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自殺報道はWHOのガイドラインに沿って慎重にも慎重を 個人のSNSでも同様の対応を

9月14日付厚労省からマスコミへの著名人の自殺報道の依頼通知

「著名人の自殺に関する報道は子どもや若者の自殺を誘発する可能性があるため、

WHOの「自殺f報道ガイドライン」を踏まえた報道の徹底をお願いします。」

https://www.mhlw.go.jp/content/000672331.pdf

 日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。

 昨今、相次いで有名芸能人が自殺するという報道に接します。そのたびに、30年以上前のことなのですが、有名アイドルが自殺を図り、その後ファンが相次いで後追い自殺を図ったことを思い出します。

自殺は、個人個人の複雑な事情が絡んだ事案であるとともに、マスコミ等の過剰な報道によって連鎖反応を引き起こす「情報感染症」の側面があると言われています。WHO(世界保健機構)は、「自殺報道ガイドライン」を出しており、厚生労働省では、マスメディアに対して9月14日付で依頼通知を出しています。

同ガイドラインの成果もあり、以前に比べて、自殺の報道ぶりも抑制的で、併せて専門家の意見や相談窓口の告知が行われるようにはなってきました。コロナ禍でもあるので、WHOの指針や厚生労働省の通知等にそって、関係者においては、改めて自殺報道は慎重にも慎重を期して頂ければと考えます。そして、ネット全盛の時代であるので、個々人のSNSの情報発信においても、同様の対応をお願いしたいと思います。

 困ったことがあったら・・・

・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556

・SNSでの相談は https://twitter.com/yorisoichat

●WHOの自殺指針にそった厚労省からのお願い

 厚労省からのマスコミへの依頼通知の概要は以下です。

 https://www.mhlw.go.jp/content/000672331.pdf

「著名人の自殺に関する報道は子どもや若者の自殺を誘発する可能性があるため、WHOの「自殺ガイドライン」を踏まえた報道の徹底をお願いします。」

 《センセーショナルな自殺報道によるリスク》

▼自殺リスクの高い人はメディアの自殺報道の後に模倣自殺を起こしてしまう危険性があること。

▼有名人の自殺や、自らと重ね合わせやすい人(自身と同じ境遇の人など)の自殺は、その危険性が極めて高くなること。(参考「WHO自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識2017年版 はじめに」)

▼新型コロナウイルス感染症の影響で、健康面だけでなく生活面や仕事面でも不安を抱えている人が多い現状においては、さらに自殺報道の影響が大きくなることが懸念されること。

《自殺関連報道として「やるべきでないこと」》

・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと

・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと

・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと

・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと

・センセーショナルな見出しを使わないこと

・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと

《自殺関連報道として「やるべきこと」》抜粋

・どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること

・自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと

・日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること

・有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること

・自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること

・メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること

●WHO自殺報道ガイドライン(2017年版)とは

 厚労省の通知の基になっているWHOの「自殺報道ガイドライン」正式名は「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識」(2017年版)の一部を紹介します。

全文はこちら https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf

▼自殺に関する迷信(myth)と事実(fact)

迷信:自殺について語ることは良くない考えであり、自殺を助長するものと捉えられてしまう可能性がある。

事実:世間に広く存在する自殺への偏見を考慮すると、自殺を考えている人の多くは誰にそのことを話せばいいのかわからない。隠し立てせずに自殺について語り合うことは、自殺関連行動の助長ではなく、その人に自殺以外の選択肢や決心を考え直す時間を与えることができる。結果として、自殺を防ぐことにつながる。

迷信:自殺について語る人は自殺するつもりはない。

事実:自殺について語る人は、外側に向けて助けや支援を求めているのかもしれない。自殺を考えているきわめて多くの人が、不安、うつ、絶望を感じており、自殺の他に選択肢がないと考えている可能性がある。

迷信:自殺を考えている人は死ぬ決心をしている。

事実:反対に、自殺を考えている人は「生きたい」気持ちと「死にたい」気持ちの間で揺れ動いていることが多い。例えば、農薬を衝動的に飲んでしまい、生きたいと思っても数日後に亡くなることがある。正しいタイミングで情緒的支援にアクセスすることができれば、自殺を防ぐことができる。

迷信:自殺の多くは何の前兆も無しに突然起きる。

事実:自殺のほとんどの事例で自殺前に、言葉か行動に周囲の人が気づくような兆候(warning sign)を示していた。もちろん兆候無しに起きる自殺もある。しかし、周囲の人が気づくような兆候とはどのようなものかを理解し、それに注意を払うことが大切である。

迷信:一度自殺を考えた人は、ずっと自殺したいと思い続ける。

事実:自殺リスクが高まることは一時的なものであり、その時の状況に依存することが多い。自殺念慮が繰り返し起きることはあるかもしれないが、長く継続するものではなく、過去に自殺念慮や自殺未遂があった人でも、その後の人生を長く生きることができる。

迷信:精神疾患のある人だけが自殺を考える。

事実:自殺関連行動は深い悲しみや不幸を示すものであるが、必ずしも精神疾患があることを示すものではない。精神疾患がある人の多くは自殺関連行動を示すことはなく、自ら命を絶った人すべてに精神疾患があった訳ではない。

迷信:自殺関連行動は容易に説明することができる。

事実:自殺は単一の要因または単一の出来事から生じた結果ではない。人を自殺へ追い込む要因は多様かつ複雑であることが多く、単純化して報道すべきではない。自殺関連行動を理解しようとする上では、保健、精神保健、ストレスを感じるような人生の出来事(stressful life event)、社会的要因、文化的要因を考慮する必要がある。衝動性の存在も大きな要因である。

精神疾患はその人の生活上のストレス要因や人間関係の葛藤に対処する能力に影響を与えることがあり、精神疾患のある人は自殺のリスクが高くなる傾向にある。しかし、精神疾患だけで自殺を説明しようとするのは不十分である。ほとんどの場合、自殺は試験の失敗や人間関係の破綻といった、特定の出来事が原因であるという誤解につながって行く。死因がまだ十分に解明されていない状況では、原因やきっかけについて時期尚早な結論を出すのは適切ではない。

迷信:自殺は困難な問題を解決する適切な手段である。

事実:自殺は問題対処の建設的または適切な手段でもなければ、深刻なうつ状態への対応や苦しい生活状況に対処する唯一の方法でもない。

自殺念慮の経験を持ちながら苦しい生活状況に上手く対処できた人の報道記事は、現在自殺関連行動を考えている可能性のある人へ、実行可能な他の選択肢の存在を示すことができる。また自殺は家族、友人、コミュニティー全体に甚大な影響を与える。

そうした人々は自分が見逃した兆候があったのではないかと戸惑ったり、罪や怒りの感情を引き起こしたり、汚名を着せられた、あるいは社会から見捨てられたと思ったりすることがある。このような複雑な力動を慎重に追及する自殺報道は、悲しみに暮れる遺族を非難することなく、遺族へ適切な支援を提供するために必要なものを人々に伝えることができる。

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