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毎年800億円のカネが生まれる休眠口座

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ニコニコ生放送とBLOGOSがタッグを組んでお送りしている「ニコ生×BLOGOS」 第12回のテーマは「休眠口座のより良い使い道とは?」

10年以上お金の出し入れがない「休眠口座」。その数は、現在1300万件以上、金額にして毎年850億円にもなると言われています。本来であれば、持ち主に返還されるべきお金ですが、およそ500億円が銀行の雑所得して処理されている現状があります。

そこで政府は、休眠口座を社会のために活用しようというアイデアを出し、2014年度に正式にスタートすることが決定しました。今回の放送は、休眠口座とは何かをあらためて考えるとともに、現在の政府決定以上に適切な使い道はないのか、ゲストに、民主党の鈴木寛参議院議員、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏を迎えて、徹底議論しました。

【出演】
司会:大谷広太(BLOGOS編集長)
アナウンサー:木次真紀(元山陰放送アナウンサー)
コメンテーター:須田慎一郎(ジャーナリスト)
ゲスト:鈴木寛氏(民主党・参議院議員)
駒崎弘樹氏(NPO法人フローレンス代表理事)

銀行の収入にすべき?国のために使うべき?

木次:休眠口座とはどういったものなのか説明させていただくと、銀行や郵便貯金に口座を作ったあと、長い間、お金の出し入れをしていない口座のこと。これが休眠口座なんですね。で、この休眠口座に預けたお金というのは、もちろん預けた方のものなんですが、中には忘れていたり、本人が亡くなってしまっていたり、また何かの事情で預けてはいるんだけれども引き出せないということもあります。そこで政府は、眠っているお金をそのままにするよりも、国のため、経済のために使ったほうがいいのではないか。こういうことを提案したわけなんですね。

それでスタートしたのが、休眠口座のお金の使い道について話し合う有識者会議です。この会議では、「東日本大震災で被災した子供達の教育に使いましょう」とか、「社会福祉に使いましょう」といった意見が出されました。その結果、政府は、10年以上出し入れをしていない休眠口座の預貯金を2014年度から法的に活用するという方針を正式に決定したわけです。スタート時は、500億円から600億円規模を想定していまして、使い道としては、ベンチャー企業、NPO、震災などでお金に困っている企業へ、低金利での融資や出資などを想定しているということなんですよね。

須田:この休眠口座になぜ焦点が当たったのか、少し補足説明をさせていただきます。今、休眠口座がどういう風に処理をされているのかというと、税務署や国税の指導もありまして、10年以上経ったものについては、一旦利益として計上しなさいと。そのうち、法人税を納めなさいという税務署の指導があったために、銀行は利益にしているんですね。

そうすると、「元々、預金者のお金だったものを、銀行は懐に入れてるの?」という批判も少なからずでてくる。だとすれば、それをもっと、社会のために使うべきじゃないのか…というのが、そもそもこの問題の背景にあるんですね。

大谷:この問題でふと気づいたんですけど、自分も学生時代にアルバイトをやっていて、そこで口座を作ってくれって言われて作って、多分、数百円とか残っているような口座が複数あると思うんですよね。話によると、統計上、日本人は平均で、1人10口座前後を持っているというのがあるんです。海外では、1つか2つらしいんですけど、日本人はたくさん口座を持っていますので、それがチリも積もればで、ものすごい額になっていて、そこをどうしようかというお話が最近でてきたんですね。

木次:その金額っていうのが、年間でどのくらいでているんですか?

須田:800億円って言われているんですよ。

木次:毎年、毎年?

須田:ええ。毎年、毎年、休眠口座で処理をされているお金がそのぐらい出てくるんだと。というところで、このお金の使い道の是非を言うよりも、そもそもなんでこういう議論がでてきて、使い道のないお金があるとするならば、それを有効に活用する。それは私も大賛成なんですけど、その使い道を含めて、駒崎さんに伺いましょうか。

駒崎:国の会議で、休眠口座を活用した新しいセーフティーネットを作ったらどうかという提案をさせていただいたのが2011年でした。それを2012年に取り上げてくださったっていう経緯の中で関わりをいただきました。

元々ですね、我々はNPOで、貧困状態にある1人親の支援をしてきたんですけど、その中でふと気づいたのが、貧困状態にある家庭の人達がお金を借りる場所がないなと。銀行はもちろん貸してくれないですし、あるとすれば消費者金融ですよね。

しかし、消費者金融というのは、厳しいですし、利子も高い。闇金になるともっと高いですね。そうなると、これはかなり厳しい状態になるなと。だから、「子供が塾に通いたい」とか、「学校に入りたい、でも入学金は?」と思った時に貸してあげることができれば、どれほど助かるだろうにと思ったんです。そんな時、ある外国の人から「うちの国に、休眠口座を使って少額融資をする仕組みがあるんだよ」と言われて、「それを日本でも出来ないかな」と思って、調査し始めたのがきっかけだったんですね。それから色々なNPOの人たちが興味を持ってくださって、今はNPO業界全体で、この休眠口座を使って、社会的によりよい融資や投資をしていこうじゃないか…という雰囲気になりつつあります。

木次:政府への提案者ということですか?

駒崎:みんなで提案していますので、提案者の1人ですね。

須田:今、駒崎さんのお話を伺って思ったのは、逆から考えてみると非常に分かりやすいんじゃないのかなと。今、日本国内においてお金を借りたいんだけど、借りられない。かといって、所得が少ない、あるいは資産が少ないということでお金が不足している人たち。そういったところにお金を提供する、融資をする、資金提供するということが、ほとんどないんですね。

かつては、消費者金融やヤミ金が、弱者金融の最たるものだったんですが、「そこに任せといて大丈夫なんですか?」という問題提起があるんだろうなと。そうすると、経済的に恵まれていない弱者にどうやってお金を出していけばいいかという中で、休眠口座を活用できないか?そういったお話ですよね?

木次:鈴木さんも大きく頷いてらっしゃいますが、今回は与党代表という雰囲気でお越しいただいた雰囲気もありますけど、いかがでしょうか?

鈴木:一番最初の場は、「新しい公共推進円卓会議」。ここで、駒崎さんから提案がありました。その会議では、これまで所得から経費として引いていた日本の寄付税制を、税額控除というものに変えました。これは寄付文化を作っていこうという意味があります。それと同時に資金調達ができない。そういう中で、駒崎さんから提案があって、それは是非、前向きに受け止めて進めていこうと。そんなわけで、1年弱ぐらい検討しまして、政府与党としては2014年からやりましょうということになりました。

ただ、使い道ですとか、どういう風に運用していくのかというのは、これからなので、今日の議論を通じて、深めていきたいと思います。

それと、先ほど須田さんが話していたことが非常に重要で、これまで休眠口座は、銀行の雑所得になっていたんですね。それはそのままでいいのか?それとも、世の中のために使うのか?この2者選択の議論なんだということは、みなさんにもご理解いただきたいと思います。

須田:そのへんは、駒崎さんが銀行に、粘り強く説明されたんですよね?

駒崎:そうです。

須田:段々、銀行の理解も広がってきている。そういった意味で言えば、社会的な金融のほうも、盛り上がってきているんじゃないかなあということですよね。

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