記事

「枕営業はしない」と誓った自称アイドルプロデューサー 実際に女の子と出会ったらヤりたい気持ちに負け犯罪の道へ

1/2

裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火です。今回傍聴したのは、自称音楽プロデューサー・清成啓貴被告人(26)が、未成年の少女に対して自身の立場を利用し、彼女たちにわいせつ行為をした事件。枕営業をちらつかせたわけですね。

罪名は、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反と、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反となります。

起訴されたのは4件。1件目は、2019年10月5日の12時〜12時30分。東京都練馬区内の被告人の自宅でAさん(16)が18歳未満と知りながら性交をした件。

2件目は、2019年12月24日の午前11時〜午後3時、こちらも場所は練馬区内の被告人の自宅でBさん(16)が18歳未満と知りながら性交をした件。

3件目は、2件目の事件の際、Bさんとの性交をスマートフォンで撮影し児童ポルノを製造した件。

4件目は2019年の大晦日、午後2時30分から夜7時。Bさんとの性交を撮影して児童ポルノを製造した件。4件中3件が同じ女性絡みになっていました。

検察官の冒頭陳述です。

検察官「被告人は大学卒業後、運送会社に勤務。その後派遣会社に登録して倉庫作業員となりました。まだ解雇はされていません。被告人は4年前から自称プロデューサーとして活動を行っていました」

「自称」という検察官の言い方がなかなか意地悪な表現ですが、被告人は音楽のプロデューサーをしていたようです。

ネットで検索して調べてみると「HIROKI」名義で歌手活動をしていた人物で、作曲もしていました。「New Legend Created Label」というレーベルを作って女性歌手やガールズバンドのプロデュースをしていたようです。YouTubeにこのレーベルの公式チャンネルも存在していました。動画は1本もアップされていませんが…。実績がハッキリしてないため「自称」という言い回しだったのでしょう。

検察官の冒頭陳述に戻ります。被告人はSNSで様々な女性に声をかけ、去年の11月中旬、Aさんと知り合いました。歌のレッスンという名目で自宅に呼び、Aさんをベッドに押し倒して性行為をしました。

取り調べに対しAさんは「TwitterでDM を送ったら『私はフリーのプロデューサーだ』と言っていた。電話で16歳であることも伝えました。さらに『みんなやっているけどもっとできる?』と性的な話をされて、自宅に行くことに。被告人の自宅にはこれまでプロデュースしたアイドルのCDがいっぱい並んでいました。『アイドルはみんなやっているけどできるよね?』と言われ、イヤだったが受け入れないとCDを出せない、アイドルになれないと思い応じてしまった」と供述しているそうです。

続いてはBさんの調書。取り調べに対し「知人から、アーティストを目指す人を探している人物のことを教えてもらい、自ら被告人に連絡を取りました。レッスンをするということで被告人の自宅へ行くと『あなた(Bさん)のために曲を作ったからやらせてよ』と言われた。抵抗しましたが諦めて性交に応じました。被害を訴えると被告人から『甘く見ているとガチで怒るから、今に見てろよ』とメッセージが届いた」と述べているそうです。被告人を紹介した知人は相当落ち込んでいるでしょう。この人物については後ほど被告人質問の中で取り上げられることになります。

被告人は取り調べに対し「拒んだAに『甘く見るな、芸能界ではみんなやっている』と言った。私は以前、音楽業界で枕営業が行われていることを知り、自分はそんなことをしないプロデューサーになろうと思った。しかし、女の子に色々教えたり人脈を作ったりしてあげても逃げていく人がいて、その見返りでなんかやってやろうと思いやってしまった」と言っているそうです。

枕営業の話を聞いた時は「そんなことには手を染めない」と誓っていたのに、それがプロデュースの途中で逃げていく女性に憤り、性行為を求めるようになった。被告人としてはせめてもの報酬としての性交渉という感覚だったのかもしれません。

「実際にお会いしたらヤりたい気持ちが強くなりました」


法廷には実家の京都からやって来た被告人の父親が情状証人として出廷。弁護人の質問に答えています。

弁護人「どれくらい会っていましたか?」
父親「月1回くらいです。電話もしていました」
弁護人「息子さんがプロデュース活動をしていることはご存知でしたか?」
父親「知っていました。うちの息子は歌手を目指していたけど、プロデューサーをやるようになっていました」

音楽は音楽ですが、裏方にまわったと。

弁護人「未成年者を対象にプロデュースしていることは知っていましたか?」
父親「知っていました」

父親もそこまでは把握しています。

弁護人「今の生活は?」
父親「週5で仕事をしていて、それ以外はテレビを見たり、読書をしたりしています」
弁護人「今後はどうして欲しいですか?」
父親「芸能界から足を洗って自立してもらいたいです」

そもそも芸能界にいたのかというのもありますが、音楽関係の仕事には就かせないということでしょう。続いて検察官からの質問です。

検察官「なぜ撮影したのか、本人から聞きましたか?」
父親「聞きました。自慢したかったと言っていました」

被告人が父親に漏らした「自慢したかった」の意味は、このあと明らかになります。

続いて被告人質問です。

弁護人「なぜAさんと性交したんですか?」
被告人「成り行きでさせていただきました」
弁護人「なぜ自宅で?」
被告人「自主レーベルということもあってファミレスで打ち合わせをしていました。自宅には録音用マイクなどの機材があります。Aさんには納得の上で自宅に来てもらいました」

