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コスト削減のために奔走し、結果として収益性を悪化させてしまう「職人型」経営者の愚

「予算がこれだけしかないので何とかしてほしい」と言われて、レンタルサーバ、レンタルスタジオなど定価ベースの外注費の部分は何とも調整不能なため、自社の人件費ベースのところで調整したり、形になりにくいディレクション費用を削るなどして対応することで、結局収益率を悪化させてしまう事案は制作系の会社をやっている方々には共通する悩みかと思います。

一番悩ましいのは、自分で作ることができる「職人型」の経営者がいるような会社(まさに自分の会社な訳ですが…苦笑)において、通常よりも安く仕上げるために交渉時間が増加したり、スタジオや起用する人材のランクを下げることにより、直しの手間や間違いが多いなど仕事のクオリティを維持しようとして働くことが逆に首をしめている場合もあるということ。

制作事案には必ず予算枠がついて来ますが、この金額にかかる時間から割り出す人件費的なものや案件管理上必要なコストなどを考慮すると、その金額設定に無理あるだろう…という事案に出くわすことも少なくありません。

このような予算が確定している背景に金額面に具体的な根拠があるわけではなく、請ける側も断る勇気が必要な場面もあるでしょう。

ただ、こんなご時世ですから仕事は出来るだけ断らずにおきたいというのは、会社を回している人間なら正直考える事ですし、この辺の判断基準を普段から持っている事の大切さをひしひしと感じている今日この頃でして、

ソフトの時代というような表現を見聞きするようになって相当な年月経過していると思いますが、プラニングやディレクションの部分に対しての費用をちゃんと負担してもらええる事案を開拓、抱えていけるように自社を成長させないと、作業ベースの品目で売上数字を確保しようとするとほんと大変な時代になっていると痛感しています。

年収300万時代とか、低所得でどう豊かに暮らすかという話題が人気を博したりする反面、初任給で1000万を越える待遇の仕事があったりと、収入に関しても2極化が進んでいてどこのポジションから見たり語ったりするかで意見がすれ違うこともありますが、
家族をもって子供を育てていこうという状況において、それなりの待遇を得ようと思えば自身や子供の能力を高める必要あり、これにはそれなりの教育を受ける必要が発生します。

そして、そこに必要なお金を、サラリーマンなり自営なりで稼いでいこうとして具体的な数字を割り出すと「こんなにお金かかるのか」と絶句(苦笑)

バブル世代最終組が30年前は想像もしなかったような状況下で社会で生き残っていくのも大変だと思いますが、若い世代の人たちもこれからの長い人生どうやったら生活が上向くのかというところで希望がないとこれまた辛い側面あると思うわけです。

うまくシステムの中にはまって人生設計が出来上がっている人と違って、フリーランスとか独立自営しちゃったような人たちの生き残りはこれからどうなるのか、景気が上向いて一息つける時がまた来ればいいですけど、若いときに想像するのが難しかった、40代~50代に必要になるお金のこと、60代以降になるとその年令でまず働き続けることができるか?というような厳しい現実がある程度具体的に見えてきた今だからこそ思うことがいろいろありまして、

こういう心配をしないために身分保障がしっかりした仕事に従事するのは確実な方法ではありますが、多くの人間が暮らす社会システムの中で全員がそういう待遇を得られるわけではないので、そこをサバイバルできる素養の有無はいざという時に決定的な違いをもたらすような気がします。

サバイバルには体力が必要ですが、適切な判断力ももっと大切なはず。なので、やるべき仕事、やらない仕事の判断がつけられない経営者は生き残りできないのかもしれませんね。

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