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「ようやく国民に政権交代の選択肢訴える事できる」立憲民主党枝野幸男代表



細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・新生立憲民主党枝野幸男代表に今後の戦略を聞いた。

・総選挙は与党との一騎打ちの構図を作ることが重要。

・国民に自信を持って選択肢を訴えられる状況ができた。

今週は、新生立憲民主党代表の枝野幸男衆議院議員を迎え、政治ジャーナリストの細川珠生が、今後の党の戦略について話を聞いた。

9月15日に野党系の合流新党として、新しい立憲民主党が結党された。代表選を経て、枝野氏が改めて党代表に就任。

細川氏は、野党勢力の結集への期待と共に、「数合わせでないか」という世論の厳しい見方もあると指摘した上で、これまでの立憲民主党と一番違うところはどこなのか聞いた。

これに対し枝野氏は「今回の合流に合わせて新しい綱領を作ったこと」とした上で、「これまで若干曖昧さが残っていた自民党と何が違うのか、という部分を、綱領で明確に出来た」と述べた。

また、「過度な競争など、自己責任を迫るような新自由主義的な路線と完全に決別をして、支え合い、機能する政府という方向性を明確にした。その旗のもとに皆が結集した。目指していく方向と、自民党との違いが分かりやすくなった」と述べた。

次期衆院選が近いと言われている。そこで細川氏は、新しい立憲民主党の中でも選挙区調整が必要なところがあるのではないかとして、国民民主党の候補者がいる選挙区には原則として候補者を立てないのか、また、共産党との選挙協力はどうするのか、聞いた。

枝野氏は、「首班指名選挙で『枝野』と書いた勢力は政権を変えようと思ったらその限りでは連携していただける」とした上で、「しかしそれぞれの党の立場があるので、何がどこまでできるのかはこれからの話だ」と述べて、選挙区調整に含みを残した。

特に共産党とは、「目の前の課題についてはかなり共通しているが、天皇制や日米安保に関して意見の相違があるのは間違いない」と述べ、「それを前提に、どこまで何ができるのかはこれから詰めていきたい」と述べ、共産党との連携について慎重な姿勢を示した。

細川氏が、選挙区ごとに判断が分かれる場合もあるのか聞くと、「参議院の時と違い、すべての選挙区できちっと棲み分けをするのは困難だ」としながらも、「一騎打ちの構造を作り、国民に分かりやすい選択をしてもらう」と述べ、候補者の一本化に努力する姿勢を示した。

次に細川氏が、首班指名で枝野氏ではなく自身の党代表の名前を書いた日本維新の会との関係について聞くと枝野氏は、「日本維新の会は、敢えて申し上げれば自民党より向こう側におり、いわゆる野党勢力とは思っていない」と述べ、「自民党と維新の会は一緒ではないか」と国民に説明したい、と述べた。

それに対し細川氏は、「日本維新の会としては自分たちは野党だと言っている」とし、スタンスがどう違うのか聞いた。枝野氏は、「例えば、通常国会で政府提出法案に対し100%賛成だし、問題や疑問点を指摘しない。かといって事前審査に入っているわけでもない。どう自分たちのの声を届けようというのか」と述べ、維新の会との連携の可能性を否定した。

細川氏が再度、維新の会は協力する相手とは違うのかと聞くと、枝野氏は「自民党と協力している。事実上の与党だと思う」と述べた。

次に、細川氏は新型コロナウイルス感染症の収束と経済の立て直しの両立を図っていかなければならないとした上で、「自民党はおよそ一か月の間、総裁選であわただしく、ほとんどコロナには手が回っていない状態だ」と指摘し、早急に行わなければならないことの中から、敢えて挙げるとすれば何か聞いた。

枝野氏は、「ワクチンや治療薬がある意味一番大事」とし、「医療関係者の皆さんや専門家の皆さんに最大限やっていただけるようにサポートしていくしかない」と述べた。さらに政治家としては、「検査を拡大していくこと」が重要だとの考えを示した。「不安だからと言って、全員が受けられるかというとなかなか難しい。医療関係者や介護関係者等、感染リスクが高い方、もしくは高齢者を相手にしている方などに対して、広く、頻度も増やす。検査をしてできるだけそこで早めに感染者を把握していくことが必要だ」と述べた。

また、「更に検査を拡大できるのであれば、旅行に行く、実家に帰る、高齢の両親に会うという時に、完全自費制を見直し、少し安い値段で検査ができれば、安心して帰省ができ、社会が動きやすくなる」と述べた。


▲写真 ©️Japan In-depth編集部

次に細川氏は、学費の無償化は子育て支援だとの見方を示し、自民党の総裁選で教育の話が出なかったが、立憲民主党として教育に関しどのような政策を掲げるのか聞いた。

枝野氏は、「少人数学級、それを支えるために教員を大幅に増やす」ことだ、と述べた。

教員を希望する人が減っている。地方ではなおさらだ。授業の準備に留まらず、部活や事務的な作業などを含めた忙しい重労働低賃金で、将来の補償もない。

枝野氏は「やはり教育は先生の力。先生たちが余裕をもって子供たちに接することができるようになるには、正規雇用の教員を増やして少人数学級にしていくというのが本質的な問題だ」と述べた。

さらに細川氏は、いまだにキャンパスに通えない大学生の問題に触れ、経済全体が上手く回るような策を考えるべきだとした。

枝野氏は、「この半年間で我々は感染防止策をかなり学んできた。大学の大教室授業でもゼミでも、ソーシャルディスタンスをちゃんと取れば、感染リスクは低いということはかなり明らかになっている」とし、「正しい対応をすれば感染は防げることをきちんと周知すること。それでも感染が出たら、それは大学の責任ではない、という社会風潮を作らねばならない」と述べた。

また、「皆、自分のところで感染者を出したら社会的に叩かれると思って抑えてしまう。しかし、大学なら学生に負担をかけるし、社会全体も経済が回らなくなる。結局、自分で自分の首を締めている」と述べ、過度の自粛は改めるべきとの考えを示した。

「感染リスクが下がる方法(を取ること)と、高齢者や持病がある人に対しては気を付けるという、この2つを徹底して周知していかなければならない」と述べた。

最後に枝野氏は、「民主主義は交代の可能性がないと成り立たない仕組み」であるとした上で、「我々野党側の責任もあって選択肢を示せなかった。7年8か月ぶりに安倍政権が終わるのに合わせ、ようやく選択肢として国民に自信をもって訴えられる状況ができた」と述べ、新生立憲民主党の今後に自信を見せた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年9月26日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©️Japan In-depth編集部

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