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米倉涼子、小泉今日子出演……Netflix「新聞記者」で"ひどい裏切り” - 「週刊文春」編集部

「(森友改ざん事件で夫を喪った)赤木雅子さんの説得が失敗に終わったため、『あくまでフィクション』を盾に強引に制作発表に踏み切ったのでしょう」

 こう語るのは、赤木さんとの共著『私は真実が知りたい』の執筆者でもある大阪日日新聞の相澤冬樹記者(57)。9月15日、ネットフリックス版連続ドラマ『新聞記者』の制作が発表されたのだが……。

◆◆◆

〈東都新聞社会部記者・松田杏奈。“新聞業界の異端児”を、これまで様々な“闘う女性”を演じてきた米倉涼子が務める〉

 こう華々しく発表されたネトフリ版『新聞記者』は、来年、連続ドラマとして配信予定。同タイトルで昨年公開された映画版は東京新聞社会部の望月衣塑子記者が原案で、出演もしたが、今回の主人公の経歴も彼女そっくり。その望月氏から赤木さんに連絡が入ったのは今年3月のこと。


望月記者らしき人物を演じる米倉

「望月さんと、映画『新聞記者』を一緒に作ったプロデューサー・河村光庸氏のお2人から連絡があり、『お手伝いをしたい』との趣旨だったそうです」(同前)

 そこで、赤木さん、望月氏、河村氏の三者は5月下旬、Zoomで顔合わせ。この場で河村氏はこう言った。

「今度のドラマ版は赤木さん夫妻がモチーフ。雅子さん役は小泉今日子さんにお願いしています」

 だが河村氏は、赤木俊夫さんの死に責任があるのは精神科医だと強調するなど、事実と異なる思い込みで話を進めようとしていると感じられたという。どういう作品になるか心配を拭えず、

「結局赤木さんは『真実を歪めかねないドラマに協力はできない』と考え、協力を断わったのです」(相澤氏)

 その後音沙汰もなく、企画は立ち消えになったのかと思っていると、8月6日、ネット上にこんな記事が。

〈米倉涼子と小泉今日子。 独立した2人が共演か〉(NEWSポストセブン)

「間違ったように描かれるのは凄く嫌」

 その後、望月氏から「河村氏が会いたがっている」との意向が相澤氏に伝えられ、8月10日に相澤氏と赤木さんが上京。河村氏、望月氏と四者会談が行われた。

 赤木さんはこう訴えた。

「これまで財務省に、散々真実を捻じ曲げられて来たんです。だから、(映画の登場人物が)明らかに私だとわかるのであれば、多少の演出はあるにしても、できる限り正しく伝えて欲しい。間違ったように描かれるのは凄く嫌なんです」

 両者にはいくつかの対立点があった。例えば、赤木夫妻に子供がいたという設定にしようとする制作側に、もし子供がいれば決してああいう展開にはなっていなかったと反論する赤木さん。NHKという巨大組織を辞めて森友事件を追い続ける相澤氏に、夫との共通点を感じて連絡したのだから、女性に置き換えるのはいいが、根幹部分は変えないでほしいとも主張。映画『新聞記者』の続編では、余りに真実とかけ離れているのではないかと疑問を呈した。河村氏はこう釈明した。

「どうしても気になる設定があれば変えられます」

「脚本をある段階でお見せして、そちらが納得できるようにします」

「配役が決まったら、ご主人役と、雅子さん役と、私と監督でお墓参りしたい。礼儀として必ず実行します」

 夫・俊夫さんを演じる候補は「『北の国から』の吉岡秀隆を考えています」と明かしたが、最後に引っかかったのがタイトルだった。あくまでも『新聞記者』にしたいと主張する制作側に対し、赤木夫妻がモチーフならば、映画『新聞記者』とは切り離すべきではないかと相澤氏は訴えた。最後は河村氏が「私もタイトルが『新聞記者』のままだとまずいなと思っていた。『私は真実を知りたい』というのが本質ですから、それをタイトルにするようにします」と明言した。

望月氏に話を聞くと……

 ところが以後まったく制作側から連絡はなく、9月15日の発表数日前に急に河村氏から赤木さんにメールで「あくまでもフィクション」なのでタイトルも『新聞記者』のまま、赤木さん側の要望は聞き入れずに作る旨が一方的に宣告された。

 相澤氏が語る。

「会いたいと言ってきて、話し合いを重ねた挙句、折り合えないとなると、『フィクションだから勝手にやる』と言うのはあまりに乱暴で不誠実。フィクションなら最初から打ち合わせの必要もなければ、脚本を見せる、墓参りをする、などの約束の必要もなかったはずです」

 これでは、望月記者らしき人物を米倉が演じる『新聞記者』のために赤木さんの事件を都合よく利用したくて近づいた、と言われても仕方あるまい。

 望月氏に聞くと書面で「作品の内容は知りません。雅子さんのご要望は河村氏に伝えてきました」などと回答。河村氏に聞いた。

――赤木さん側のご理解を得られた?

「既にメールを赤木さんにしっかり出していますから」

 これが立派な「新聞記者」のやり方?

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月1日号)

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