- 2020年10月02日 08:34
日本学術会議任命拒否 過ちて改めざる、是を過ちと謂う
今日の報道によれば、菅義偉首相は日本の科学者を代表する国の特別機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補者の一部を任命しませんでした。任命を拒否したのは、候補者105人のうち安全保障関連法に反対した法律学者ら6人でした。
ホームページによれば、日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、1949年(昭和24年)、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。日本の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています。役割は、主に以下の4つです。
1、政府に対する政策提言
2、国際的な活動
3、科学者間ネットワークの構築
4、科学の役割についての世論啓発
http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html
1日から東京都内で始まった日本学術会議の総会で、山極寿一会長(京都大学前学長・同日退任)が報告しました。新会長に選出された梶田隆章東京大教授(ノーベル賞受賞者)は報道陣に「極めて重要な問題で、対処していく必要がある。」と述べました。
拒否されたのは、松宮孝明立命館大教授、小沢隆一東京慈恵医大教授、岡田正則早稲田大教授、宇野重規東京大教授、加藤陽子東京大教授、京都大の芦名定道教授の6人で、「学問の自由への侵害だ」などと批判する声が相次いでいます。
このニュースには驚きました。不妊に対する支援の取組みやデジタルへの対応など、菅政権の政策を評価していましたが、こうした強権的な振る舞いは全く評価できません。何をそんなに焦っているのか、理解しかねます。圧倒的な世論の支持がありながら、余裕のない政治姿勢は政権の狭量さを示すものです。前政権からの引継ぎなのか、菅首相自身の判断なのか・・・