弁護人「成り行きで性交というのはどういうことですか?」
被告人「男女が密室の空間にいるということで、そういうことになりました」
弁護人「なぜそれが性交になるんですか?」
被告人「私としてはプロデュースしたい気持ちもありましたが、実際お会いしてみると次第にヤりたいという気持ちが強くなりました」

コントみたいな話です。

弁護人「これまでもセックスしないとプロデュースしなかったんですか?」
被告人「そんなことありません。(プロデュースは)ちゃんとしていました」
弁護人「相手が未成年と分かった上で性行為に及んだのはなぜですか?」
被告人「自身の欲求を満たしたい気持ちが勝りました」

本当にプロデュースする気があったのか? という疑問は残りますが罪を認める内容でした。

枕営業ではなく付き合っていたと主張

弁護人「Bさんとはどういう関係でしたか?」
被告人「お付き合いをしていました」
弁護人「Bさんは未成年ですよね?」
被告人「好きという気持ちがありました」
弁護人「告白したのはどちらですか?」
被告人「私の方からです。12月21日でした」

若いからなのか付き合った日と告白した日を覚えているようです。事件はクリスマスイブに起きました。

Bさんに関してはAさんのケースとは少し状況が違います。プロデューサーとアイドルの関係ではなく、交際していた彼氏と彼女という関係。被告人は12月21日に告白して交際をスタートさせていますが、検察官は12月24日と12月31日の件を起訴。弁護人としてはその日の状況確認です。

弁護人「Bさんの反応は?」
被告人「恥ずかしそうでしたが『彼と別れてもいいですよ』と」
弁護人「12月24日ですけど、セックスのきっかけは?」
被告人「自宅で話している時に私の気持ちが高まって。Bさんも手やお腹を触ったりしてきたので、そういう行為に流れてしまいました」
弁護人「Bさんの反応は?」
被告人「恥ずかしそうでしたが『いいよ』と」
弁護人「では大晦日は?」
被告人「(この時点で)私は普通にお付き合いをしていたので、自宅に来ています」
弁護人「この日のきっかけはどちらからですか?」
被告人「24日と同じで、触ってきたのはBさんでしたが、口に出して言ったのは私です」

18歳未満であると認識はしていたものの、脅迫はしていないため無理矢理ではない。もちろん金銭の授受もないというアピールです。あくまでも付き合っている2人だと主張しています。

そして性行為中の撮影に関しては、次のようなやりとりが行われました。

弁護人「その時に行為自体を撮影したのはなぜですか?」
被告人「『撮っていいよ』と言われたので」
弁護人「なぜその動画を友人に送ったのですか?」

撮影した時点でダメですが「友人に送った」と聞いて驚きました。検察官の冒頭陳述でも出ていない話です。

被告人「こんな可愛い子と付き合っていると言いたくて。LINEで送りました」

さきほど被告人の父親が「自慢したかったと言っていました」という発言の真意はここにあったのでしょうか。それにしても普通に服を来たBさんの写真ではなく、こういう動画を送信して付き合っていることを伝えるというのはどういう感覚なのでしょうか。

弁護人「今、被害者に対して思うことはなんですか?」
被告人「家族と話して、反省を深めてとにかくお金を支払いたい。償いたいと思います」
弁護人「連絡先は分かりますか?」
被告人「刑事さんの目の前で連絡先をすべて消したのでわかりません」
弁護人「でもSNSで連絡を取れるのではないですか?」
被告人「Aさんに関してはわかりませんが、Bさんに関してはアカウント名を覚えてしまっています。Bさんに変えていただかないといけないですが連絡はしません」
弁護人「今後、歌手やアイドルのプロデュースはどうしますか?」
被告人「もうしません。今回のことで怖くなったので。SNSもネットの怖さも知りました」
弁護人「今後、女性関係はどうしますか? これまで未成年ばかりと接していたようですが…」
被告人「もう母と妹以外とは接しません」

「未成年の女性には近付かない」と約束するのが自然な流れでしょう。「母親と妹以外の女性と接しない」と言うのはふざけているようにしか聞こえません。もちろん一生涯ではなく、「良い人が現れればその女性とお付き合いするかも」と付け加えていました。

あわせて読みたい

「性犯罪」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ナイキ多様性広告 日本で大反発

    BBCニュース

  2. 2

    PUFFY亜美を選んだTERUの離婚劇

    文春オンライン

  3. 3

    「鬼滅の刃」米で成功の可能性は

    田近昌也

  4. 4

    「小泉さんの仕事」橋下氏が指摘

    橋下徹

  5. 5

    宗男氏 礼儀ない野党議員を非難

    鈴木宗男

  6. 6

    セルフレジが「改悪」になるお店

    内藤忍

  7. 7

    吉村知事の苦言に「ブーメラン」

    女性自身

  8. 8

    秋篠宮さま誕生日に職員2名辞職

    文春オンライン

  9. 9

    マスク勧めない国 感染増の現在

    文春オンライン

  10. 10

    扇動行為ない周庭氏を封じた中国

    新潮社フォーサイト

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。