- 2012年10月18日 23:57
ソフトバンク米国進出は大丈夫か?ーITU報告が示唆するもの
1/2早速、リンクを辿って報告書本体にたどり着きました。(PDFで全文ダウンロードできます)230ページに及ぶ報告書の第一章「序論」には<最近のICT開発概観>との副題が付き、携帯電話、モバイルインターネットの動向から書き出しています。時代は「モバイル」という問題意識ですね。そこでは、世界の携帯電話普及率は85.7%達し、米国では100%を越えるなど、先進国ではすでに飽和点に達しているとありました。
飽和点に達した米国に進出するソフトバンク。勿論、勝負は、報告書も「まだ飽和点に達していない」と言うモバイルブロードバンドサービスの展開にあるわけですが、広大な国土でネットワークを高度化するのに一体どれだけの資金がいるのでしょうか?そんな疑問が湧く中で興味深く読んだ内容を「徒然なるまま」に仮訳しましたので、メモ代わりにアップします。(長文注意)
・2010−2011年にモバイル契約は途上国で2桁の伸びだったが、全体の伸びは鈍化した。契約数は世界全体で6億件以上増え、ほぼ60億件に達した。増えたのは殆ど途上国である。また、中国だけで10億件に達し、インドも2012年中に10億件に達する。
・世界全体の伸び率は11%で、それ以前は13%、18%だったから徐々に鈍化してる。普及率は前年の78%から85.7%になった。先進国に限ると普及率は122%。先進国の伸びは7%だったが、これは主に米国、ロシアの2大市場での上昇による。とりわけ、米国は他の先進国に比べて比較的、普及率が低かったが20%伸びて100%を越えた。 米露2国を除く先進国での伸びは3%に達しなかった。明らかに先進国におけるモバイル市場が飽和状態にあることを示してしている。
・途上国での力強い成長は、競争激化、サービス向上、手頃な端末によるもので、モバイル通話は固定サービスに取って代わっている。とりわけ、途上国におけるプリペイドの導入は、多くの低収入、low-user層にモバイル通話を可能にした。彼らはポストペイド(後払い)を認められない人々だ。今日、モバイル契約の70%がプリペイド契約であり、途上国に限れば87%に達する。料金も、先進国では低めで安定しているが、全体では過去4年で37%下落した。
・モバイル市場の成長は、プリペイドサービスやより安い端末に加え、モバイルブロードバンドサービスによってさらに続く。今後、数年に亘る最も顕著なトレンドは、より多くの人がインターネット接続に無線ネットワークを使うことになるので、「音声からデータトラフィック」だ。
<Broadband (fixed and mobile)>
・固定とモバイルのブロードバンドサービスの普及は世界的に伸びている。2011年末までに、有線ブロードバンド契約は6億にのぼった。8.5%の普及率で、その前は5.3億件で普及率7.7%だった。同時期に、モバイルブロードバンド契約は40%伸びてほぼ11億件。普及率16%(前年13%)になり、これは固定のほぼ2倍ということだ。
・モバイルブロードバンドサービスの伸びは先進国では23%なのに対し、途上国では76%だった。モバイル通話と違って、モバイルブロードバンドは飽和点に達していない。向こう数年は2桁成長が予想される。この、モバイルブロードバンドの急増は、インターネットアクセスが可能なスマートフォンやタブレットコンピューターの普及と、途上国での高速モバイルネットワーク(3Gかそれ以上)の立ち上げを反映したものだ。
・通信事業者はネットワークを高度化し、世界の都市、地方の人口にリーチを拡大している。2011年末まで、世界で160の事業者が3Gサービスを始め、世界人口の45%が3Gネットワークでカバーされた。
・モバイルインターネットサービスの出現(プリペイドとポストペイド両方)は、途上国でのモバイルブロードバンド契約の急増に決定的な役割を果たした。固定ブロードバンドにアクセスできなかった多くの人にインターネットをもたらしたのだ。第3章で示すが、モバイルブロードバンドサービスは、平均的には、それほど違いはないにしても、固定ブロードバンドより安い。
・とはいえ、モバイルブロードバンドは途上国においてはまだ高価なものだ。とりわけヘビーユーザーには。事実、多くの国では固定ブロードバンドに匹敵し、途上国の低所得層には手が届かないままになっている。プリペイドモバイルブロードバンドサービスの導入は、この問題に対処している。low-volumeユーザーや、ポストペイドの対象にならない人向けに比較的手頃な解決策となっている。
・殆どの途上国では、モバイルブロードバンドサービスは、まだ揺籃期にあり、事業者は異なる市場セグメント向けに多様なソリューションを提供している。こう予想できるかもしれない。ひとたび高所得層がカバーされたら、低所得層、低利用層を狙った多くの提案が近い将来なされる。このようにして、インターネットは多くの人にもたらされると。
・さらに、途上国では、向こう数年間、スマートフォンと安価なタブレットの高い伸びが見込まれる。例えば中国は米国を抜いて、世界最大のスマートフォン市場になったばかりだ。そして高い成長率は、低価格の端末とサービスによって来年も続く。これ(安価な端末とサービス)は、BRICS諸国のような大きな新興市場にも、モバイルビデオのアプリケーション増加と相まって、モバイルブロードバンド契約やネットユーザー数の増大にインパクトとなる。そして、モバイルボイスからモバイルデータへの転換をさらに強めることになる。その結果、ネットワークの大幅な高度化−より高速化、帯域増大−が求められることになり、この分野への持続的な投資はすべて正当化される。
・その一方、固定ブロードバンドの普及率の伸びはよりゆっくりだ。昨年の数字は全世界で10%、先進国で5%、途上国で18%。契約数は5.3億件から5.9億件になった。普及率は先進国で25%、途上国5%、世界全体では8.5%で、飽和の兆候は見えない。固定ブロードバンド普及率は今後数年間は成長し続けると見られる。
・モバイルネットワーク・インフラに比較して、固定ブロードバンドインフラはより大きな投資を必要とする。とりわけlast mileにおいて光ファイバーを設置することでブロードバンドアクセスは大きく改善される。この新固定ブロードバンドネットワークは、モバイルブロードバンドサービスよりも高速、大容量、高品質を提供している。だから、モバイルブロードバンドは、固定ブロードバンドに取って代わるものではなく、補完するものである。このことは、ブロードバンドのアドバンテージをフルに活用する団体や企業などのハイエンドユーザーに特に当てはまる。
・先進国の殆どで、固定網は僻地を除きどこにでも設置されており、次世代ネットワークに更新されている。これらの国では複数端末の使用が増加しているとともに、ビデオなどでトラフィックの多くがが支配されている。データトラフィックの上昇の殆どは固定網による。
・多くの途上国では、基本的な固定ブロードバンドインフラは建設途上か、計画段階だ。都市部では固定ブロードバンドが始まってもローカルでは有線より狭い帯域しか提供できない無線ブロードバンドに制限されるだろう。有望な開発は高速ブロードバンドのWiMaxの展開を拡大することだろう。



