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誰がための救急車?

宿直をしていて、救急外来対応をやっているとよく分かるのですが、昔から、語弊を恐れずに言えば、日本には救急車をタクシー代わりに使う人が多すぎるようです。


救命救急士さんたちも、これじゃ仕事にならないだろうなぁとたびたび思います。


統計的には、入院の必要のない軽症での救急車要請は50%を超えるようです。


脳外科のように重症疾患の多い科においても、しばしば不要な救急車要請を見かけます。


おそらく、一番脳外科で頻回なのは、

「頭をぶつけたものの、元気なお子さんを連れてくるために救急車を使う両親」

でしょう。


確かに心配されるのは分かります。


頭をぶつけて心配されるのは仕方のないことです。


しかし、救急車を要請する必要があるのか??


というと、たぶんノーだと思います。


もちろん頭をぶつけた程度によりますし、交通事故やなんらかの高エネルギー外傷が推測されるような場合は別ですが、ただ転んだだけでも救急車を呼ぶのは日本だけではないでしょうか。


状態が悪化しているのであれば、なるほど救命救急士さんのプロのサポートが必要でしょう。


しかし、実際には「少なくとも両親が子供を病院まで連れてこれる」であろうケースがほとんどです。


そして、恐らく救急車を呼ぶよりもその方が病院に到着するのは早いと思われます。


他の病気に関しても、症状が比較的状態が安定している、自分で歩行できる、移動手段がある、というケースに関しては救急車を使うのはやめるべきではないでしょうか?


昨今、いろいろと救急車の出動などを巡って問題が起きていますが、根本にあるのは「不要な要請」が多すぎることだと思います。


軽症も含めてそれら全てのニーズに対して出動できるほどのマンパワーがあるはずもありませんし、人的資源も救急車の数も有限です。


そういった状況の中で、半数以上が軽症の要請であったり、必ずしも救急車を要しない要請であると、オオカミ少年ではないですが、問題が起きることは容易に予想できます。


軽症の要請が多すぎて本当に救急車が必要な人が利用できない、という事もあるでしょう。


日本の医療のフリーアクセスの悪い点の一つだと思います。


フリーアクセス自体は良いにしても、利用する国民にモラルがなければ全体が機能不全になってしまいます。


これは救急車のみならず、日本の医療のあらゆる分野に見られる問題だと思います。


やはり、

「受診後に入院が必要でない、もしくは救急車の利用が妥当でない、と判断される場合には、後払いでいくらかの料金を請求する」

とした方が全体にとっていいのではないか??と宿直のたびに思ってしまいます。

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