているが、この基準でいうとコンピュータの研究は全面禁止するしかない。現代ではコンピュータを使わない兵器は存在しないからだ。

参考記事:学術会議を民営化して「学問の自由」を取り戻そう(池田信夫)

▲写真 京都大学時計台 出典:Soraie8288

京都大学は日本学術会議の意に沿って以下の通り公式HPにて軍事研究を禁止している。

「本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わないこととします」

(参考記事:京大、軍事研究しません。研究活動は「平和への貢献を目的とする」

本来軍事研究に協力するしないは個々の研究者の問題だ。「権威的な団体」が圧力をかける問題ではない。それこそ「研究の自由」の侵害であり、憲法違反だ。

確かに前の戦争の直後であれば、軍部独裁、大政翼賛体制で科学者が意にそぐわず軍部に協力させたれたことに対する反省もあり、世論のシンパシーも得られたらだろう。だが戦後の我が国は軍事独裁国家ではなく、色々と問題はあるにしても「成熟した民主国家」である。学者が軍事研究に協力したら軍事独裁政権が生まれるわけでもない。

軍事研究を通じて平和に貢献したという研究者はいるがそういう意見が日本学術会議の圧力によって圧殺されている。

軍事研究の否定=平和というのは小学生レベルの思考だ。登山で山頂を目的とする場合に、麓から一直線に山頂を目指すことだけが、正しく、迂回路を通ったり、現実的な登山ルートを通ることを「悪」であるときめつけるようなものだ。そして無理な登山をすれば遭難は必至である。

仮に我が国で全く軍事技術を保持しないとしよう。その場合、まず考えられるのは外国の軍事技術との格差だ。端的に申せば、敵国がターミネーター2のようなロボットで攻めてきて、自衛隊は生身の隊員が圧倒的な不利な状況で、竹槍で戦う、ということだ。それは国民も同じだ。近年の戦争では軍隊よりも民間が被る被害の方が大きい。

▲写真 米軍ロボットテスト 出典:Flickr; The U.S. Army

そして戦争に負けて占領されれば、主権を失う。日本学術会議が尊重しているであろう「平和憲法」も停止されるだろう。例えば中国に占領されれば、ウイグル人のように、人権や思想、宗教の自由が奪われ、女性は堕胎を強要されることも想像に難くない。

また自前の技術を持たずに米国に軍事力を依存することも起こり得る。この場合米国に生命与奪権を握られて属国化する(現状でもそれに近い状態ではある)。米国の属国化が進めば、米国の意向に逆らうことができなくなる。また米国の戦争に「属国」として参加させられることにもなるだろう。それをよしとするのか。

無論、現在の世界では兵器市場で多くの兵器が入手可能であり、大抵の兵器はカネさえ積めば調達が可能だ。我が国のように米国製兵器を常に本命に買うと決めていればボラれるが、複数を競わせれば、高性能なものを安価に調達することも可能だ。

だが、それらの兵器を調達するためには、技術的な目利きが必要であり、それがなければ現実的な調達はできない。そのためには独自の軍事技術の保有は必要だ。

日本学術会議は、我が国は兵器を輸入すればいいのだ、という見解なのか、それとも軍備自体がけしからん、というのだろうか。

後者あれば自衛権を否定し、国家の独立を維持することも否定することになりかねない。

それは「平和憲法」を放棄してもいいとこことになる。

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