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YouTubeを始めた乃木坂46・白石麻衣はどこに向かうのか!? 動画で激変する芸能人のセカンドキャリア



急増する芸能人のYouTubeチャンネル。その使い方は芸能人によって様々ですが、アイドルにとっては、人生を左右すると言っても過言ではない重要なものになっています。その理由やモデルケースを現役の放送作家が考察します。


クロスボーダークリエイター・放送作家の谷田彰吾です! 毎月、芸能人のYouTubeについて考察させていただいておりますが、今月は乃木坂46の白石麻衣さんのチャンネルを取り上げます。『my channel【白石麻衣 公式】』はチャンネル登録者数106万人(9月20日現在)。わずか7本の動画で100万人超えですから、さすがの貫禄です。

白石さんといえば、言わずと知れた美少女軍団・乃木坂46のエース。圧倒的な美貌を誇り、センターを務めること実に5回。まさにグループの顔としてアイドル界の頂点に君臨する乃木坂46を牽引してきました。

そんな白石さんは、従来のアイドル像を変えた存在でもあります。アイドルは異性に対して夢を売る職業というイメージがありますが、白石さんは同性からの支持が非常に高いのです。ファッション誌『Ray』の専属モデルを務めるなど、女性ファンを開拓。その美しさが20代前半の女性の心を掴み「女性がなりたい顔No.1」に何度も選ばれています。

その象徴的な出来事が、空前の大ヒットとなった写真集でした。通常、女性アイドルの写真集といえば、購入層の約9割が男性。女性の購入比率は1割前後というのが相場と言います。しかし、白石さんの写真集『パスポート』の購入者層は3割以上が女性だったとか。男性にとっても女性にとっても憧れの象徴。それが白石麻衣なのです。

余談ですが、実は私、過去に乃木坂46が出演するバラエティ番組の構成に携わっており、当時『白石は私だ!白石そっくりさん選手権』という企画を担当していました。彼女が「なりたい顔No.1」に選ばれた時に放送した企画で、メンバーがメイクで白石さんの顔に近づこうと奮闘する内容。

彼女と打ち合わせをさせていただいたことがあるのですが、他のメンバーとは一線を画す雰囲気があったことを覚えています。自分の考えをしっかりと伝える事ができる自立した女性という印象。プロ意識も高く、バラエティで体を張るような企画でもしっかり活躍してくれました。

前置きが長くなりましたが、白石さんのYouTubeチャンネル開設は、芸能界全体を見渡しても大きな動きになってくるでしょう。それは、YouTubeが芸能人の「セカンドキャリア」を大きく変えるのではないか…ということでもあります。

「賞味期限切れ」はアイドルの宿命

今、YouTube界ではアイドル個人での公式チャンネルが増えています。元乃木坂46の生駒里奈さん、元AKB48の小嶋陽菜さん、小嶋真子さん、元欅坂46の織田奈那さん。現役では、AKB48の柏木由紀さん、峯岸みなみさん、入山杏奈さんやIZ*ONEの宮脇咲良さんなど、ビッググループのアイドルがこぞって立ち上げています。

これまで、アイドルのチャンネルは男女を問わずグループの公式チャンネルが一般的でした。MV(ミュージックビデオ)の公開や、オフショットのアップがメイン。しかし、ここ1年で現役のアイドルが個人のチャンネルをスタートするようになりました。その要因はアイドルという職業の「賞味期限」と大きな関わりがあります。

みなさんはアイドルというと何歳ぐらいの子をイメージするでしょうか? 小学生の頃からデビューする子もいますが、多くが中学高校でアイドルの仕事を始めて、20代半ばを過ぎたあたりでグループを卒業。この流れが既定路線化しています。近年、アイドルグループの長寿化が進み、20代後半まで卒業しないメンバーも増えてきましたが、やはり弾ける若さと初々しさがアイドルの人気の根幹にあると言えるでしょう。

そうなると課題になるのが卒業後のイメージ転換です。女優になるのか? モデル? バラエティタレント? 様々な進路があるわけですが、すべてのアイドルが輝けるわけではありません。アイドル時代はトップクラスの人気を誇っていても、伸び悩んでしまう人はごまんといます。アイドルでなくなった瞬間に芸能界に居場所がなくなってしまう。芸能人としての市場価値の低下、言い方は悪いですが「賞味期限」が切れてしまうのです。

プロ野球選手は引退後の「転職」に悩むと言います。10代の頃から野球一筋ですから当然です。それはアイドルも同じ。いつか必ずやってくる、いわば宿命なのです。

無名のアイドルが女性のカリスマに!? YouTubeがセカンドキャリアを救う!

