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日本学術会議問題、情けない論点のすり替え

菅首相が日本学術会議が推薦した会員候補者のうち安保法制に反対していた6名の学者の任命を拒絶したいわゆる日本学術会議問題について、これまで安倍政権擁護を繰り返してきた右派系・保守系の論者が、日本学術会議の体質批判を繰り広げて論点のすり替えに躍起になっている。

彼らの言い分をまとめると、①内閣総理大臣は会員の任命権を持つので当然団体からの推薦者を拒絶する権利がある、②軍事目的のための科学研究を行わない日本学術会議は左に偏った団体だ、③意思決定も閉鎖的で問題がある団体だ、④政府が金を出して首相が会員を任命しているのだから政府に歯向かうのはおかしい、⑤こんな団体は組織改編するか潰してしまえ!ということである。

しかしながら、彼らは、仮に野党が政権を取って保守系の学者を学術会議から排除したら、「学問の自由を守れ」、「やっぱりサヨクのやっていることは中国共産党と同じで独裁だ!」と大騒ぎすることだろう。まあ、根っこにあるのはサヨクがやることは何でも許せないので何が何でも否定したいという幼稚な意識なんだろうけど、、。

私の意見は、上記の①に関しては法律的には微妙で訴訟になった場合の勝負は予測がつきにくい部分がある、②については「軍事目的のための科学研究を行わない」のは日本学術会議設立当時の国是であり憲法の精神にも合致しているので、日本学術会議がそのような方針を持つことは仕方がない、③に関しては問題があることはたびたび指摘されているので組織の在り方を問うことは問題ない、④そんなことを言ったら国立大学では時の政権与党に都合が良い教育しか行われなくなる、⑤組織の在り方を問うことと学術団体の政府から独立性担保は別の問題であり、理由なしに政府に批判的な学者の任命を拒絶すべきではないということである。

研究内容や人選、組織体制など日本学術会議の在り方については議論すべきだと思うが、菅氏は学術会議の在り方に言及するわけでもなく、政府からの独立性が保たれるべきとされている学術機関の人選に前例を破って介入し、説明なしに自分の気に入らない学者を排除しただけである。(今回はそうでない人も多いので)一部の右寄りの人たちが、こんなにレベルが低くてアカウンタビリティのかけらもない(自称共産圏か旧共産圏の)独裁国家の指導者がやるような行為を一所懸命擁護するのは見ていて哀れだ。私は、少なくとも菅政権が進める押印手続き廃止に反対する気はないが、彼らにも少しは中立的にものを考えてもらいたいと切望する次第である。彼らのやっていることは日本の民主主義レベル低下に加担しているだけだ。自分が好きな政権を応援したい気持ちは分からなくはないが、何が何でも応援することは政権のためにならないだろう。

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