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GoToトラベルの値引きより8月の消費者物価(CPI)上昇率はマイナスに転じる!!!

本日、総務省統計局から8月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率はとうとうマイナスに転じて▲0.4%を示した一方で、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率は▲0.1%でした。

まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価3カ月ぶり下落 8月、GoToで宿泊料下がる

総務省が18日発表した8月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、変動の激しい生鮮食品を除く総合指数が101.3となり、前年同月から0.4%下落した。マイナスは3カ月ぶり。政府の観光支援事業「Go To トラベル」で宿泊料が32.0%下落し、指数を押し下げた。

「Go To トラベル」はホテルや旅館の宿泊費用の35%を割り引く制度で、総務省は割引後の価格をもとに消費者物価指数を集計した。同省の試算では事業がない場合、宿泊料は前年同月比7.1%の下落だったが、事業の影響でさらに24.9%下落した。

宿泊料の下落だけで指数を0.42ポイント押し下げた。同事業の影響を除いた指数は前年同月から横ばいだった。

宿泊料以外では電気代が2.5%、ガソリン代が6.3%下落した。原油価格は春以降持ち直したが、年初の原油価格急落の影響が半年ほど遅れて電気代に反映された。幼児教育・保育の無償化も、引き続き物価上昇の重荷となった。

生鮮食品を含む総合指数は102.0で、前年同月から0.2%上昇した。7月までの日照不足や長雨、8月の猛暑など天候不順が続き、生鮮野菜・果物がほぼ全面高となった。レタスは91.1%、ナシは20.0%上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。

折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。

加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。

統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

コアCPIの前年同月比上昇率は日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは▲0.4%でしたので、ジャストミートしたといえます。

大雑把にいって、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、国際商品市況における石油価格が低迷していることに加え、7月22日から始まったGoToトラベルによる値引きで宿泊料が大きなマイナス寄与を示しています。

具体的に数字を上げると、電気代やガソリン代をはじめとするエネルギーが▲0.27%の寄与を示し、先月7月統計の▲0.35に比べればマイナス寄与の幅は縮小しましたが、依然として大きなマイナスです。

宿泊料は、8月統計では前月比▲18.4%、前年同月比▲32.0%の大きなマイナスで、前年同月比に対する寄与度も▲0.42%に上っています。宿泊料ほどのウェイトはありませんが、外国パック旅行費も▲0.02%の寄与度を示しています。

まあ、7月下旬からGoToトラベルが多くの反対を押し切ってはじめられ、10月には東京発着にも拡大される、といった動きの中で、旅行や宿泊などの対人要素の強いサービスはCOVID-19の影響が海外旅行も含めて残っているような気がします。

なお、引用した記事にある通り、総務省統計局の資料において、前年同月比で▲32.0%の下落となった宿泊料は、GoToトラベルの影響で▲24.9%、それ以外で▲7.1%との分解結果の試算が示されています。

加えて、これも引用した記事にもある通り、幼児教育・保育の無償化も物価にマイナスの影響を及ぼしています。他方、コアCPIの外数ですが、猛暑の影響で生鮮食品が値上がりし、私もスーパーなどで見るにつけ野菜や果物の価格が高いと実感しています。

消費者物価(CPI)に限らず、物価指標については、何度過去のブログでも繰り返しましたが、10月統計になると昨年2019年10月の消費税率引上げの影響が剥落します。

ですから、来月の9月統計はともかく、消費者物価(CPI)についても、年末にかけて前年同月比上昇率のマイナス幅が拡大することは覚悟しておかねばなりません。

最後に物価を離れて、10年余り前のリーマン・ショックの後の景気後退期には、政権交代後の民主党内閣で家電エコポイントとエコカー減税という耐久消費財の代表格の家電と自動車に補助金を出しました。

そして、今回のCOVID-19ショックでは自公政権がGoToトラベルでサービス分野の旅行業界に補助金を出しています。

私はエコノミストとして、こういった個別業界への補助金ではなく、特定給付金のような家計の購買力を向上させる経済政策が必要と考えています。そういった左派リベラルの経済政策は出てこないもんでしょうか?

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