BLOGOS編集部

そんなアイドルの宿命を解決する切り札こそ、YouTubeだと僕は思います。現役時代からYouTubeを始めておくメリットはいくつかあります。

ひとつは、卒業後に備えてブランディングを行えること。アイドルの肩書きを失う前に、卒業後のキャラクター作りをじっくりと構築していく。そこで評価が得られれば、むしろ価値を上げた状態で卒業を迎えることができますし、スムーズに転職できます。

その象徴的な例が、NMB48の吉田朱里さんです。彼女はアイドルとしては、決して人気街道を歩んできたメンバーではありませんでした。吉田さんは2010年に行われたNMB48のオープニングオーディションに合格した古参メンバーですが、総選挙の順位は、圏外→圏外→50位→72位→64位→77位。

全国的には無名と言っても過言ではない日々が続いていました。しかし、2017年、順位に大きな変化が現れます。なんと、16位にジャンプアップし、選抜メンバーに入ったのです。その起爆剤となったのが、前年に始めたYouTubeでした。得意のメイク動画が人気を博し、女性ファンを獲得。一気に人気と知名度を上げたのです。

吉田さんのYouTubeチャンネルは、今や登録者数80万人(9月20日現在)にまで成長。アイドルの中でも、白石さんに次ぐ登録者数を誇っています。さらに、吉田朱里=メイクという圧倒的なブランディングを確立し、自らプロデュースしたコスメを発売。リップの売り上げは150万本を突破しました。

そして、デビュー10周年の節目でもある今年の10月にグループを卒業します。今後はYouTuberとして活動しながら、コスメブランドのプロデュースを展開。本人が「憧れのアイドルから、次は憧れの女性と言ってもらえるようになりたい」と語るように、アイドルから実業家へと見事な「転職」を成功させました。これはYouTubeを使ったセカンドキャリアの構築としては、素晴らしいモデルケースと言えるでしょう。

他にも、YouTubeを始めておくメリットはあります。アイドルではなく一人の芸能人として見た時に、どんなことができるのかショーケースすること。自分は何が得意なのか、どんなところに魅力があるのか、動画というわかりやすい形でアピールすることができます。今やテレビスタッフはYouTubeからネタを拾う時代。彼らの目に留まればテレビ出演につながり、セカンドキャリアの試金石になるかもしれません。

そして、もうひとつ忘れてはならない大事なメリットは、既存のファンをつなぎとめておけること。アイドルじゃなくなった途端に人気が激減してしまう理由は、イメージの変化もさることながら、メディア露出の減少も大きいと言えます。48グループや坂道グループのような人気グループは、歌番組への出演はもちろん、冠番組を地上波のテレビに持っています。しかし、グループを卒業するとそこには出られず、ファンの気持ちが離れていく一因になります。

そんな時、YouTubeチャンネルがあれば日常的に露出することが可能となります。しかも、それはあらかじめターゲティングされたコンテンツでもあるため、ファンの満足度が高まりやすいとも言えるでしょう。

アイドル以外にも広がる「セカンドキャリア=YouTuber」

Getty Images

セカンドキャリアにYouTubeを使う流れは、アイドル以外のジャンルにも広がっています。特に増えてきているのが、アスリートのYouTuber化。プロ野球、サッカー、ボクシング…様々なプロアスリートがYouTubeチャンネルを開設しています。

YouTubeは視聴者が見たいものを自分で探して見るメディアなので、専門的な知識を持つ人は勝ちやすい。スキルや経験、裏話をたくさん持つアスリートは、まさにうってつけです。

手前味噌ですが、僕がお手伝いさせていただいている上原浩治さんのYouTubeチャンネルも、まさにセカンドキャリアの活動の一環です。元メジャーリーガーの上原さんは去年現役を引退してから、定期的に野球を語る場がありませんでした。しかし、ワールドシリーズを制覇した実績を持つ上原さんの知識や経験は、もっと社会に還元されるべき。そこで、YouTubeを始めることになったのです。開始から半年でチャンネル登録者数は10万人を突破。このように、プロ野球界では今OBがこぞってYouTubeを始めています。

前述の吉田朱里さんのように、現役時代からスタートしていたケースもあります。元Jリーガーの那須大亮さんは、引退の前年にチャンネルを開設。現役時代の更新頻度はさほど多くありませんでしたが、引退後は毎日のように動画を投稿し、YouTuberとしてセカンドキャリアを歩んでいます。チャンネル登録者数は25万人。現役時代からブランディングを構築した成功例だと言えます。

YouTubeを始めた白石麻衣はどこに向かうのか!?

さて、話は戻って白石麻衣さんです。彼女はセカンドキャリアを女優メインでいくようですが、今後YouTubeをどう使っていくのか注目です。と言うのも、現在公開されている動画はわずか7本で、バッティングセンター、料理、ゲーム実況、キャンプ道具の買い物など、ジャンルを絞っていません。ファンクラブの延長線上にあるような動画を出していくメディアなのか、どこかでシフトチェンジするのか…。

個人的には、吉田朱里さんのように、コスメやアパレルといったブランド設立の展開があってもおかしくないと思っています。YouTubeはもう、ただ動画を見て楽しむだけのメディアではありません。「人を動かすコンテンツ」として、ビジネスに応用できます。モデルとしても活躍し、女性から高い支持を得る白石さんなら、そんな展開があってもおもしろいのではないでしょうか。

このように、アイドルやアスリートにとってYouTubeは重要なツールになっています。ここから新たにどんな展開が生まれるのか、みなさんもぜひ注目して見てください!

谷田彰吾
クロスボーダークリエイター・放送作家 / TVクリエイターギルド 株式会社VVQ代表 ドキュメンタリー番組『プロ野球戦⼒外通告』『バース・デイ』、有吉弘⾏、乃⽊坂46、池上彰などのバラエティ番組を構成。YouTubeでは『上原浩治の雑談魂』などを担当。業界の垣根を超えたクロスボーダークリエイティブがモットー。著書『YouTube作家的思考』。

https://vvq.tokyo
・Twitter:@VVQ_SHOWGO

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