記事

コロナに感染したトランプ大統領は無敵なのか 真の敵は「VIP症候群」と政治の高齢化だ

1/2

一発逆転の賭けに出た“テフロン大統領”

[ロンドン発]10月1日夜に新型コロナウイルス感染が判明し、ワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センターに緊急入院したドナルド・トランプ米大統領は5日(日本時間6日朝)、「本当に気分は晴れやかだ。コロナを恐れるな」とツイートし、退院しました。

「コロナにあなたの人生を支配させてはならない。 私たちはトランプ政権下でいくつかの本当に素晴らしい薬と知識を手に入れた。 20年前より気分が良い!」

トランプ大統領の年齢は74歳、ボディマス指数(BMI)30.4(肥満)で軽い心臓病を患う、紛れもない「コロナ・ハイリスクグループ」。酸素吸入を行い、重症患者にしか使わないステロイド系抗炎症薬 デキサメタゾンを投与していることから重症化が心配されていました。

にもかかわらずトランプ大統領は4日、短時間、病院を抜け出し、車中から窓越しに沿道の激励に応えました。そして5日の超スピード退院。大統領選を前に有権者にタフネスぶりをアピールするパフォーマンスです。

AP

11月3日に迫る大統領選の世論調査では民主党候補ジョー・バイデン前副大統領が圧倒的にリードしています。大統領選の予想では定評がある米統計分析ニュースサイト「ファイブサーティーエイト」はトランプ大統領が逆転勝ちを収める可能性はまだ19%残っていると分析しています。

ショーマンのトランプ大統領は命に関わる危機を逆に利用しないと活路が開けないことを重々承知しています。だから全米、いや世界中が注目する「トランプ劇場」で一発逆転の賭けに出たのです。

しかし、ウォルター・リード米軍医療センターのジェームズ・フィリップス医師はツイッターで、病院を抜け出したトランプ大統領の行動を厳しく批判しました。

「全く不必要な行動で、車内にいた全員が14日間隔離されなければならない。彼らは発症するかもしれないし、死ぬかもしれない。トランプ大統領の政治劇のために。自らの命をトランプ劇場の危険にさらすよう大統領に命じられたのだ。これは狂気という他ない」

AP

いくらメディアに叩かれても倒れない「テフロン大統領」の異名を取るトランプ氏は先にツイッターでサプライズを予告。

その上で「これは、とても興味深い経験だ。私はコロナについて多くを学んだ。本物の学校だ。私が体得したことを皆さんに伝えるつもりだ」と病床からの反転攻勢を宣言していました。

「ヒポクラテスの誓い」か、国民の「知る権利」か

ホワイトハウスのショーン・コンリー医師も4日の記者会見で「大統領は回復している」と強調し、早ければ5日にも退院するとの楽観的な見通しを示していました。しかしトランプ大統領の圧力を受け、大統領選にマイナスになる事実は会見で隠しているとの批判が起きています。

医師には「治療の時、または治療しない時も、人々の生活に関して見聞きすることで、およそ口外すべきでないものは、それを秘密事項と考え、口を閉ざす」(ヒポクラテス全集、大槻マミ太郎氏訳)というヒポクラテスの誓いが課せられています。

さらに海軍士官のコンリー医師は最高司令官であるトランプ大統領の命令には絶対服従です。その一方で、大統領の健康状態について国民は「知る権利」を有しています。どちらを優先させるか、ジレンマに揺れるホワイトハウス医師団の会見内容をポイントごとに見ておきましょう。

あわせて読みたい

「アメリカ大統領選」の記事一覧へ

トピックス

議論福島第一原発処理水の海洋放出は許容できるリスクか?

ランキング

  1. 1

    給付金効果はあったが見えぬだけ

    自由人

  2. 2

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  3. 3

    日本における次世代の目玉産業は

    ヒロ

  4. 4

    ロンブー淳 TVに抱く気持ち悪さ

    文春オンライン

  5. 5

    岡村結婚の裏に涙のエレベーター

    文春オンライン

  6. 6

    大阪の幻想 維新が得する都構想

    猪野 亨

  7. 7

    NHKと国民の関係性は「強制」に

    PRESIDENT Online

  8. 8

    官僚へ負担どっち? 野党議員反論

    BLOGOS しらべる部

  9. 9

    携帯料金 値下げは1000円程度か

    S-MAX

  10. 10

    すすきの感染 酒飲みにうんざり

    猪野 亨

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。