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法務大臣3年目で9人目

 田中慶秋法務大臣が辞任に追い込まれた。政治家経験の長いベテランだったが、身辺の過去の弱みを突かれた形になった。暴力団関係者との交際の件は、地方政治家として若かった30年前のことで、仲人をしたり会合に出席した相手が暴力団に関係あることが事後にわかったとしている。外国人から献金を受けた件は、2006年から2009年にかけて、横浜中華街の飲食店から事務所が計42万円の献金を受けたものだという。経営者が外国人であることを指摘されて返したということだ。

 外国人から献金の問題は、親しくしていて自分も相手も国籍を疑う意識がなかったという例が、今までにもあった。政治が外国人の献金に影響されてはならないとする法の趣旨はわかるが、30年前の交友も含めて、たとえば会社の人事であったとすれば、本人が有能でさえあれば、問題にするのがヤボと言われる程度のことではないかと思う。

 しかし目を光らせる野党とマスコミの注目を浴びる閣僚人事であり、しかも法務行政を担当する立場であってみれば、厳しい追及を受けるのは、止むをえないことだったかもしれない。これくらいのことが事前にわからなかったのかと、総理が任命責任を問われることになる。

 本人は特に法務に精通していたわけでもなさそうだ。法務大臣という立場は、大臣の裁量が大きい職務とは思えない。「法律問題に関する政府の最高顧問」という位置づけだが、法制でも裁判所でも検察庁でも、それぞれががっちり固まった専門家集団になっている。それぞれの機関に改革を要する問題はあるだろうが、要するに大臣が名誉職に近い立場になりやすいポストだったのではなかろうか。

 内閣には、特例の復興担当を含めて18名の大臣(国務大臣)が就任する。民主党政権になってから総理大臣は3人目になり、途中で内閣改造も行われているから、大臣の延べ人数は、かなりの数になっているだろう。それら全員が元大臣の肩書きを持つ政治家になったわけだ。不幸にして大臣が先頭に立って省庁を改革する「政治主導」は尻すぼみになってしまった。

 しかし、初めて政権についた民主党は、多くの閣僚経験者を持つことにもなった。その中には有望な若い政治家もいるかもしれない。せめてそれらが民主党の財産になってくれるといいのだが。

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