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「安倍政権下で野党勢力は方向性が間違っていた」枝野氏がめざす政権交代の形

共同通信社

立憲民主党の枝野幸男代表は23日、日本外国特派員協会で会見に臨み、新党が今後どのように政権交代を狙うのかなどについて語った。

そのなかで、枝野氏は安倍政権の7年8カ月の間、野党勢力は「方向自体、明確に間違いだった」と振り返る場面があった。

新・立憲民主党はこれまでの野党と「明確に違う」

AP

枝野氏はまず「これまでの野党と新しい立憲民主党は何が違うのかと指摘を受けることがあるが、明確に違っている」と切り出し、新党の方針を説明した。

これまでの野党は、自民党が新自由主義的に競争を過度に重視し、国民に自己責任を迫る政策を進めるのに対し、違う方向性を示しながらも“小さな政府”的な改革にも「色目を使ってきた」と姿勢が中途半端だったことを認めた。

一方で、新党では明確に「支え合う社会」と銘打ち、相互の国民同士の協力によってさまざまなリスクや障害を乗り越えるために、政府が積極的な仕事をするという立ち位置を明確にしている。

その立ち位置のもとで、新型コロナによって深刻な状況に陥る国民生活の立て直し、この30年の間に拡大した社会の格差と分断の解消、消費低迷の改善、の3つの実現を掲げることで政権の選択肢をめざす考えを示した。

野党勢力は方向性自体、明確に間違っていた

枝野氏は、安倍政権の7年8カ月の間、“目新しさ”を打ち出すことによって安倍一強体制を崩そうとしてきた野党勢力について「その方向性自体、明確に間違いだったと思っている」と振り返った。国民が政治に求めていたのは安定と安心であり、「そこに目新しさを売り込んでも安定、安心は生まれない」とし、支持を得られなかった背景を分析している。

当面の目標については、政権ではなく「政権の“選択肢”をめざす」という言葉を使い、まずは次の選挙の公示までに「選択肢として認められる」段階に至りたいとした。

また政権交代をめざすにあたっては、2009年からの民主党政権の記憶から不安、不信感をもつ国民が多いと指摘を受け、枝野氏は以下のように語っている。

色んなことをやりたいし、やれると思って同時に全部やろうとした結果として、どれも中途半端になってしまった。(現在の)私はまさにリアリズム。しっかり現実的に何をどういうプロセスで実行できるのかということをしっかり踏まえたうえでないと無責任なことは言わないと、その後7年8カ月の間やってきましたし、これからもやっていきます。

まさにこの姿勢を感じていただければ、今度は『できることしか言わない枝野』だと信頼していただいて、払拭できると思っています。

二大政党制になるには自民党に匹敵する“足腰の強さ”が必要

共同通信社

米国のように民主党と共和党から交互に大統領が出るような二大政党制をめざす考えについて問われ、枝野氏は自民党に匹敵する「足腰の強さ」が必要だと説明した。

自民党の地域における運動量、活動量、地方議員を含めたネットワークは、野党と比較にならないくらい強いと指摘。野党側もその強さを整えない限りは、二大政党的な構造は作れないとしている。

野党内の連携については、社民党とは1年にわたり国会で会派をともにするなど同一行動をとっており、「完全に近い形で選挙も含めて連携していける」という認識を示した。
共産党は、天皇制、日米同盟に対する考え方では考えが違うものの、日本における当面の課題については相当の共通点があるとし、連携に向け双方が最大限の努力をしていくと述べている。

将来にわたって消費税を上げることはまったく考えていない

消費増税について問われると、「少なくともいま、私が視野に入っている将来にわたって消費税を上げるということはまったく考えていない」と述べ、増税の意思を明確に否定した。強化すべきは法人税、富裕層に対する所得税、金融所得課税だとしている。

反対に消費減税の考えについては、「いまの社会状況であれば本来それが望ましい」と説明。一方で、減税をアナウンスしてから実際に下げるまでの間に消費が冷え込む可能性があり、ハンドリングが非常に難しいと語った。

金融政策について、自民党と同じような政策をとるのかという質問には、「これだけ緩和している状況を簡単に変更することは、誰がやってもできない」とし、財政規模の縮小も不可能な経済状況だと見解を示した。

財政規模は維持、あるいは場合によっては拡大しながら、使い道をより効果的なものにし、経済を着実な成長軌道に乗せ、そのプロセスを踏んだうえで金融・財政の基本方針を変えていきたいとしている。

脱原発、辺野古移転など重要政策は

Getty Images

原発については、「原子力エネルギーは発電に使わないという方向に向けて、できるだけ早く実現する」と立場を明確にした。
エネルギーの供給量や価格については、自然エネルギーの成長によって時間の問題で解決できると説明。一方で、使用済み核燃料の扱い、原発受け入れ地域の未来や関連する雇用をどうするのか、また廃炉や使用済み核燃料の保管には原子力関連の技術、知識は発展させなければならず、リアルな課題と正面から向き合って取り組む必要があると指摘している。

沖縄県の辺野古基地移転問題については、辺野古の新基地を建設しなくても、米国の西太平洋におけるプレゼンスを維持することは十分可能だという認識を明らかにし、工事を一旦停止したうえで、米国と協議、合意の末に中止をめざすと説明している。

「防災服を着た私に対しては一定の信頼をいただけたと自負」

共同通信社

政権交代をめざすにあたって、旧民主政権の経験から不信感をもたれていることは認めつつ、枝野氏は「その3年3カ月のなかにおいても、防災服を着ていた私に対しての一定の信頼は国民のみなさんからいただけたと自負している」と自信もみせた。

最後に日本外国特派員協会側が、2001年に当時の小泉純一郎首相が訪問して以来、この場で現役首相の会見は開かれておらず、安倍首相も招待はしたものの実現しなかったと明かし、枝野氏が首相になったあかつきには会見をすると約束してほしいと呼びかけると、枝野氏は「ぜひ来年の今頃くらいに来たいと思います」と笑顔で応じた。

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